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書籍でたどるアート
ミルフルール:西洋美術の花園

花の画家たちの競演

更新日 : 2021年03月12日 (金)





現在、エントランス・ショーケースでは「ミルフルール:西洋美術の花園」と題して、植物画・花卉画(花の静物画)の展示をしています。 その精緻を極めた描写から、まるで目の前に本物の花があるかのような錯覚を覚える芸術。今回は、実際に展示されている書籍の一部をご紹介します。

植物学と植物画大場秀章現代では写真技術の発展に伴い、リアルな図鑑を読むことができる時代です。しかし、ぜひここでいちど原点回帰してみませんか?
カメラで写しただけでは見落としてしまうような繊細な植物の特徴を後世に伝えるボタニカル・アートの数々。中世の植物学者と植物画家たちが心血を注いで研究した作品に目を向けてみると、その精巧さと美しさに思わず引き込まれてしまいます。
レンズ越しではなく、生きた人間の目を通して描出される植物画の世界を覗いてみましょう。

図説 モネ「睡蓮」の世界安井裕雄印象派の先駆者であるクロード・モネ。
彼は屋外で描くことにこだわり、日の光の眩しさや透き通る空気、さらには常に流動する水の流れまでも逃すことなくキャンバスに写し取りました。
ドラマティックに描かれたそれらの作品はまさに、わたしたちが目で見て知ることのできるモネの感性そのもの。本書ではモネが生涯をかけて描いた「睡蓮」の魅力を余すことなくご紹介します。

静物画
静かな物への愛着木島俊介
かつて中世ヨーロッパ美術における静物画とは宗教画や神話画などと比べて下位のものと捉えられ、「見たものを描くだけで知識を必要としないもの」と揶揄されてきました。しかし静物画は次第に民衆の暮らしや文化を知る手がかりとして価値を高め、さらにはその静かな佇まいの中に社会を風刺した痛烈な作品が登場したことで、徐々に発展していくこととなりました。 本書では大きな図版に詳しい解説を添えて静物画の魅力をご紹介します。

プラントハンター白幡洋三郎「プラントハンター」とは、あまり耳慣れない言葉と思います。植物学が日の目を浴びはじめた当時は、薬になる植物や食用の植物、さらには香料として利用できるものなど、その実用性が重視されていました。しかし彼らの探究心はとどまる事を知らず、あふれ出す好奇心のままあらゆる植物を研究し続けました。
本書では、無名ながら現代の植物学の礎を築いた「ハンター」たちの華々しい功績が紡がれていきますす。

ボタニカルアート大場秀章ボタニカル・アートは研究記録としての役割を果たしたのち、次第に芸術的価値を求められるようになっていきました。植物は人間のように表情を変えたり活発に動いたりはしません。しかしその命は静かに死へと向かっていき、いつかは萎れてしまいます。当時の画家たちはそんな儚い運命にある植物たちを詳細に写しとり、美しいままに残そうとしました。
今なお絵の中で精彩を放つ植物たちの凛とした姿を収めた一冊です。

植物図譜の歴史
ボタニカル・アート芸術と科学の出会いウィルフリッド・ブラント
本書はボタニカル・アートが注目を浴びはじめた中世ごろの作品だけでなく、旧石器時代のプリミティブな絵画芸術から、近現代の科学的知見に基づく植物学書までの歴史を概観した学術書です。
ボタニカル・アートの歴史は世界各地に根を張り、現代まで息づいています。あらゆる画家や研究者たちによって描かれた作品を見較べることで、これからのボタニカル・アートの在り方が見えてきます。

花と果実の美術館
名画の中の植物小林賴子
絵画作品に用いられるモチーフは、時と場所によっておのずと込められる意味合いが異なります。たとえば現代日本でも親しまれるモモの実は、古代日本神話において「魔よけ」の力が宿っていると信じられてきました。また中国においては「死」の象徴とされ、西洋においてはモモの葉を舌、実を心臓に見立て、「真実」の象徴として絵画に登場しています。
本書では名画の中のあらゆる花と果実に焦点を当て、それらが象徴する事柄について詳しく解説しています。

植物画・花卉画は、あくまでも紙面に再現された美であり、香りを嗅ぐことも、実際に手に取って花びらや葉の柔らかさを知ることはできません。しかしそこにはわたしたちが楽しむべき画家の感性と表現技法が凝縮されています。
書籍を通して知を深め、自然への距離を身近なものにすることで、新たな花が開く季節をより愉しんでみてはいかがですか。




ミルフルール:西洋美術の花園
〈エントランス・ショーケース展示〉
ミルフルール:西洋美術の花園 〈エントランス・ショーケース展示〉

今回のエントランス・ショーケース展示は「ミルフルール:西洋美術の花園」と題して、美術作品としての「花」の歴史を書籍と共にたどります。


植物学と植物画

植物学と植物画

大場秀章
八坂書房

図説モネ「睡蓮」の世界

安井裕雄
創元社

ART GALLERY テーマで見る世界の名画 〈6〉静物画 静かな物への愛着

木島俊介、青柳正規
集英社

プラントハンター

白幡洋三郎
講談社

図説 ボタニカルアート

大場秀章
河出書房新社

植物図譜の歴史

ウィルフリッド・ブラント
八坂書房

花と果実の美術館

小林頼子
八坂書房


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