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気象・天候を知る7冊

更新日 : 2021年11月16日 (火)





秋もぐっと深まり、お出かけや読書も楽しみやすい頃合いになりました。明日は何を着ていこうかと考えることも、一つのよろこび。

そんなとき、きっとご覧になるのは天気予報。刻々と変化する気象のことですから、晴れやかな日もあれば荒れた模様になることもあります。明日どころか、その先のことだって気にすることもあるでしょう。こと、今広がっているのは移ろいやすい秋の空。

そこで今回は、私たちにつねに関わりながらも、実態はあまりよく知られていない「気象」の本をご紹介いたします。予報から歴史まで。一緒に自然をとらえる7冊を選びました。



図解・天気予報入門
ゲリラ豪雨や巨大台風をどう予測するのか古川武彦、大木勇人/ 講談社
明日の天気や気温を確認するための気象予報。どのように予測するのか、なぜその空模様になるのか、気になったことはありませんか?

もちろん「予報」である以上、外れてしまうこともありますが、ほとんどの予報によって私たちの生活が整うこともまた事実。年々勢力を増す台風やゲリラ豪雨といった生命を脅かす気象から身を守るのも、この予報によるものです。

本書は天気予報や天気図の仕組みや算出の仕方を、わかりやすいデータを元に解説。台風の姿や予報の歴史、そしてこれからの取り組みまでを抑えた、まさに気象予報の入門と言える一冊です。

極端豪雨はなぜ毎年のように発生するのか
気象のしくみを理解し、地球温暖化との関係をさぐる川瀬宏明 / 化学同人
近年多いと感じる豪雨の数々。それは地球温暖化のせいかも知れません。

近年の豪雨の増加は明らかで、中には記憶に新しい災害も含まれています。その脅威を知ることが回避につながることを提示してくれます。

豪雨の事例、発生理由、そして地球温暖化そのものの解剖。解説文と図解を紐解くほどに、自然現象は捉えどころがなく、まるで生きているようでおそれ多い存在に思われます。が、一方でしくみとして整理されれば、確かに防護することができ、いかに気象学が私たちの未来を支えてくれているのかがわかります。

豪雨の問題、そして地球温暖化といった私たちの目の前の問題へ一緒に立ち向かえる一冊です。

気候文明史田家康 / 日本経済新聞出版社気象予報士である著者は問います。歴史が動いたあのとき、そこでは雨が降っていたのか、風が吹いていたのか、はたまたかんかんと照っていたのか。いや、むしろそのような天気だったことが、歴史を大きく動かした要因のひとつなのかもしれない、と。

アフリカ大陸に人類が生まれ世界各地へと移動したことで、その土地土地で文明が発展してゆく。そして争いながらも交流を続けたことで、現在の私たちがいる。このことはすでにあらゆる歴史学が証明しています。が、本書が一線を画しているのは、気候への人の適応の重なりこそが人の歴史なのではないかと思えるところです。

気候変動にともなう人類の誕生から現代、そして今後の予測──温室効果ガス濃度の上昇と人口の急激な増加による、人類繁栄の不確実性をも考察した「気候文明史」とは。

──近い将来か遠い未来かはわからないが、必ず気候の激変はやって来る。そのとき、人類は今まで歩んできたように適応力を駆使して気候変動の危機を克服し、より強固な文明社を築くことができるであろうか。(本書P.336-337)

世界の気象現象ロバート・J・フォード / 河出書房新社気象現象は世界のどこにいようと、私たちと関わるものです。しかし、その姿は実際に過ごす日々の中、身体で受け止めることがほとんど。遠くの地で起きている気象現象を確かめることはあまりありません。

本書は、ここ日本に限らずあらゆる地に浮かぶ雲や降りしきる雨、そしてかかる虹などを鮮明な写真と簡潔な解説で紹介し、神秘を解き明かす写真集。同じ地球でも異なる顔を見せる気象というものに、きっと驚きと親しみを感じることでしょう。

身近にあふれる「気象・天気」が3時間でわかる本金子大輔 / 明日香出版社よく耳にする「○○前線」や「エルニーニョ/ラニーニャ現象」ってなに? 秋の空の移り気、竜巻の生まれかたって? そもそも、雨ってどうして発生するの?

本書は上記のような基本的な知識を中心に、四季や台風、気象災害や異常気象、そして天気予報のしくみなど、気象・天気のこと全般に対して抱く疑問を解き明かしてくれます。

本書の最大の特徴は「わかりやすさ」。専門的な気象用語の解説ではかわいいイラストが登場したり、章の合間にはちょっとした雑学をコラムの体裁で教えてくれたり、とにかく優しさと分かりやすさに溢れています。

気象・天気について触れたい方は、まずこの一冊から。毎日の天気予報がもっとおもしろくなる!

激甚気象はなぜ起こる坪木和久 / 新潮社人間社会に大きなインパクトを与える気象──激甚気象から、私たちはどうやって身を守ればよいのでしょうか?

「豪雨や地震などの激甚災害は、日本のどこでも起こりうる。」(本書P.13)上に、近年、甚大な被害をもたらす気候現象が増加していることは、あらゆるところで語られ、実感としても明白なことでしょう。

本書はときに著者自身の経験も交えつつ、いかに「激甚気象」そのものを知ることが防災に繋がるのかということを丁寧に論じた一冊です。

とりわけ高気圧や豪雨、そして台風についての論考は、気象学になじみのない方にも入りやすい内容と言えそうです。著者も述べているように「筆のおもむくままに」(P.387)書かれた自然な筆致が、ある種エッセイを読むときに近い感覚を呼び起こすのかもしれません。

災害から身を守ること。それは適切な事実を知り、伝えることも大切なのでしょう。

──しかし、あるとき突然災害は起こるものである。だからこそ災害の記憶はコミュニティが伝承し、後世の人が再び同じ災害に遭わないために、災害の記憶を忘れないことが防災において重要である。(本書P.383)

天気と気象
グラフィックヒストリーアンドリュー・レブキン、リサ・メカリー ニュートンプレス
地球の起源から現代、そして10万2018年までの人類と天気にまつわる100の場面を、年代順にしたがって、写真やイラストと一緒に──。

天気の登場はまず大気の存在、つまり地球が生まれなければあり得ません。それから生命や人類が誕生して地を歩くようになります。そして文明の発展と大移動を経て現在まで至りますが、その間には天気が与えた影響が実に大きなところから細々とした事象にまで現れています。

本書はその事象の姿や現在までの繋がりを、丁寧かつユーモアのある文と、想像の膨らみやすいグラフィックとともに教えてくれます。

大気についてやアリストテレスの気象学、大航海時代と天気の関係や傘の誕生、時にはヴィヴァルディの協奏曲集『四季』にまで話がおよびます。天気や気象が身の回りの文化形成の素地になっていることには、思わず驚きを隠せないことでしょう。

明日の予定や体調、服装に応えてくれる天気予報。その裏にあるのは、少しでも生きやすい日常を送れるよう、このとらえるのが難しい現象を計算し、判断して教えてくれる気象学者たちの知識の網や災害防止への想いでした。

あるいは、強大な現象──台風やゲリラ豪雨、そして確かにこの地球を削ってゆく地球温暖化などの脅威。また、人類が誕生し進化すると同時に広がり深まってゆく文化・文明の開化との関係が、実は密接であったという天気や気象。

この7冊が、すべての方に影響を与える天気というものが、果たしてどのような道筋を辿って関わっているのかを、それぞれ異なる角度から教えてくれる手引きとなるはずです。



図解・天気予報入門—ゲリラ豪雨や巨大台風をどう予測するのか

古川武彦、大木勇人
講談社

極端豪雨はなぜ毎年のように発生するのか—気象のしくみを理解し、地球温暖化との関係をさぐる

川瀬宏明
化学同人

気候文明史—世界を変えた8万年の攻防

田家康
日本経済新聞出版社

世界の気象現象—奇跡と神秘の科学

ロバート・J・フォード
河出書房新社

図解身近にあふれる「気象・天気」が3時間でわかる本

金子大輔
明日香出版社

激甚気象はなぜ起こる

坪木和久
新潮社

天気と気象 グラフィックヒストリー

アンドリュー・レブキン : リサ・メカリー
ニュートンプレス


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