日本元気塾

髙島ゼミの活動報告(5期)

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更新日 : 2017年06月09日 (金)

第4回 「人」は「人」でしか磨かれない ゲスト:稲本健一(㈱ゼットン会長)横川正紀(㈱ウェルカム代表)

講義概要



■開催日時 
2017年1月17日(火) 19時~21時

■ゲスト
稲本健一(株式会社ゼットン会長)
横川正紀(株式会社ウェルカム代表取締役)

文:佐野 写真:御厨慎一郎

世の中が変わっていくなかで、変えるもの、変えないものがある

髙島さんの経営者仲間であり、同じトライアスロンチームでもある、稲本さんと横川さんをゲストに迎えた第4回。お二人の会社について、創業時の話からスタートしました。

これから絶対に自分自身にお金をかける時代がやってくる、そう思っていた
創業17年、GEORGE'S、CIBONE、DEAN&DELUCAなど、食やデザインを軸としたライフスタイルを発信するブランドを展開する㈱ウェルカムの横川さん。
インテリアで起業し、カフェ、食のセレクトショップ、とジャンルを拡げていったが、そこには「80年代は外向きの時代だった。これから絶対に自分自身(内面や家の中など)にお金をかける時代がやってくるはずだ」というが基本的な考えがあったといいます。どれかに絞っては?というアドバイスもあるが「多様化はリスクマネジメントでもある。絞った場合、その仕組みが崩れると全部崩れる。」という考えで譲れない部分なのだそう。そして「インテリアだけではない。暮らしのなかには香りや音楽、グリーンとか、足りないものがある」という想いで、カテゴリーを越えながら、理想を求めてやっていると語られました。


飲食業は「舞台」。100年後も世界中の人が「食べている」ことは間違いない
アロハテーブルなど飲食チェーンを展開する㈱ゼットンの稲本さんは、もともと芸大を出て商社につとめ、プロダクトデザイナーとして働きながら、好きな「酒場」で夜はバーテンダー、という二足のわらじ生活をしていました。そして、初めて自分で企画したビアガーデンに、500人以上が殺到(50席位しかないのに!)し、その場を楽しんでいる光景を目の当たりにして「飲食はすごい!」と電流が走ったのがターニングポイントだったそうです。
「デザインの仕事が、一つの作品を時間をかけて完成させる映画に似ているとすると、飲食業は舞台だ」と表現。場所は同じだけど、来るお客様は毎日少し違う。今日のお客様に育てられ、明日もっと良くしようとする、自分はそれがやりたい!と強く思い、飲食業を本格的にスタート。それから22年たち、「飯は100年後も世界中の人が食べていることは間違いない。今、世界に出るべきだと考えている。未来にどんな価値感が続いていくのか、それを感覚的に掴むことが大事」と、海外のマーケットへの展開についても熱く語られました。

会社経営で最も重要なのは「人」との関係
「人」を惹きつけるのは「人」の魅力。ライフスタイル無き経営者に人はついていかない

そして、3名の講師からセッションを通して共通して伝えられた「人」との関係、「人」とのつながりの大切さでした。

「経営より前に生命力。僕は野生の勘と言う。こいつは“イイやつだな”と感じるかどうか。今はシェア文化。できる人は仕事のノウハウをシェアする。ダメになる会社はクローズド。シェアしない奴には、誰もシェアしてくれない。」(稲本)

「経営者は会社の大事なことを社員に伝えていかなければならない。規模が大きくなればより丁寧に。一番身近な社員がやりがいを感じ、誇りをもって、一番のお客様でいられること。それがあれば会社はおかしなことにはならない。」(横川)

「人を惹きつけるのは人の魅力。経営者の魅力は大事なファクター。日本は1人あたりの生産性が下がっている。そうさせている経営、マネジメントが問題で、新しいスタイルが出てこないと改善しない。」(髙島)

情熱をもって本音で相手と関わり、想いをシェアするからこそ築かれる「信頼関係」。まさにそれを体現している3名の関係性を、トークの随所に見て学びとることができた貴重な2時間でした。
質疑応答では名言続出!
Q 新しいことにチャレンジしたいが、借金をするリスクを考えると躊躇してしまう。
A「情熱とリスクのバランス。リスクを情熱が越えたときに、一歩踏み出せる。だから、まだ情熱が越えていないのかもしれない。お金と事業を始めることはリンクしていない。お金が無くてできないという理由にはならない」(稲本)
お金が無い方がいいものができることがある。それに向かった思い入れ、社員の関わり方も全然違う。」(横川)

Q マーケティングよりフィーリングが大事とあったが感覚は磨くものか?
A 「人は人にしか磨かれない。本、映画、景色も大事だけど、振り返れば人にしか磨かれていないと思う。自分が磨かれたいなら、相手に求められる人間にならないと。自分の価値をあげることが重要。」(稲本)
距離感を感じる人は鎧を着ている。“権威”“プライド”など、鎧を着なければならない理由があるのだけど、自分が鎧を脱げば、相手も近づきやすくなる。」(髙島)

講義の感想レポート 

塾生による講義を終えての“熱い感想”を、毎回ご紹介していきます。 
今回は、山木さん、望月さんのレポートです。



山木さん
日本元気塾という学びの場にっとって、最大のテーマはイノベーションです。
それは、人々の既存の価値観が大きく変え、経済行動を革命化するような産業上の突然変異を肌で感じ取り、個々が破壊的創発の精神を知ることです。しかし、今回の講義では本質的に最も大切なことを学ばせていただいたと感じています。
「人は人によってしか磨かれない」と語る稲本氏の言葉は、理論や法則に捕らわれ、“誰かが創った”価値や存在を模写するだけでは何も変わらないことを示しているようでした。また、現実に身を置き、触れ、挑戦していかなければ、その先を見ることはできないという誰にでも共通する原点であり、リアリティーそのものでした。
私たちは、常日頃、仕事や私生活において、あまりにも他人の評価に敏感になりすぎて、そのために可能性を秘めた失敗より上限の決まった評価に甘んじ、時代に取り残された虚像を追っているのかもしれません。今後ともこの学びを生かして、自己を磨く努力をし続けたいと思います。


望月さん
60代の髙島先生、40代後半の稲本会長、40代半ばの横川社長、公私ともに関係が深い三人の創業者の突っ込んだ話、髙島先生がモデレータとなりピンチをどう乗り切ったか等、本音を引き出し合い語ってくれた。創業者三人の本音を聞ける機会、そんなの滅多にない。心が揺さぶられる時間だった。
横川社長の「暮らしに匂いを」、稲本会長の「人は人にしか磨かれない、相手を磨ける人間になる」、髙島先生の「鎧を着ていると距離感がある」、これらの率直な言葉に共感を得ることができ、かけがえのない時間だった。三人の生き様と経営姿勢の入り口を垣間見ることさえできた。アニキと呼べる人がいることは本当に大事だが、アニキと呼ばれるための見えない努力と格好良さ、そのために自分自身を磨き、プリンシプルを通すブレない人間になっていきたいと誓った日だった。

講師コメント

今回の講義を通じて、髙島さんはどのように感じたのでしょうか?




会社をやっているといろいろなことがあり、時代にあわせて経営を変えなければならないことはある。でも、やっぱり大事なのは「人」だということが伝わったのではないでしょうか。「人」があっての会社、それをどう大事にするか、周りの「人」とどういう風につながっていくか。会社の経営において、そのウェイトがだんだん高くなってきていると思います。その視点で自分の会社や、やっていることを見るようにしていくと、そのことが実感できるかなと思います。

【終了後のヒトコマ】
「髙島さんの魅力は?」という塾生からの声に、稲本さんが一言。

「60歳になってもアニキみたいにかっこよく、こういう風になりたいと思わせてくれる存在。その存在自体が魅力でしょ。こんな60歳、他にいないよ」

それに対して髙島さんは、自分が上の先輩から教わったことがたくさんあるから、それをまた下の世代に伝えていく。そうやってまわっていくんだよ、と笑顔でお話されたことが印象的でした!


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