日本元気塾

為末・遠藤ゼミの活動報告(4期)

日本元気塾
更新日 : 2016年02月10日 (水)

フィールド・ワーク「Xiborg 練習見学会」

講義概要

■開催日時 
2015年8月9日(日) 13時~16時

■概要
等々力陸上競技場での練習見学会
 

講義の感想レポート 

実際の走る速さ、選手と対話を重ねる講師の姿等、現場ならではの暗黙知を学んだフィールド・ワーク。 
今回は、塾生の山本さん、村上さんにレポートしていただきました!



村上さん
先日のエンタメゼミの課外授業は、 Xiborgの練習見学。義足アスリートの池田樹生選手の練習を最初から最後まで密着で見学させていただきました。
「義足で走る」ということは、「健常者」が走るときと様々な条件の違いがあるそうです。例えば筋肉自体がない、筋肉が不完全な状態、Aの筋肉を鍛えるときに使うBの筋肉がない…個人個人の身体の状態によって、その条件の違いも様々。その「違い」を踏まえて、選手にとっての「最適な走り方」を、様々な角度から検証する練習の仕方は、私の知っている「ただ走る」という練習とは全く違いました。

基礎練習から実際に走りぬくところまで、常に選手とコーチが対話を重ねながらの練習は、為末さん曰く「小さな PDCAを高速で回している感じ」だそうです。お二人のコーチは、自分の足を動かさないようにして動きをシミュレーションしたり、池田選手の体を実際に触って筋肉の有無を確かめたり。約3時間にも及ぶ練習の中でもひとつひとつ丁寧に、想像力と実践で「違い」を乗り越える工夫をされていたのが印象的でした。

義足のパラリンピアンが目指すべきは、「健常者」と同じ走り方でなく、オリジナルの走り方なのかもしれない。選手本人にも、サポートしているコーチにも、正解が見えている訳ではないそうです。ベストな走り方は人それぞれ。最適な身体の使い方と最適な義足を、コーチと選手、エンジニアが一体になって探していた姿は、「練習」というよりも「探究」のようだと思いました。感覚的に「こうじゃないか」とコーチが思ったことを、選手が実践する。選手はその結果をコーチに伝え、エンジニアが別の観点からフィードバックする。そして皆で次の TRYを考えていく。何度も何度も繰り返されるこのプロセスは、「画一性」ではなくて「多様性」が重視するアプローチそのものだと感じました。

これからの「教育」のありかたもこのようでありたい。そんな想いでいっぱいになった一日でした。また、「エッジを超える」ために「協働する」見本となるような先生方の姿を見ることができたことも、素晴らしい経験だったと思います。




山本さん
Xiborgの練習風景を見学させていただいた。為末大さんと遠藤謙さんが交わることで「エッジを超える」課外授業。“最先端を開拓する”、その光景を間近で感じられる時間となった。

義足ランナーが1本ダッシュを行う度に、為末さんがそのランナーに次に意識してみてほしいポイントをフィードバックする。義足ランナーはそれを意識しながら、再度ダッシュを行う。そのダッシュ、フィードバック、ダッシュの流れを何度も何度も繰り返す。為末さんはその義足ランナーと全く同じ脚のコンディションで走ったことがない為、常に義足ランナー本人の感覚を想像しながらアドバイスを行う。為末さんの言葉を借りれば「高速でPDCAサイクルを回している感じ」。不透明で正解のない世界で、効果的な動きとそれを身につける為のトレーニング方法を想像力を働かせながら探求する。為末さんの一つひとつの発言や表情、動きに、惹き込まれていく。紛れもなく、これが“最先端を開拓する”、まさにそのシーンなのだ。この一連の練習風景を遠藤さんがノートに随時メモしている。研究所に持ち帰り義足設計の研究に活かすのだという。どのように研究に活かされるのか。研究所の中での遠藤さんと為末さんのやりとりも生で見てみたいと思った。

課外授業。普段の室内の講義とはまた違い、実践の場を生で体験し、お二人の暗黙知をより強く感じることができたように思う。