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ライブラリアンの書評    2017年6月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?



“勉強とは変身である”


ヒーローもののTV番組に心躍らせ、変身願望を養っていた幼いころの自分に「変身するにはまず、勉強しよう」と教えてあげたくなりました。けれども思えば、幼いころは勉強よりも遊びに夢中であり、勉強なんて二の次三の次だったに違いありません。

ただ思えば、遊びもいわば学びの一種であり、子供は子供で遊びを通して自然と学んでゆきます。むしろもっと遊び、遊びから学ぶ。 複眼的に横断的に、学びから遊びを見つけてゆく力を、より身につけるべきではなかろうか。

勉強とは今いる環境とは別の領域を学ぶことです。すなわち今の立ち位置を脱し、新たな環境に身をさらすことです。
新たな環境に身をさらして、今いる環境とは別の自分自身になる、すなわち自身を変身させること。なるほど勉強とは変身です。



めまぐるしく社会が変わりゆく中で、常に勉強をし続けることの重要性は言うまでもありません。「勉強」とは、もちろん机上においてのみならず、日常生活において日々観察し、体感し、誰かとの対話を通して実践的継続的に続く「日々是勉強」な態度です。

現代は学ぶには最高の環境が整っています。最初から難解な原書に向き合わずとも、どんな分野においても入門書や教科書があり、Webからはすぐにアクセスできる授業があります。

そんな中、ただ闇雲に学ぶその前に、「勉強自体を哲学する」ことを説き、もっと若いころに読みたかったと思わされたのが本書。
そこにあるのが「勉強とは変身である」という言葉。
学びの構え、勉強の心得ここにあり!です。



学びを通して、多様な世界に対しての複眼的視点を持つ。経営学を学べば経営学的視点を、解剖学を学べば「筋肉や骨」的視点で人が見えてきます。

もちろん学びに「完璧な完了」は無く、そのことを踏まえたうえで、学びの中断と再開を繰り返しながら、「自分なりの学びの哲学」を本書を通して知り、より広く深い学びに向かう勇気が得られる一冊です。


そして学びの入り口は、ライブラリーの書棚にあります!


(ライブラリアン:結縄 久俊)


勉強の哲学 来たるべきバカのために

千葉雅也
文藝春秋


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