理事長挨拶

理事長のごあいさつ

今私たちは、世界規模のトランジション(体制移行)の中にいます。
新型コロナウイルスのパンデミックは、働き方をはじめ、ライフスタイルや価値観を大きく変えました。また、ロシアのウクライナ侵攻など世界情勢の急激な変化は、各国の安全保障体制や世界経済に大きな影響を与えています。そして、テクノロジーの進化は、産業資本主義からデジタル資本主義へと価値創造のあり方を変えています。

これらの一連の現象は、日本だけではなく世界共通のものであり、世界規模のトランジションと捉えることができます。私たちは今まさに、このトランジションを超えた先に拡がる未来への準備が必要ではないでしょうか。
それにはエンパワーメント、特に個人のエンパワーメントが圧倒的に必要だと思います。個人のエンパワーメントとは、まず一人ひとりが真剣に学び、深く考える力を身に付けることです。それは個々人の精神的豊かさを高めることに繋がり、その先の企業や社会を強くします。

一方で、「学び」とは何でしょうか。
テクノロジーの進化により、インターネットから多くの情報を得ることができます。しかし、そこから「思考しアウトプットする」能動的・主体的な姿勢が「真の学び」ではないでしょうか。
この「真の学び」が、これからの変化を受け入れる側ではなく、創り出す側にしてくれると考えます。
そのために2023年のアカデミーヒルズは、今まで以上にこのような「真の学びの場」を創っていきたいと思います。

私自身、江戸の儒学者、佐藤一斎の次の言葉を噛み締めて、学び続けたいと思います。

少くして学べば、則ち壮にして為すことあり
壮にして学べば、則ち老いて衰えず
老いて学べば、則ち死して朽ちず

2023年1月

竹中平蔵



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