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「人と同じことはするな!」

4か月の集大成:子どもに多様性を教えるためのプログラム企画

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更新日 : 2019年10月11日 (金)


  
Session 5:「子どもに多様性を教えるためのプログラム」を立案する
講師:石倉 洋子(一橋大学名誉教授)
ゲスト:黒川 清(医学博士、政策研究大学院大学 名誉教授、日本医療政策機構 代表理事)
文/小林 麻実  写真/アカデミーヒルズ
開催日:2019年9月29日(日)

"Working Across Differences(価値観の異なる人と協働する)"を全体テーマとして開催されている2019年のグローバル・ゼミ(GAS)。4か月の集大成となる最終セッションでは、事前のグループワークを通じて「子どもに多様性を教えるためのプログラム」を新しく企画立案する宿題を課されたゼミ生による発表とディスカッション。特別ゲストとして10年前からGASをサポートしてくださる黒川清氏がお越しくださり、これまでの学びを総括しました。


2019年6月に開講したグローバル・ゼミ(GAS)も、最終回を迎えました。 これまでに学んできたことの総決算として、Session5では、グループワークを行いました。

ゼミ参加者が5つのチームに分かれ、「子どもに多様性とは何かを教え、多様性を伸ばすプログラム」を立案し、発表するというものです。働き盛りの皆さんは、それぞれに忙しい仕事を抱え、連絡を取り合うだけでも大変なのに、3週間程でリサーチを行い、アイディアを出し、議論をまとめていかなければなりません。

石倉洋子・一橋大学名誉教授は、顔を合わせる機会の少ないグループで協働するための指針をかなり細かくメモの形で示されました。中間スライドの提出を求め、それにコメントを入れてフィードバックする等、期限内に質の高いアウトプットを出せるよう促されました。その結果、どのチームもそれぞれによく考えられた、ユニークな案を英語で発表することができました。

特徴的だったのは、今回の課題では顧客である「子ども」をチームごとに決定するということ。このターゲットの特定は、前回のディベートで石倉教授から指摘された「定義することの大切さ」を再確認するものとなったようです。

「9歳くらいで高収入の親を持つ子ども」をターゲットにするチームもあれば、"スーパー・グローバル・ハイスクール"の高校生のためのプログラムを作るチームもありました。発表の形も寸劇を入れるチームやスライドに印象的な絵画を加えるチームもある等、バラエティに富んでいました。

「そのプログラムの魅力をどうやって売り込むの?」、「出演料の高いYou Tuberを使うというなら、そのコストは?」等々、他のチームからの鋭い質問も飛び交います。

「自分に子どもがいたとしたら、その子をこのプログラムに参加させたいですか?」と石倉教授に問われて考え込む参加者たち。異なった立場、意見の人と一つのチームになってアウトプットを作っていくという経験は得難いもののようです。
「プレゼンの最後に言いたいこと、結論からスライドを書き起こしましょう。チームの提言のユニークさは常に意識していなくてはなりません。」との指摘もありました。

これに引き続き登場されたのは、ゲストの黒川清・政策研究大学院大学名誉教授。GASでは、2010年のスタート以来、アドバイザリーボードをお願する等、多くのご支援を頂いてきました。グローバルに活躍される黒川教授から「人と同じことをするな!」との熱いメッセージを頂いたことは、GAS2019のラストにふさわしいものでした。

出席者には修了証が渡され、多くの方は懇親会にも出席されました。
「大変だったけれど、とても面白かった!多くを得ることができました。」と口々に話す参加者の皆さんの顔は、達成感と喜びに満ちていました。


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