アーク都市塾 Roppongi BIZ アーテリジェントスクール ライブラリー フォーラム プレスリリース アカデミーヒルズについて
アーク都市塾 六本木ヒルズのプロフェッショナルスクール

アーク都市塾活動レポート2 都市開発ビジネスコース(第37期)卒塾作品プレゼンテーション 新宿区への提言 歌舞伎町再生プログラム

2月28日(水)、都市開発ビジネスコースでは、塾生が3つのチームにわかれ卒塾作品の発表を行いました。テーマは「歌舞伎町再生プログラム」。そのため今回のプレゼンには特別聴講として、新宿区から企画政策部企画政策課歌舞伎町担当副参事の平井光雄氏、新宿区議会議員の下村治生氏の、2名の歌舞伎町スペシャリストにお越しいただきました。
半年間のコースの集大成である卒塾作品は、どれも斬新なアイデアに溢れ、忙しい時間をぬって仕上げた努力とチームワークの結晶に仕上がっています。

第1班「世界初エンターテイメント型・ハイパーコンプレックスシティ〜歌舞伎町スーパードームプロジェクト」

ハイパーコンプレックスシティ(立体開発)として、巨大ドームを中心とした空中都市による再開発を提案。歌舞伎町エリアの4敷地(新宿区役所・新宿プリンスホテル・コマ劇場など四葉会エリア・風林会館)を高層ビルとし、それを柱に空中に巨大ドームが浮かぶ。4敷地以外の既存の街並みは残しながら、24時間眠らないエンターテイメント・シティとして、歌舞伎町の特徴であるアジア文化圏を生かしたカード(野球、サッカーの日韓戦など)を開催するスポーツアリーナ、公的カジノ、ホテル、オフィスゾーン、タワーマンション、また新宿区役所の改装と新しい行政サービスの提供など、今の歌舞伎町の魅力はそのままに、「新宿」ひいては「東京」の都市の復権につなげる。開発手法は民間発のPFI事業と都市再生特区、空中権の権利売却により、参画する4敷地の容積率をアップさせ、余剰容積の空中権をPFI事業者に売却するというスタイルを提案。

参加メンバー
有賀洋(東京コカ・コーラボトリング株式会社)、石蔵仁恵(Zin Grace事務所)、
伊勢季彦(大成建設株式会社)、遠藤哲也(日本大学大学院理工学研究科)、
鈴木康平(東急不動産株式会社)

第2班「シネシティ広場周辺開発を起点とした歌舞伎町再生計画〜エリア価値向上を実現する不動産開発シナリオとは」

歌舞伎町の交流人口の偏りと、国際観光が世界的にも最大の輸出商品という事実から、ラスベガスの目抜き通り「STRIP(ストリップ)」をモデルに、昼も夜も楽しめる総合エンターテイメント・シティに再生する「歌舞伎町ストリップ計画」。歌舞伎町エリアを東西につらぬく花道通りを目抜き通りとし10街区ほどに分け、既存の劇場、映画館などのエンターテイメント機能に加えテーマホテルが脇を固めることで、「夜の街歌舞伎町」から脱却した娯楽文化を創出。シネシティ広場にはエリアのシンボルとして劇場を設置、そこに直結する「セントラルロード」を外部からストリップへ入る導線とする。開発手法は、シネシティ広場周辺再開発地を連鎖型再開発の種地とし、地権者を受け皿ビルへの換地・権利交換を繰り返しながら再開発を行う。

参加メンバー
秋村聡太(東京工業大学)、井上茂樹(株式会社久米設計)、
園部恵武(大和ハウス工業株式会社)、山田忠史(NTT都市開発株式会社)

第3班「歌舞伎町再生プログラム〜新宿歌舞伎町の不動産価値向上のために〜」

シネシティの再開発との一体開発で、花道通り沿いにエリアを東西につらぬく人口地盤を走らせ、南北にゾーンを分断し周辺の賑わいと広がりを創出する提案。花道通りの南側を現状の新宿3丁目周辺につなげ「商業ゾーン」に、北側を住居やオフィスをまとめたゾーンに分ける。シネシティを中心施設とし歩車分離をした人口地盤の両側には、憩いと賑わいを演出する店舗やカフェ、エンターテイメントの要素を配置する。

参加メンバー
出口直(住友商事株式会社)、戸田栄里(NTT都市開発株式会社)、
蛭間芳樹(東京大学)、横山智一(興和不動産株式会社)

都市開発ビジネスコース卒塾作品〜参加メンバー3名の感想

都市開発ビジネスコース 監修・伊藤滋先生

3つのプレゼンを聞き、新宿区を含めた歌舞伎町の再開発に改めてイマジネーションを馳せ、いろいろと考える機会となった。第1班の現状把握にあったように、歌舞伎町周辺には中国人、華僑、韓国人などアジア人生活圏が隣接している。これをうまく利用して、歌舞伎町をアジア型の新・繁華街として開発することは可能だろう。例えば現在のホテル街は、急増する韓国や中国からの観光客用に転用ができる。また空きが目立つ風俗店周辺のオフィスビルなどのメンテナンスも、華僑系の企業に協力を仰げば駅北側からの導線を整備する再開発となり、エリアは大変貌を遂げるはずだ。 新宿は、もはや日本人だけの街ではない。「ハイパーシティ」という言葉が出たが、これからは物理的な開発ではなく、社会の変化によって生まれ変わる生物的変遷へと変わっていくというのが結論である。

新宿区議会議員 下村治生氏

歌舞伎町再開発において、「エンターテイメントの街」はキーワードとなっている。現在一丁目と二丁目の違いはかなり鮮明であり、職安通りをメインストリートとし、観光バスが入れるような車の導線を、歌舞伎町を南北に走るように整備することを考えている。そこで第2班の提案した花道通りストリップ計画のように、街の導線を東西に区切るのは画期的な考えだった。また、既存の街をどう存続させるかということも最重要課題のひとつであり、その点で第1班の空中ドーム計画は斬新なアイデアだ。また、第3班の花道通りの人工地盤化については、最も現実性が高い提案であり、歌舞伎町の現状把握も非常に参考になった。ただ歌舞伎町再生のシンボルとして何を建てるか、そこから何を発信するかの具体的な提示が欲しかった。

企画政策部企画政策課歌舞伎町担当副参事 平井光雄氏

歌舞伎町再生に向けて、2005年から発足した「歌舞伎町ルネッサンス推進協議会」だが、06年より歌舞伎町がかつて目指した大衆文化で街を発展させようというコンセプトを下に、「喜兵衛プロジェクト」が立ち上がった。また、民間活力による協働のまちづくりに向けて、「まちづくりプロジェクト」を発足させ、歌舞伎町のまちづくりガイドラインの策定を行っている。 「エンターテイメントシティ」というビジョンを掲げた歌舞伎町のまちづくりには、やはり再生のシンボルが不可欠だ。また、前述のように韓国人の方々などが多くいることから多文化共生、さらに、アジアからの観光という点で注目を集めていることから、観光のまちとしてホテル街のコンバージョンもあると思う。ぜひ、今回の都市開発コースの提案は、歌舞伎町ルネッサンスに提示して欲しいと考えている。

平井副参事のご提案により、今回プレゼンが行われた都市開発コースの卒塾作品は、歌舞伎町再開発提案として歌舞伎町ルネッサンスに参加する可能性が出てきました。詳細は追ってレポートいたしますので、今後のアーク都市塾の動向にご期待ください。