六本木ヒルズライブラリー

スマートフォンで始めるThe Economist の歩き方

Roppongi Learning Community 2012年4月の定例会

メンバーズ・コミュニティ
更新日 : 2012年05月31日 (木)

開催日 2012年4月29日(日)10:00~12:00

The Economist(以下エコノミスト)は、世界中で読まれている英国のニュース経済紙です。世界各国の政治、経済から科学や芸術まで多彩な分野をカバーし、質の高い情報と大胆な分析に定評があります。今回の定例会では、RLCのスタディグループの一つ、「The Economistで学ぶ会」のメンバーから、それぞれお勧めのエコノミストとの付き合い方を紹介していただきました。
当日発表された内容について、概要をご紹介します。

1.The Economist紙って?

The Economist紙は、英国の週刊経済紙。経済、政治、アート、ビジネス、テクノロジーと幅広い分野、世界を俯瞰する広い視野、データに基づいた分析が特徴の雑誌です。1冊の記事の量は、70~80記事あり、年間約4,000記事が掲載されています。

2.読みたい記事の選び方


(写真1:iPadのアプリ画面)
エコノミストの記事を読む方法は様々です。今回は、その媒体(雑誌、アプリ、ホームページなど)ごとにおすすめの記事の選び方を紹介していただきました。

①アプリから選ぶ(写真1)
まず最初に紹介されたのは、iPhone、iPad、アンドロイドなどのスマートフォンアプリ。「The Economistで学ぶ会」の運営おすすめのこの方法、最大の利点は記事全文を音声で聞くことができること!です。無料版でも、毎週編集部が厳選した5記事を読むことができます。年間18,000円で定期購読すれば、雑誌と同じようにすべての記事を読むことができます。今回はアプリ紹介の後、その場で参加者の方々にアプリをダウンロードして試していただきました。

②雑誌から選ぶ
週刊で発行される雑誌のメリットは、1週間の世界のニュースを1冊で把握できること。膨大な情報を得ることができる今、「これ1冊読めば終わり」という素晴らしさがあります。また、雑誌のほうが見やすいのも確かです。購読するなら定期購読がおすすめですが、年間34,500円ほどかかります。数記事だけ読みたい方は、書店で立ち読みして、じっくり読みたい記事が決まったらWEBで読む方法もおすすめです。


(写真2:ホームページのTOP画面)

③WEB(ホームページ)から選ぶ(写真2)
ホームページには豊富なコンテンツが詰まっています。長所を挙げると、
圧倒的なコンテンツ量
ホームページでは、雑誌に掲載されている全ての記事の全文を読むことができます。さらに、1997年から約15年分の記事を読むことができるため、データベースとしても優れています。
無料でも1週間に約5記事読める
無料でも1週間に約5記事まで読めます。
WEB版だけのコンテンツ
今回の定例会では一覧をお配りしましたが、ホームページには雑誌記事の他に23種類のジャンル別(中国、アフリカ、経済などなど)Blogが掲載されています。他にも、特定のテーマ(原子力は必要か不要か?など)について、WEB上で1週間に渡るディベートなども行われています。

一方で、短所もあります。
情報が多すぎる
情報量が多すぎて、どの記事を読んだらいいか分かりづらいといという欠点があります。そこで今回の定例会ではメンバーが実際にやっている方法を紹介してもらいました。ここでは、当日紹介されたもののうち一部をご紹介します。

(実例紹介)
A)人気のある記事、議論が盛り上がっている記事を読む
最初に紹介されたのは、トップページ右列上部にある、Most Commented とMost recommentedです。ここには、ここ数日で世界から最もコメントが書き込まれた記事と、お勧めを受けた記事がランキングで10位まで表示されます。これをみれば、世界の読者が注目している記事を、短時間で知ることができます。

B)雑誌版のように読む
トップページ上部の「Print Edition」から紙面掲載の目次を見ることができます。カテゴリー毎にまとまっていて解りやすいのでおすすめです。なお、雑誌版の冒頭には「Politics this week」と「Business this week」の2つの記事があります。これらは、1週間の政治と経済・ビジネスの記事を要約したもので、最低限これだけ読めば世界の主要な動きが分かります。

C)自分でテーマを決めて読む
他には、メンバーから1つのテーマを継続して読む方法が紹介されました。エコノミストの記事は英語も内容も難しいため、始めはなかなか理解できません。しかし、自分でテーマを決めて(中国の政治を読む!など)、本やネットで調べながら同じテーマの記事を継続して読むと、前提知識や語彙も蓄積され、どんどん記事が読みやすくなります。
その他にもたくさんの記事の選び方を紹介していただきました。

④その他の方法から選ぶ
Economistの記事を選ぶその他の方法としては、igoogleのガジェットにいれて、日常的に目に入れるようにする方法や、Facebook、Twitterに登録する方法などが紹介されました。

3.選んだ記事の読み方

ようやく記事を選んでみたものの、やはり定期購読の最大のハードルは記事の内容の難しさです。今回は、記事を読むための方法についても、メンバーからいくつか紹介していただきました。

記事を読むのに必要な2つのこと
エコノミストの記事を読むには、内容についての「前提知識」と「英語力」の2つが必要になります。
まずは裏ワザから
難しいことはさておき、まずは裏技からご紹介。
JB-Pressでは、週に3本程度、記事全文を翻訳したものを掲載しています。まずはこちらの記事から原文を読んでみるのもおすすめです。
英語を調べるおすすめの辞書
メンバーの使用率が高かったのは、アルクの英辞郎などのWEBの辞書や、googleなど検索エンジンでした。また、専門用語についてはWikipediaを使用する方も多いようです。
前提知識をお勉強
知らない国や、人物については、Wikipediaで調べる人がほとんどでした。単語の他、歴史、外交・経済関係など、幅広く調べられる一方、信頼性が疑わしい場合もあるので、他のソースを当たる必要があるとのお話もいただきました。
また、各国の近代の歴史や政治についての知識が足りないと思ったら、アカデミーヒルズの蔵書を活用するのもありです。ライブラリーにすべては揃っていませんが、池上彰さんの「そうだったのか」シリーズは非常に解りやすく名著です。

4.The Economistで学ぶ会のご紹介 【The Economistを習慣に】

最後に、今回の定例会を担当したRLCのスタディグループの一つ、「The Economistで学ぶ会」について説明がありました。
・目的:The Economistを読めるようになること、習慣にすること。
・開催日時:毎月第2、第4土曜日 朝9時~11時
・形式: 持ち回りで担当者が記事を予習し、発表する。内容について参加者でディスカッション。 
・記事:各回担当者が自由に選んだ記事。通常2記事程度。
・言語:日本語
・レベル:The Economistを読める人だけの会ではありません。読めるようになりたい人のための会です。
・メリット:みんなで読むことで強制力が働く。調べた前提知識や、語彙を教習することで効率的に理解することができる。細かい疑問についてすぐ質問できることなどが挙げられます。様々な分野のプロフェッショナルが参加しているため、メディアでは語られない知識を得る事ができます。

RLCでは毎月の定例会での活動の他、目的別に別れたspin-offスタディグループの活動が行われています。spin-offスタディグループとは、同じ分野について「勉強したい!」とおもう意志を同じくする有志による勉強会です。現在活動中のスタディグループは9つ。英語、ITなどのスキル向上を目的としたもの、MBA出願のためといった目的にフォーカスし英語で知識を研鑽するもの、経済学など専門性を高めることを目的としたもの、美術見学など一般的な教養を深めることを目的としたもの等、多義に渡っています。同時に「○○を一緒に勉強する仲間を集いたい」等、スタディグループの立ち上げも積極的に支援しています。

スタディグループに関する情報は、RLC_MLにて配信中です。MLへの参加をご希望になる方は、運営アドレス(rlc.academyhills@gmail.com)までお問い合わせください。

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