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【ライブラリーイベント】開催レポート
春の星空入門

ライブラリーイベント

日時:2017年4月4日(火)19:15~20:45@スカイスタジオ


星や宇宙になんとなく興味があるけど、どこから手をつけたらいいかよく分からない方を対象に、星空の入門講座を開催しました。第一回のテーマは「春の星空」。季節の見どころやそれにまつわる天文学のトピックスを、天文学普及プロジェクト「天プラ」代表の高梨 直紘さんにご紹介いただきました。

春の星空がおススメの理由



春は天気が落ち着いた日が多く、高気圧が張り出していることが多く、風があまり吹かないという特徴があるため、星空観賞に向いているのだそうです。なぜ風が吹かないほうが良いかと言うと、星が瞬くのは風が強いからなのだそう。そして、なぜ星が瞬かないほうが良いかと言うと、双眼鏡や望遠鏡で観察した時に、惑星や天体の特徴を細かく観察することが出来るからだと言います。たとえば土星の輪っかは、風が強いときに見ると揺れてしまいはっきり見えないのだそうです。
春の季節のように落ち着いた天気のときに観察すると、ここ六本木ヒルズの屋上からでも土星の輪がしっかり観察することができるそうです。

但し、落ち着いた天気は良いのですが、だんだん湿度が高くなってくる季節でもあるため、空に霞がかかってしまいます。
星を眺めるのには少々障害となる春霞ですが、霞の空にぼうっと浮かんでいる月などは風情があり、さらに桜の時期であればさらに味わ深いといいます。また、春の時期は夏や冬に比べて有名な星は少ないそうですが、裏を返せば、派手じゃない星の味わい方が楽しめるそうなので、是非春の夜空を眺めて見てくださいと高梨さんはおっしゃいます。

4月中旬夜8時東京の空


続いては、配布された4月中旬、夜8時の東京の簡易版星図を見ながら、春の空には具体的にどんな星がでているのか星図の読み方を教えていただきました。

まずは、春の代表的な星座で7つの星が柄杓の形に並んだ北斗七星を見つけます。誰もが知っている北斗七星は、なぜ有名かというと、北極星を探すために使える星座だからだそうです。柄杓のスプーンの部分の右側の星を結んで約5倍のところに北極星があるため、昔から北の方向を知る方法として重宝されていて、さまざまな文化で大事にされてきました。

また、北斗七星の柄杓の柄の部分のカーブを延長し、アークトゥルスを通っておとめ座の1等星、スピカへたどり付くラインは、春の大曲線と呼ばれ、春の代表的な星のひとつだそうです。星の明るさは、1等星から目で見える範囲では6等星までありますが、東京の夜でも2等星くらいなら十分に見つけることができるそうです。そして、アークトゥルスは別名:麦星ともよばれ、色が少し黄色味がかっていて、スピカは別名:真珠星と呼ばれるだけあって純白だそうで、明るさのほかにも星の色に注目してみるのも、星の楽しみ方のひとつだと言うことです。


スピカの直ぐわきには、1等星より3等級明るいー2等級(マイナス2等級)の木星も見えますが、惑星は星座の星たちの間をさまよっていて、一つの場所に留まっていないため、配布された星図には記載されていませんでした。また、星図に記載されている東西が地図とは逆になっているのは、地球からみた宇宙と宇宙から見た地球との違いだと言うことも教えていただきました。

天文学はギリシャの時代に盛んになり、その後イスラム圏に中心が移りそこで発展し、その後はヨーロッパに戻ってきて、近代~現代に至るというのが大雑把な流れで、様々な文化圏を通ってきているため星の名前にはそれらの国々の様々な言語が使われているのだそうです。例えば、星座の名前はラテン語、星の名前はギリシャ語やアラビア語などで、さらに複数の名前をもつ星も沢山あるそうです。

ラテン語を使った星座の名前は、現在は製品名などに使用されていることが多くあるそうなので、聞き覚えのあるものも多いのではないでしょうか?このように、星空を見るにあたって、星にまつわる色々なことを知っていると、奥行きのある楽しみ方が出来ると言うことです。

太陽の道


星図の中には太陽の軌道も記載がされていて、これを中国では天道、現代の科学用語では黄道と呼ばれています。太陽は常にこの黄道の上を通りますが、この黄道上にある星座を「黄道十二宮」といい、西洋占星術に使われる12星座のことをだそうで、自分の星座を見つけたいときは、この黄道をたよりにすると見つけやすいそう。

そして惑星もほぼ黄道上を通るので、複数の惑星が見つけられれば、惑星と惑星をつないで黄道線を見つけたり、また、月も黄道から比較的近いところを通っているので、惑星と月を頼りに黄道の位置を推測することもできるそうです。

この他にも1億年に1度程度の頻度起きている小惑星の衝突のお話や、まだ記憶に新しいロシア・チェリャビンスク州の隕石落下についてもお話いただき、このチェリャビンスク隕石は、落下の時間があと数時間ずれていたら日本に落ちていた可能性もあったのだそうです。この程度の小惑星の落下は100年に1度程度の頻度で起きており、小さい惑星は地球に近づかないと観測されないため、事前に知ることが難しく、誰にも発見されずに地球に落ちてきていることもあるのだそうです。さらに、これよりも小さいものはもっと頻繁に落ちてきているのだそうです。

Mitaka


後半は、国立天文台が収集した陽系・恒星・銀河データをもとにして開発した「4次元デジタル宇宙ビューワー」のMitakaを使って、この日に紹介していただいた色々な星が、宇宙の中でどんなふうになっているかを見せていただきました。地球から宇宙を自由に移動して、宇宙の様々な様子を立体的に体験することができ、実際の宇宙さながらのバーチャル天空ショーに皆さん興味津々で見入っていました。

4月は木星の見ごろを迎えているそうで、4月8日は太陽と地球と木星が一直線に並ぶショーを見ることが出来るのだそうです。ショーは1日だけですが、この日の前後1~2カ月くらいは、木星を楽しむ良い時期なのだそうです。六本木ヒルズの屋上でも4/8と4/28に木星を見る会が開催されるそうです。

知っているようで知らないことが沢山ある星空のお話に、参加者の皆さんはとても刺激を受けたようで、是非、夏の星空のセミナーも開催してほしいというリクエストが沢山寄せられました。リクエストにお答えして開催させていただきますので、開催のお知らせを楽しみにお待ちください!


【スピーカー】高梨 直紘(東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム 特任准教授)


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