日本元気塾

米倉塾の活動報告

日本元気塾
更新日 : 2009年07月01日 (水)

第1回 2009.6.22(月)

講義レポート

第1回目、米倉塾は先生から今後1年間のオリエンテーションが、主に以下の3点で行われました。

1.歴史、川上(マクロ)的な視点から考えた日本の過去と現状
2.経済学的にみたアンレプレナーシップ、イノベーションの流れ
3.米倉塾の今後の予定



1.歴史、川上(マクロ)的な視点から考えた日本の過去と現状
(1)戦後日本の復興について
なぜ日本は戦争に突入し、海外へ土地を求めたかと考えると、以下の弱点を改善しようと考えたからだ。
① 天然資源に恵まれない
② 海に囲まれた耕作面積の少ない土地
③ 7,500万人の人口過密

敗戦で日本は焼け野原になった。しかし、日本はパラダイムチェンジ(発想を転換)することで、極めて短期間に復興を成し遂げた。それは過去の弱点と考えていた点を、利点として考えられたから。
① 資源を輸入して加工して輸出すればいい
② 島国ということは良港に恵まれた貿易立地
③ 優秀な労働力と巨大なマーケットが内需として存在する。

つまり、製造業を中心とした貿易立国として生まれ変わると共に、高い社会規範による月賦、三種の神器などを用いた国内消費を喚起することで、設備投資先行を行うことができ、高度経済成長、所得倍増が実現した。

(2)現在の日本そして、今後の将来像
では日本の現在はどうかというと、世界第2位の経済大国でポテンシャルがあるとはいえ、かなり危機的な状態ではある。

数値からみる日本の状況は、GDP500兆円(イギリスとドイツ、フランスを合わせた規模)、税収56兆円、国家予算90兆円、借金843兆円。赤字国債による国家財政運営は10年以上続いており、かくして日本はGDP の1.6倍の借金を抱えている。しかし、ブラジルがIMF管理下におかれた際の負債率(GDPの40%)を凌駕しているにもかかわらず、日本がそうならない理由は、日本の債務超過が日本の国内問題だからである。つまり、国債は日本人の預貯金1,400兆円を元手に日本の金融機関によって購入されており、海外債務になっていない。(ちなみに、これは、超低金利政策により可能となったが、推定では既に280兆円の利息という、国民の本来手にすることが出来た利益が犠牲にされている。)
諸外国は、日本には、最後の手段として、ハイパーインフレを起こすことで、国の巨額の借金を国民全員の犠牲の下に解消する(その後デノミを実施する)のだろうと思っている。国際社会から批判がないといってOKなのでは全くない。危機的な状況である。

ちなみに、日本の合計特殊出生率は1.34%で、2010年から5年間は、毎年120万人が減少する。これは、宮崎県や大分県が消失する規模である。ついては、社会変革を志すにあたっては、このようなマクロ動態を把握した上で、川上から泳ぐように戦略を立てることが必須。

では、どう危機に対応していくのか。戦後の日本が行った如く、パラダイムチェンジをしてチャンスに変えればよい。例えば以下のような3点が考えられる。

① 女性と高齢者の活用
出生率が低くても、妻と祖父母の新たな5つのポケットを活用する新たなビジネスチャンスが生まれる
②道州制の導入の検討
現在の都道府県制は1871年の廃藩置県から変わっていない。カリフォルニアと日本は同じ面積なのにも関わらず、日本は47知事がいて、カリフォルニアは一人だ。
アメリカのように、国の中に自由度の高い国を作り、税率なども変え自治体同士で競争をおこなうことで、新たな活力が生まれる。
③民間活力の利用
いままで国が行っていた社会的基盤をJRのように民間に任せ、サービスと費用の削減を図る。JRを考えてみると83年の民営化以後、増税分を除くと都内の初乗り運賃は1回も値上げされていない。これは、JRが従来の交通という概念にとらわれるのではなく、駅中ビジネスなど新たなサービス・収益源を生み出していったからだ。


今後は、従来の滅私奉公的なNPOやNGOではなく、病児保育のフローレンスの様な、一定の利益をあげながら社会的基盤となる社会起業が生まれるのではないか。
このことも今後ゼミでは取り上げていきたい。


2.経済学的にみたアンレプレナーシップ、イノベーションの流れ
新しい階層の発見 Entrepreneurship(アントルプレナーシップ)は17世紀フランスの経済学者カンティオンによって定義された「商人でも手工業者でもない」から始まる。
古典経済学の父:アダム・スミス「市場の見えざる手」、ケインズ「有効需要の創出」を経て シュンペーターによってEntrepreneurは「創造的に破壊し、新たな経済発展を導く人」と定義される。つまり、イノベーションは遂行する、実行するということが大切なのだ。

イノベーションが当初、日本では技術革新と翻訳されたが、本来の意味に立ち戻れば、企業家(起業家ではない)が正しい。つまり、新たな付加価値の創出である。ついては、下記の分野において、常に新しい組み合わせを探ることがイノベーションとなる。
(1)新製品の導入 (プロダクトイノベーション)
(2)新生産方式の導入(プロセスイノベーション)
(3)新市場の創造(ニューマーケットイノベーション)
(4)新しい原材料・半製品の獲得(リサイクルでの回帰も含む)
(5)新しい組織の創造(インテグレーションの変化等も含む)

例えば、Fedexは、全米150都市の翌日に配送するということを可能とするために、「ハブ&スポーク」と呼ばれる全米に一つの拠点を作り、149台の輸送機を夜間0時までに一つの拠点に集め、その拠点にて集中仕訳した貨物をそれぞれの都市にかえるというイノベーションを起こした。これは、大学の授業では実現性がないということで落第点だったが、実践することで世界の流通革命をおこしたのである。


3.米倉塾の今後の予定
大きく以下の3点をとりあげる
(1)ビジネスイノベーション
(例:OK WaveとVenture Republic Groupについてのビジネスモデルの検討)
(2)ソーシャルイノベーション(グラミン銀行、育てあげネット、ビッグイシュー)
(3)次世代教育(大学生、高校生向けに世界一受けたい事業を作る。)

社外セミナー、1月のバングラディッシュ研修(任意参加)なども利用しながら、生き方・考え方を濃密に伝えたい。
直近、次回以降2回については、以下の予定。
第2回:7月6日「私の心意気」 各自3分 元気塾にのぞむ気持ちや、今後行いたい事などを各自発表
第3回:7月27日「OK WaveとVRGについてのビジネスモデルについて各グループ
発表」

感想 -講義を終えて-

今回、レポートを担当したのは米倉塾 グループ2の6名。

柴崎
濃密な2時間強が過ぎていった。川上からの俯瞰、歴史的流れの中で、現在の事象をもう一段深く見ることの楽しさの実感した。そして以前、歌舞伎役者の中村勘三郎がインタビューで、「型破りとは型のある人がやるから型破り。型のない人がやったら、それは形無し。」と答えていたことを思い出した。この元気塾の中で先生やメンバーと共に、基礎を固め刺激を受けながら、型破りなイノベーションを生み出す1年間を歩んで行きたいと感じた。


石毛
これからの一年間をどう過ごすか?を考えさせられる時間となった。人を育てるリーダーになるには、何をすればいいのか?常に考えて、行動する。結果、イノベーションを創出していくことができる頭の柔らかさを持ち得るよう、この一年を学んでいきたいと思います。元気塾セミナー、無償の件、助かります!!


清水
この頃、首都圏のターミナル駅で気になる(さわる)ポスターがある。それは、団塊ジュニアをターゲット?にしたと思しき妙齢の女性が登場する「国債を買おう」大型ポスター。国債の発行高がGDPの200%を超えて尚、発行を続けるばかりか、Dinksが多い=可処分所得が多い&心配性で堅実派が多そう!な新購買層の需要を喚起しようとプロパガンダしている。。日本の未来が見えなかったんですが、今日の講義で一筋の光明が見えました。何か事を起こしましょう!



イノベーションって何か大きなことをしなくてはいけないのかな?ちょっとビクビクしながら参加した1回目の講義でした。ただ、米倉先生や皆さんと話をする中で、頭でっかちになるのではなく、気づきを基に行動してみることも大切なのだと感じました。ちょっとしたひらめきから、大きなムーブメントを起こすことができるかもしれません!一年間頭をフル回転させ、自分を成長させたいと思います。


木村
第一回の講義でマイクロ(特に)、マクロといつも全体を川上から考える重要性を学び、今後実践していきたいと思いました。楽しかったが率直な感想です。 私はこの塾の事を偶然知り参加したのですが、小さな事でも何か皆さんと出来るのでは無いか?と講義に参加して思いました。物事を変える時はみんな夫々偶然と思い必然に引き寄せられるのかなと思いました。 ふと思い出した言葉がありました。“立ち止まれ。眼前の木々も傍らの茂みも消え去っていはいない。今どこにいようと、そこが『ここ』 それを強力な他者と心得よ。互いに知り合う許しを求めよ。森は呼吸している。聞くがいい、森の声を。私がお前を取り巻くこの場所を作ったのだ。もし、そこを去っても、お前はまた戻ってくるだろう、そう『ここ』に。カラスにとって2つとして同じ木は無い。ミソサザイにとって2つとして同じ枝は無い。もし、木や枝のなすことがお前に通じないのなら、その時お前は本当に道に迷ったのだ。立ち止まれ。森は知っている。お前がどこにいるのかを。添えがお前を見つけるのにまかせよ。” (デビッド、ワゴナー: Getting To Maybeより)


荻田
最初は、不安で参加した元気塾。「元気な」先生と仲間たちとの出会いにより、何か大きな変化が起きる予感がしています。日本に、そして世界に少しでも変化を起こすには、マクロのレベルで現在・過去・未来のあるべき姿を学ぶことで問題点を認識し、自分の立ち位置からできることを見出すことだと改めて実感しました。元気塾は、きっとそのヒントやきっかけを得る「場」になると思います。仲間とともに・・・何か一歩を踏み出したいです!講義の中では、特にソーシャルビジネス(イノベーション)に関心をもちました。マネー資本主義により、金融危機を引き起こしたウォール街(私はその震源地米系銀行の投資銀行部門勤務)の過ちを反省し、人として本来あるべき姿・・・として、関わっていけたらと思っています。

定点観測

アンケート集計


※数値はオンラインの出席者アンケートより
日本元気塾では、講義後に出席者へのアンケートを実施しています。出席率、元気度を毎回集計し、報告いたします。

参考図書

今回の米倉塾にて紹介された図書です。

マイクロソフトでは出会えなかった天職—ぼくはこうして社会起業家になった

ウッド,ジョン, 矢羽野 薫【訳】
ランダムハウス講談社

シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代

梅田望夫 (著)

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