六本木ヒルズライブラリー

どうすれば、優れた「仮説」や「分析」がたてられるのか?解像度の高い分析解明とは?!

生方 正也さんの『ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力』

東京大学を卒業後、マーサーやグロービスといった一流のコンサルティング・ファームを経てご自身の事務所を構えた生方正也さんは、アカデミーヒルズ六本木ライブラリーのメンバー。御著書も多く、『シナリオ構想力実践講座』(ファーストプレス刊)の出版の際にはライブラリートークでのスピーカーも務めて頂きました。その生方さんがこの度、『仮説思考と分析力』(日本経済新聞社刊)を刊行。同書について語って頂きました。


■当たり前の「仮説」「分析」をレベルアップさせよう!
 「仮説」や「分析」という言葉は、当たり前のように使われています。しかし、いい仮説や分析と悪い仮説や分析の区別はつくが、どうすれば「仮説」や「分析」がよいものになるのかはよくわからない、というのが現状ではないでしょうか。「この仮説はいまいちだな」「こんな分析じゃ使えない」と部下に言うだけで終わらない(上司に言われない)ために、「じゃあ、どうすればよい仮説を立てられるのか、よい分析ができるのか」のコツをまとめたのが本書です。

本書では、いくつか工夫をしています。
考え方を理解する場合、イメージが大切です。具体例がなければイメージできません。本書はほとんどの章で、事例や演習をあげ、その解説を中心に進められていきます。

■日本を代表する企業の成功事例で、仮説立案の思考パターンを紐解く
 仮説を立案する場合、そのコツは実際の成功事例を見るとよくわかります。そこで、セブン-イレブン、ヤマト運輸、ファーストリテイリングなどの日本を代表する企業、そしてサントリーの大ヒット商品「伊右衛門」などを用いて、仮説立案の流れを追っています。これらの成功例を丁寧に見ると、「使える」仮説を立てるために驚くほど共通した思考プロセスをたどっていることがわかります。こうした思考パターンを解説していきます。

■演習を通じて、解像度の高い分析を解明する
 分析に関しては、なかなか実例でよい分析を紹介することができません。そこで、演習を用いてそのコツを紹介しています。
紹介の仕方も、よい例だけ、悪い例だけを載せるのではなく、赤ペン先生のように、悪い例に対してはどこが悪いかを添削しながら、よい例はどこを参考にすべきなのかがわかるように示しています。

 仮説や分析は、その後の行動に大きな影響を及ぼします。ぼんやりとした仮説をたてたり、漠然と分析をしているだけでは、その後の行動も焦点がぼやけて、結局あまり意味のないものになりがちです。思考力の向上に加え、その先にある行動の精度を高めるためにも、本書をお役立ていただければ幸いです。

生方 正也さん (HRデザインスタジオ代表)


東京大学文学部卒業。日産自動車、ウイリアム・エム・マーサー(現マーサー ジャパン)、グロービスを経て独立。現在は、人材育成に関するコンサルティングに加え、ロジカルシンキング、問題解決、仮説思考などの指導を行っている。
著書に「シナリオ構想力実践講座」(ファーストプレス、2008年)、「仮説思考と分析力」(日本経済新聞出版、2010年)、共著に「ロジカル会話問題集」(朝日新聞出版、2008年)がある。現在「Think!」(東洋経済新報社)にて、「コミュニケーションの設計技法」を連載中。

関連書籍

ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力—ポケットMBA〈5〉

生方正也
日本経済新聞出版社