昨年06年度の「日本イノベーター大賞(主催:日経BP社)」の大賞を受賞された旭山動物園小菅正夫園長のお話を聞きたい、動物園を実際に見て「イノベーション」について考えようということで、「日本イノベーター大賞」審査員であるアカデミーヒルズアーク都市塾塾長 米倉誠一郎氏と、同じく審査員の(株)バンダイ 取締役の松永真理氏と共に総勢24名で、極寒の地北海道旭川へ行って参りました。

手足もきりきりと冷たくなる夕暮れ、当初の見学時間を大幅に延長して園長自ら案内をしてくださいました。
“どうやったら動物たちが生き生きとした姿を見せられるか”ということを園長やスタッフが一丸となってアイデアを出し合ってつくられた園内では、動物たちが本当にいきいきとした姿を私たちに見せてくれました。
1日目は、小菅園長、松永真理さん、米倉塾長の3人で「感動を呼ぶイノベーション〜旭山動物園の挑戦」というテーマでセッションを行いました。
旭山動物園は市営なので、予算を取る際に大変苦労されたお話や、行動展示はいかにして生まれたかということなど様々なお話を伺いました。
“動物はこちら(人間) の感情そのままに反応してくれる。それを逆にしてみたらどうか”という発想で行動展示を思いついた小菅園長。
その他にも予算をとるために、市長の前で前代未聞の紙芝居を打って出たりと意表をつくアイデアの積み重ねがあって今の動物園の姿があるのだと感じました。園長の熱い想いにあふれたセッションとなりました。
二日目は、松永真理さんと米倉塾長とで
「クリエイティビティーの本質に迫る〜人を惹きつける競争力とは」
というテーマでセッションを行い、松永真理さんのリクルート時代のお話や“i-mode”の立ち上げのお話を伺いました。
プロジェクトを進めていくためには、メンバー全員と「コンセプトワーク」を共有することが非常に大切であるという話しにはだれもが納得。
今回の参加者は、経営者の方やチームリーダーの方が多く、ご自身のこととして真剣に耳を傾けていました。
- まさに“旬”の話をきけた。園長の情熱をうかがい知ることができ満足している。(宇野 亜貴子さん)
- 園長のお話をきいて、ひとつの大きなコンセプトの実現だということがわかった。ぶれないコンセプトの説得力を感じた。本当に価値ある時間を過ごすことができました。(長谷川 尚美さん)
- 松永さんのお話は事例に基づくプロジェクトの進め方の話であったので、自分の中でイメージしながら聞くことができで良かった(T・S)
この真冬の時期に極寒の地を訪れるということで不安な点がありましたが、二日間とも天候に恵まれ本当に気持ちの良いツアーとなりました。また、忙しいなか、小菅園長による案内があり、1日目は小菅園長、2日目は松永真理さんによるトークセッションと本当に中身の濃い特別な二日間となりました。一度トップに立たれたお二人はその状態を持続させていかなければならない本当に大変な立場にいらっしゃることだと思います。
お二人のますますのご活躍とご健闘をお祈りいたします。
- 小菅正夫(旭川市旭山動物園園長)
- 1948年北海道生まれ。73年北海道大学獣医学部獣医学科を卒業。同年4月旭川市旭山動物園に就職。86年飼育係長、91年副園長を経て95年から園長。一時は閉園の危機に立った旭山動物園を再建。日本最北にして日本一の入場者を誇る動物園にまで育て上げた。「あざらし館」「ぺんぎん館」「もうじゅう館」「おらんうーたん館」など次々と「行動展示」を実現。
- ※行動展示:従来の展示スタイル「形態展示」に対し、動物本来の行動や能力を見せる展示スタイル
- 松永真理(株式会社バンダイ取締役/松永真理事務所代表)
- 1954年 長崎生まれ。1977年 明治大学文学部仏文科卒業後、リクルートに入社。86年「就職ジャーナル」編集長、88年 「とらばーゆ」編集長、95年 「works」編集長に就任。97年 NTTドコモでiモードの開発に携わる。2000年 NTTドコモを退社し、松永真理事務所を設立。02年バンダイの取締役に就任し、現在に至る。「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2000」(日経ウーマン)、「モースト・パワフル・ウーマン」アジア1位(フォーチュン)「2005年 C&C賞」受賞。
- 米倉誠一郎(アーク都市塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター教授)
- 1953年東京生まれ。81年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。90年ハーバード大学歴史学博士号取得。95年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年より同大学イノベーション研究センター教授。季刊誌『一橋ビジネスレビュー』編集委員長。
















