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ライブラリアンの書評    2023年2月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?




「ひとこと」で、思ったことを伝えたい!

そう思いながらも、言いたいことは言いたいし、そのためには多くの言葉が必要で、シンプルさとわかりやすさを心がけながらも、ずいぶんと多くを語っていたり、てんで見当違いのことを言っていたり。結局言いたいことはなんだったのか? もっと端的に表現できなかったのか? なんてことに気付いたときにはすでに遅し、ぐるぐる堂々巡り巡ってつまるところ、ちゃんと伝わったんだろうか?

芯にあるのは「伝えたい」という思い。であればまず、自分が本当に伝えたいことは何なのか? 伝えたいことの本質が、誰かの借り物ではなく、自分が「ほんとうに思っていること」なのかを、明確に捉えられているのか? を「自分に問う」こと。

第一線のコピーライターである著者の「ひとこと化」。
「いくぜ、東北」「カラダにピース」といったコピーはどのように生まれ、どのような物語を紡いだのでしょう。


読むほどに、正直、そこまで披露していいの?と思います。
が、きっと、いいんです。
そうやってオープンにして、読者がより自分の言いたいことに近づき、「ひとこと」で言うことができれば、世界はより良いものになる。そんな願いが込められているかのよう。

著者が日々言葉に向き合い、アンテナを張り、書き続けてきたからこそ見えている光景とは? 粒度の高い文章に触れれば、あなたも自身の言葉で、まだ誰も見たことがないような表現を見つけられるかもしれません。

そのためには、自分に正直に向き合うこと。
自分のこころに、素直になること。
あとはもう、行動するだけ。
 

(ライブラリアン:結縄 久俊)
 
 

ひとこと化

坂本和加
ダイヤモンド社



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