小谷真理(こたに・まり)
SF&ファンタジー評論家 日本SF作家クラブ会員
プロフィール
1958年富山県生まれ。北里大学薬学部卒業後、湘南赤十字血液センターに薬剤師として勤務。平塚江南高校時代にSFファンダムと遭遇し、1976年にHF&Fファンクラブ「ローラリアス」の創設メンバーとなり、コスプレ、同人誌制作など長くファン活動をしていたが、 1989年プロのSF評論家としてデビューし、独立。1990年ダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(トレヴィル)で第2回日本翻訳大賞思想部門受賞。1994年欧米のフェミニズムSFをフェミニズム批評で分析した第一著書『女性状無意識』で第15回日本SF大賞を受賞。1997年当時一大ブームになっていたSFアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』をフェミニズム批評で分析した『聖母エヴァンゲリオン』(マガジンハウス)を刊行し、アカデミズムの手法でポップカルチャーを論ずるカルチュラル・スタディーズの方法論を提示した。
1998年、自身のペンネームが学者である夫・巽孝之のものであるとの誹謗中傷を受け、裁判に訴え、2001年に勝訴。これをきっかけに、ジョアナ・ラス『テクスチュアル・ハラスメント(文書による性的いやがらせ)』を邦訳し、同事件が性差別によるものであると主張。以後、性差別による文章上の嫌がらせの研究を続ける。2001年よりジェンダーSF研究会(https://gender-sf.org)を立ち上げ、毎年、その年に刊行されたSF&ファンタジーの中でもっともジェンダーについての考察を深めた作品を称揚する「センス・オブ・ジェンダー賞」をプロモートしている。
主な著作は、『ファンタジーの冒険』(ちくま新書)、『おこげノススメーーカルト的男性論』(青土社)、『テクノゴシック』(ホーム社)、『エイリアン・ベッドフェロウズ』(松柏社)他、共著『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』(みずき書林)など多数。1990年より<日本経済新聞>木曜夕刊のエンターテインメント系時評欄「目利きが選ぶ3冊」を三週間毎に執筆している。
関連講座
2021年03月
第6回 多様な性から見直す近代社会システム:フェムテックからSFファンタジーまで
科学技術振興機構HITE領域コラボ「混沌(カオス)を生きる」
講座開催日:2021年03月31日 (水)
フェムテック(FemTech:女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品やサービス)のベンチャー起業家も議論に参加し、真に「多様性を包摂する社会」について考えます。
著作書籍
星のカギ、魔法の小箱—小谷真理のファンタジー&SF案内
小谷真理中央公論新社
テクノゴシック
小谷真理集英社
リス子のSF、ときどき介護日記
小谷真理以文社
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