日本元気塾

米倉塾の活動報告

日本元気塾
更新日 : 2009年12月02日 (水)

第8回 2009.10.5(月)

講義レポート

ホームレスの救済ではなく、仕事を提供し自立を応援する雑誌『ビッグイシュー日本版』。
米倉塾生のほとんどが参加した、10/2~3に東京都内で販売体験。体験後の10/5第8回の塾では、ビッグイシュー日本事務局の佐野氏、佐藤氏、桑原氏をお招きし、今後の成長戦略に対するプレゼン提案をしました。


米倉塾

ビックイシュー日本事務局の桑原氏、佐藤氏、佐野氏(左より)
 各班の提案 (発表順)

【1班】
課題として販売量を増やす。物量作戦として販売人数を増やすことにより販売部数は増えるかも知れないが、認知度の低さ等の問題点から新規事業として東証一部上場企業人事部を対象に研修プログラムを作り立ち上げを図る。
メリットとしては、『ビッグイシュー』を購入すると高い確率で定期購読者となる事から若年層(22~25歳)への認知拡大とBtoBビジネスへの展開が期待できる。
想定研修プログラム見積もりは20名対象で\210Kと算出。研修概要のフローは以下の通り。(図表1参照)

(コメント)
米倉先生:Payする結論まで持っていく。(会社を説得してこれだけ出来るという提案に対して)20万円と言う根拠は正しいか?
ビッグイシュー:研修プログラムはすでに行っていますが、妥当な金額や求められる内容などがわからず、手探りで苦労しています。セールスポイントやアプローチの仕方なども議論が必要です。


【6班】
販売者、本部、そして塾生がそれぞれ出来る事を提案。販売者としてチーム制を導入して、3~5人ひと組(うち販売者は1人)で販売方法を考案しながら販売のサポートを行う。(このサポーターは後述の学生インターンを想定。) なお、本部として大学側に働きかけゼミ単位での授業における啓蒙活動を行う。学生を1カ月もしくは一学期ごとにインターンで受け入れる。授業内での活動ということにより、マインドセットができる上に、学生は単位を得られるというメリットもある。座学よりもフィールドスタディーは効果があり、より確実に、『ビッグイシュー』の認知と理解を得られることができる。『ビッグイシュー』を早稲田に広める委員会や東京大学×ビッグイシュー等既存にあるが、これは自発的な組織。今後、雑誌『ビッグイシュー』に新たなコンテンツを設けるならば、学生執筆の記事を採用してはどうだろうか。なお、HPには「なぜ『ビッグイシュー』を買う」のか、購買者の声をアップしたほうが良い。塾生として出来る事として、安価な不動産の紹介、プロモーションのお手伝い等ができると考える。

(コメント)
米倉先生:米倉ゼミと清水ゼミでは導入を検討するが、もっと具体性(○○ゼミの了解を得たなど)を持たせるべき。
ビッグイシュー:学生インターンは現在、長期のみ受け入れしています。必要な仕事を覚えていただくのに最低1~2ヶ月はかかるのためです。1学期単位の受け入れならありえるかもしれません。学生さんにはぜひさまざまな形で参加していただけたらと思っています。


【4班】
「ビッグイシューで検索」及び有限会社からNPO法人への移管提案。
まず人に認知してもらうためにアイデアとしてプラカードに「ビッグイシューで検索」と記載し販売者の前に置く事により、1)何をやっているか分からないと言う人たち 2)内容は知っているが、信頼しきれていない人たちがすぐ出来ること、信頼性がすぐ上がることが可能となる。(いくら街頭演説をするよりもWEBにて確認する事が一番の説明及び安心材料。Webの充実を図る。NPO法人への移管に関しては世論、社会活動の主旨からNPO法人格にして運営を行うのが得策と考える。

(コメント)
米倉先生:やはりアイデアだけでは不十分であり、何故NPO法人とするべきか着地点を明確にするべき。
ビッグイシュー:2003年設立当初は有限会社としてスタートし、2007年よりNPO法人ビッグイシュー基金も立ち上げました。現在は雑誌発行と販売は有限会社、そのほか福祉や生活全般にかかわるサポートはNPO法人で担当。イギリスで成功しているやり方を踏襲しています。現時点で変更することは考えていませんが、社会情勢や制度が変わればありえることかもしれません。プラカード「ビッグイシューで検索」はとても面白く、すぐにでも試してみたいと思います。Webの充実の図りたいですが、人手不足で難しいのが現状です。

【3班】
販売経験を通じて感じた事、及び、更なる飛躍のためのプレゼンを行った。
認知、関心は事務局のアーケティングにより、購読者のポテンシャルをどれだけ獲得するかにより継続購読者=ホームレス者支援金を増やせるかが鍵となる。
(新規購読者獲得及び研修にて何が企業にとって得られるかのフロー作りが重要) よって1)大学の教育プログラム、2)企業への研修プログラムを通じて『Big Issue Is Cool』と言うムーブメントを創り出す事が、継続購読者を増やす手段となると考える。その際に広告獲得(森ビル?)社会問題テーマのページの創出、英文コンテンツの取り込みを行い、新聞としての媒体需要を増やす。更にエプロン等統一した服装にて清潔感、連帯感、購買者の安心感を作り出し購読者が買い易い方法を構築する。

(コメント)
米倉先生:『Big Issue Is Cool』のキャッチコピーは気に入ったがどの様に落とし込むかが重要でアイデアベースでは不足。
ビッグイシュー:英語版はイギリスから輸入すると送料が高く、大変高価になることや、仕入れ、支払いの手間などを考えると現時点では難しい。エプロンはコストを考える必要がありますが、サポーター用ユニフォームというのは面白いかもと思いました。販売者には毎年フェアトレードカンパニーさん作成のTシャツを配布。また新しく入った販売者にはロゴ入りの赤い帽子の支給などをしています。今年はKEEN JAPANさんがオリジナル販売用バッグを作成してくださいました。


図表1

図表2
【2班】
路上販売を通じてPRに主眼を置き提案。
路上での勝負は一瞬であるため、有名人を登用(ご協力)しPRボードを作成する。雑誌では無く、価値の購入を促進する。また、プレスリリースを打って、打って打ちまくる(「あしたのジョー」ではないが)。メディアに協力者を作ることが販売部数を増やす認知への近道と考える。その際、他の『R25』等と比較し、内容が一目で分かる紙面作りも必要と考える。ここで塾生の清水さんが、実際にプレスリリースを作成し、提示。具体的数値などを入れて、定期的にプレスリリースをうっていくことが重要と付け加える。また、販売者の観点から、販売者が休日にも仕入れる事が出来る様に自販を設置して利便性をあげる。

(コメント)
米倉先生:PRの所や販売者の利便性の主旨は分かるが、もう一歩踏み込んで、じゃあ自動販売機はこれくらいの値段でどこから仕入れられるかまで提案すると『ビッグイシュー』側も社内で議論しやすいと思う。
ビッグイシュー:自動販売機はとても面白いですが、販売者ではない人が仕入れをできる可能性があり、それをどうするかも課題になります。それがクリアできればぜひ考えたいです。一目でわかるキャッチコピーやポスターづくり、具体的な数字や写真をいれたプレスリリースの提案などとても参考になりました。


【5班】
成長戦略を元に、未購入者への啓蒙、啓発=新規顧客の掘り起こしと紙面のリニューアル提案を行った。
(1)購入者は20代女性及び50代女性の購買層が増加傾向にある
(2)買わない理由として男性、女性とも直接購入に抵抗を感じる
(3)自立支援モデルの理想とギャップ、の理由から、機会損失である配置販売を促進する。配置場所(案:図表2参照)はキオスク、企業の社食、カフェ、教育機関出先等...。また、ホームレスの実態を伝える事に特化した紙面作りを考える。但し、卑下する内容になら無いように注意が必要。

(コメント)
米倉先生:配置先企業としてはスターバックス等、共感してくれる企業はありそうである。 但し、アイデアだけでは無くどうやって帰結まで提案出来るかが重要。
ビッグイシュー:PRを目的とした設置販売はドイツ証券さんの社内にあるタリーズ店内でテストが始まりました。あくまでも販売者に仕事の機会を提供することで収入をもたらすことが重要なので、対面販売の原則を守りつつ、認知度を高めるための取り組みとしてぜひ取り組んでゆきたい。ホームレスの人たちが置かれる状況については特集で何度か取り上げていますが、もっと知りたいという要望は編集部につたえ共有したいと思います。

感想 -講義を終えて-

レポート担当者、木村さん、古川さんの所感

(木村)
今回事前に販売経験を行った事により塾生の入り込み度が違った。これは事務局の狙いだったかも知れませんが、今まで客観的に(非常に大事であるが)提案を行って来たが今回は主体性(自社の社内プレゼン)の様にどうすれば顧客増大出来るかを念頭にプレゼンを行ったと思います。
その中である塾生から“PRについてなら電話下さい”“スターバックスの社長にコンタクトしてみます“また”Webサイトのお手伝いなら私が“”紙面作りなら、ページ数をもっと考慮したほうが良く、お手伝いします“等各塾生から発表後に意見が出ました。
これはひとつの事例に対し色々なバックグラウンドをもつ私たちが微力ではあるが社会貢献企業をサポート出来る方法をトータルにサポート出来る可能性が見つかった様な気がしました。当方も会社で“OWN THE PROJECT”とはっぱを掛けられる様に一人一人がもし、自分が社員だったらどの様にプレゼンし、案だけでは無く、どの様に結論だて、PENETRATION出来るかが今後の提案に生かされた場であったと思います。
今回入院にて販売には参加出来ませんでしたが、『ビッグイシュー』の今後の可能性は非常に強く感じました。以上。

(古川)
実際に販売を経験することにより、私のなかでも『ビッグイシュー』に対する認識が変わりました。正直、今まで怪しい雑誌と認識していたのを恥じています。ホームレスの自立支援をサポートする、素晴らしい組織・雑誌であるのに、サポートするマンパワーが足りていないことが残念でなりません。今後も、なにかしら自分がお手伝いできることがあれば、お手伝いをしたいと思いました。

講師コメント

今回の講義を通じて、どのように感じたのでしょうか?

プレゼンの中に極めて具体的な提案が出て、感心しました。前回お話ししたようにNPO/NGOの人たちは人手も資金も時間的な余裕もなく走り回っています。

そこに元気塾生のちょっとしたスキルや時間を提供すれば、日本はもっと明るく元気になると実感しました。

定点観測

アンケート集計

※数値はオンラインの出席者アンケートより

日本元気塾では、講義後に出席者へのアンケートを実施しています。出席率、元気度を毎回集計し、報告いたします。

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