六本木ヒルズライブラリー

脳の不思議を知る5冊~AI時代のアタマの使い方

更新日 : 2022年11月14日 (月)





以前までは未来の出来事に思われていた様々なことが、人工知能=AIにより可能になってきている現代。原始時代から変わらないとされる人の「脳」は、今どのように考えられているのでしょうか。
行動経済学の発展により注目を集める「認知バイアス」から、最新の脳科学まで、今知っておきたい「脳の不思議を知る5冊」のご紹介です。



「脳のクセ」に気づけば、見かたが変わる
認知バイアス大全
川合伸幸 / ナツメ社
自分は「客観的に物事が見えているタイプ」だと思いますか?
何か事柄に遭遇すると、脳はその物事を認知し、判断を下します。その判断を下す前の「認知」において、脳はどのような処理をしているのでしょうか?
他人の行動を見た時、テレビのニュースを観た時、食べものを選ぶ時、買い物をする時…、生きることは判断を下すことの連続です。そしてその判断は、あなたが持っている脳のクセによって下されているのです。
誰もが持っている脳のクセ、それこそが「認知バイアス」。知れば納得、物事の見方が変わります。

最強脳
『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業 アンデシュ・ハンセン / 新潮社
日夜スマホやパソコンと向き合う日々。脳も身体も疲弊している...そう感じることはありませんか?
脳を鍛え、ストレスや不安を解消する効果的な方法、その答えは「身体を動かす」こと。
スウェーデンの小中学校で親子向けに配布されているこの本は、脳やストレスの仕組みを解説し、記憶力・発想力・集中力など脳機能のパワーアップ方法を紹介しています。
本書が訴えるのは、とにかく「運動せよ」ということ。そして「脳はいつまでも成長し続ける」ということ。
もう大人だから……と諦めず、これを機に「動く脳トレ」してみませんか?

生命知能と人工知能
AI時代の脳の使い方・育て方
高橋宏知 / 講談社
そう遠くない未来、人間は人工知能に支配される日が来るかもしれない。AI旋風がもたらしたこんなおそれは、人工知能が生命知能とは別物であるという事実が知られてきたことで、徐々に薄らいでいます。むしろ、本当に憂慮すべきは”人間の人工知能化”であるのかもしれません。

私たち人間の脳の仕組みと人工知能の仕組みの違い、果たして知能とはなんなのか、そして人工知能が未だ持てていない”意識”とはなにかに迫ります。

脳と生きる
不合理な“私”とゆたかな未来のための思考法
藤井直敬、太田良けいこ / 河出書房新社
脳によってわたしたちは常に支配されています。脳が情報を処理する際に「省エネ」してしまうことで人類は何度も不合理な難題に悩み、答えを見つけられないまま誰かと衝突してしまったりもしてしまいます。

個人レベルではなく社会環境にも及ぶこの脳の不思議を、主観(脳の内側)と客観(脳の外側)からじっくり分析することで、すっぽり抜け落ちたすれ違いの種を発見。”歴史は繰り返す”の本質は脳のメカニズムにあるといえるかもしれません。
いまだ謎の多い脳科学の分野を、さまざまな特性に分類して分かりやすく説き明かします。

ストレス脳
アンデシュ・ハンセン / 新潮社
脳はあくまで「生き延びる」ことに基づき、働く──。
この当然と思われる事実を著者の語りに沿ってひもとくと、私たちがストレスに対して大きな誤解を抱いて生きていることが露わになります。
その内容は、感情や記憶は心身防衛のために後からついてきたものであること、不安を感じることは「可能性のある脅威」に過ぎず、至って普通であること。あるいはスマートフォンによる精神衛生への影響など。
この「脅威」をいかに乗り越えて日々を送ってゆくのかを、精神科医としての臨床経験を交えながら具体的に示してくれる一冊です。

実際にその目で見ることはできないけれど、頭に手を当ててみればそこにあるであろう、私たちの脳。テクノロジーの進化がもたらす新たな時代においても、私たちはその脳を駆使し、いかなる変化にも対応していかなければなりません。
まだまだ多くの謎が隠された「脳」について知ることは、うまく生きることにつながるはず。ぜひご紹介した本を手に取ってみてください。



「脳のクセ」に気づけば、見かたが変わる認知バイアス大全

川合伸幸
ナツメ社

最強脳

アンデシュ・ハンセン
新潮社

生命知能と人工知能 AI時代の脳の使い方・育て方

高橋宏知
講談社

脳と生きる—不合理な“私”とゆたかな未来のための思考法

藤井直敬、太田良恵子
河出書房新社

ストレス脳

アンデシュ・ハンセン
新潮社


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