記事・レポート
ローソン社長新浪剛史氏が描く、イノベーション・フロンティア
日本元気塾プレセミナー
更新日 : 2009年10月19日
(月)
第7章 キャリアが生んだ縁でローソンの社長になった
米倉誠一郎: ローソンとのかかわりはどうやって生まれたのですか。
新浪剛史: 25歳のとき、「ボイス・オブ・ザ・フューチャー」という留学生グループの勉強会に入ったのですが、スポンサーが中内功さんだったのです。それで、ローソンの話が僕に来たんです。「ローソンを売ることになったけど、商事は興味ないか?」って。だから、縁なんです。
話を上に通したら「興味ある」と。もともとどういう企業に出資していったらいいかと考えていたなかにコンビニがあり、たまたまそこにぶつかったのです。「これは百年の計だから課長級を集めて勉強会をしよう」ということで朝7時に数人で集まることになり、僕はその勉強会の事務局をやらされました。裏話になりますが、そのときの一番上が今の社長の小島順彦さんでした。
米倉誠一郎: それで「やろう!」となった。
新浪剛史: いえ、上司と一緒に「やめよう」と言ったんです。「絶対損しますよ。中内さんには申しわけないけれど無理だ」と。でも上は、「何とかならないか?」と。天守閣からしたら、「今までやっていない分野でやりたい事業だから、損を覚悟してでも参入したい」という思いがあったんですね。
米倉誠一郎: 上はギャップが見えていたわけですね。「じゃあ、新浪やれ」ということだったのですか。
新浪剛史: 僕が担当部長でしたから組閣案を書いたのですが、株主総会に通さなければいけないのでいろいろ考えて、「自分は副社長」と書いて出しました。そしたら呼び出されて、「お前がやれ」と言われたんです。「ええ、副社長やりますよ。ローソンに行きますよ」と答えたら、「いや、社長だよ。君」と言われて。
先輩を専務として組閣しているのに「その方の上っていうのは、あり得ないじゃないですか」と言ったら、「そもそも君、副社長って専務より上だろう。もうとっくに僭越じゃないか」と返され、確かにそうだと(笑)。
米倉誠一郎: そのとき43歳。怖かったですか。
新浪剛史: いや、それを考えるどころじゃありませんでした。考える余裕があったら、「退職金もっとくれ」と言ったでしょうね(笑)。「出向でいい」と言われたのですが、それでは人がついてきてくれないなと思って辞めました。だから僕は依願退職なんです。
米倉誠一郎: ローソン側は、うれしかったでしょうね。「新浪ローソンだ!」と、みんなが思うにはどれぐらいかかりましたか。
新浪剛史: 4年ぐらいかかりました。
米倉誠一郎: 胃とか痛くならなかったですか。
新浪剛史: 眠れないということはなかったですね。もともと本流にいませんから、上の人が助けてくれるわけじゃない。となると、結局自分で自分のことはつくっていかなければならないのですが、43歳でしたから、これでだめでも何か経験するだろうと。社外取締役は「この社長を何とかしたい」と思ってくれる人が多くて助けられたというものあります。だからパッションというのがすべてです、頭よりパッション。
米倉誠一郎: これ、みんな信じちゃだめだよ、頭使っているから(笑)。でも最後はパッションですよね。
新浪剛史: 知力や理解力も大事かもしれませんが、パッションが助けてくれます。知識を持っている人にバックアップをしてもらうには、強いパッションが必要です。
新浪剛史: 25歳のとき、「ボイス・オブ・ザ・フューチャー」という留学生グループの勉強会に入ったのですが、スポンサーが中内功さんだったのです。それで、ローソンの話が僕に来たんです。「ローソンを売ることになったけど、商事は興味ないか?」って。だから、縁なんです。
話を上に通したら「興味ある」と。もともとどういう企業に出資していったらいいかと考えていたなかにコンビニがあり、たまたまそこにぶつかったのです。「これは百年の計だから課長級を集めて勉強会をしよう」ということで朝7時に数人で集まることになり、僕はその勉強会の事務局をやらされました。裏話になりますが、そのときの一番上が今の社長の小島順彦さんでした。
米倉誠一郎: それで「やろう!」となった。
新浪剛史: いえ、上司と一緒に「やめよう」と言ったんです。「絶対損しますよ。中内さんには申しわけないけれど無理だ」と。でも上は、「何とかならないか?」と。天守閣からしたら、「今までやっていない分野でやりたい事業だから、損を覚悟してでも参入したい」という思いがあったんですね。
米倉誠一郎: 上はギャップが見えていたわけですね。「じゃあ、新浪やれ」ということだったのですか。
新浪剛史: 僕が担当部長でしたから組閣案を書いたのですが、株主総会に通さなければいけないのでいろいろ考えて、「自分は副社長」と書いて出しました。そしたら呼び出されて、「お前がやれ」と言われたんです。「ええ、副社長やりますよ。ローソンに行きますよ」と答えたら、「いや、社長だよ。君」と言われて。
先輩を専務として組閣しているのに「その方の上っていうのは、あり得ないじゃないですか」と言ったら、「そもそも君、副社長って専務より上だろう。もうとっくに僭越じゃないか」と返され、確かにそうだと(笑)。
米倉誠一郎: そのとき43歳。怖かったですか。
新浪剛史: いや、それを考えるどころじゃありませんでした。考える余裕があったら、「退職金もっとくれ」と言ったでしょうね(笑)。「出向でいい」と言われたのですが、それでは人がついてきてくれないなと思って辞めました。だから僕は依願退職なんです。
米倉誠一郎: ローソン側は、うれしかったでしょうね。「新浪ローソンだ!」と、みんなが思うにはどれぐらいかかりましたか。
新浪剛史: 4年ぐらいかかりました。
米倉誠一郎: 胃とか痛くならなかったですか。
新浪剛史: 眠れないということはなかったですね。もともと本流にいませんから、上の人が助けてくれるわけじゃない。となると、結局自分で自分のことはつくっていかなければならないのですが、43歳でしたから、これでだめでも何か経験するだろうと。社外取締役は「この社長を何とかしたい」と思ってくれる人が多くて助けられたというものあります。だからパッションというのがすべてです、頭よりパッション。
米倉誠一郎: これ、みんな信じちゃだめだよ、頭使っているから(笑)。でも最後はパッションですよね。
新浪剛史: 知力や理解力も大事かもしれませんが、パッションが助けてくれます。知識を持っている人にバックアップをしてもらうには、強いパッションが必要です。
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