日本元気塾

奥山塾の活動報告III

日本元気塾
更新日 : 2012年10月29日 (月)

第5回 デザイナーは作って終わりではない(ゲスト:名児耶秀美氏)

講義概要

■開催日時 
2012年10月4日(木) 19時30~21時30分 

■概要 ゲストセッション
 ゲスト:名児耶秀美(h concept アッシュコンセプト代表取締役)
 テーマ:ものづくりの喜び、デザインの力など
名児耶秀美氏(左)奥山清行氏(右)

講義の感想レポート 

塾生による講義を終えての“熱い感想”を、毎回ご紹介していきます。 
今回は、松永さん、宮坂さん、濱田さんのレポートです。

松永さん
商品の出口である「売り場が荒れている」「販売している人が物を知らない」。そんな下りから始まった、元々高島屋宣伝部で働かれていたアッシュコンセプト代表取締 名児耶さんの話で始まった今回。売り場がダメな今、商品や素材やコンセプトをわかって売れる場所を作りたいという。
「ものづくりが大好きで大好きで仕方ないんだ。」
「人がダメだ!というならば、それにはチャンスがある。反対を行きたい。」
「空間は何もないのが美しい。だからいらないものを作るし、売るんだよ。」
いくつものインパクトある話がありました。話の中で一番興味をもったのは、「+d」というデザイナーのプラットフォームです。デザイナーの名前を前面に出して、デザイナーにパテント料を支払い製品化し販売する。売れない時には自らの販路で商品を販売する。デザイナーからみたら親父さんの存在で頼もしい。大ヒットしたストレスボールの「CAOMARU」は芸大で顔ばかりを作っている学生の作品だったという。その顔に、「喜怒哀楽」と「ストレスボール」という機能を持たせて販売したところ大ヒット。ヒットがどこに隠れているのかわからないと感じたと共に、自動的に拡大していくプラットフォームの仕組みに凄みを感じた。違和感のあるものをあえてチャレンジするということに関して、考えたことの無い部分に新鮮さを感じました。
いつも頻繁に通う革問屋の主人の話を通じて知った皮革産業の衰退から、日本の良い物を無くしたくないが自分で何ができるのかを考えて奥山塾に来たのを再確認した今回でした。プロダクト作りの際に参考にさせていただきます。

宮坂さん
名児耶さん×奥山さん対談語録にはためになる言葉がたくさんあった
・大量生産時代は終わった。マス商品は配給なのだ。
・売り場、出口が荒れている。大規模店販売員は自分の買いたいものを売っていないから無責任。
・顧客でなく作り手が尊敬される時代が来る。
・販売は熱意が大切。
・大企業はつまらない。独立せよ。
自分事におきかえると
・メディアが荒れている。信頼できる発信者が少なくなった。
・熱意は必要だが、持続可能な情熱はそう簡単ではない。
お二人の対談で心に残ったこと
・ご縁はとても大切。継続するのはもっと大切。心したい。
方向、方法論は違えども、各々唯一無二の存在。だからこそ使命感も影響力もとてつもない。
奥山塾は元気がでる!感謝。

濱田さん
h concept名児耶さんと奥山さんの「モノづくり」に関するセッション。
モノづくりを取り巻く環境認識、とりわけモノづくりの辺縁(消費者までのバリューチェーン)をどのように見ているかという話題から始まったセッションであった。終盤ではお二人のモノづくりに対する考え方の間にも、扱うプロダクトや重視するバリューチェーン、さらにはステークホルダーとの関係についての捉え方の差によって、異なる価値観が見受けられたことが興味深かった。
今後バリューチェーンは、消費者の成熟度や情報量によって最適化がなされ続け、その度に、その支配者も変わり続けるだろうことが想起された。消費者の立場に立った場合、豊かな消費とは何か、そのために持つべき視点とは何かを考えさせられた。一つの答えとしては、勝負をかけてモノづくりを行っている作り手側の「ストーリー」を共有できるような真に豊かな消費者になることが重要であろうと認識した。
奥山塾
アッシュコンセプト「+d」の商品「Peace Gun(ピースガン)」(オモチャの輪ゴム銃)の紹介シーン。
奥山さんに輪ゴムを打ち込むお茶目な名児耶さん。トリガーを引くと「PEACE」の文字が見えるピースフルなオモチャ。実は、大学時代のサークルの先輩後輩であるお二人。トークは大変盛り上がり、あっという間の2時間でした。

講師コメント

今回の講義を通じて、奥山さんはどのように感じたのでしょうか?

扱う商品の制作スパンの違いもあると思いますが、同じモノづくりに関わる立場でも、価値観が異なる部分があり、面白い議論になりました。名児耶さんが取り組まれる様々なデザイナーから企画が持ち込まれ、商品化していく「+d」の仕組みは、非常に素晴らしいプラットフォームだと思います。デザイナーは作って終わりではなく、作ってからがスタート、デザイナーはどう売るのかも考えなければならない、まさにその通りだと思います。そして「必要はないけれど欲しい」と思わせるモノ、長く残るモノを作ろうという「熱意」がモノづくりには絶対に必要です。