academyhills Note
オピニオンアーカイブ
いま、環境の何が問題なのか
環境問題を取り巻く世界の動向と、問題の本質を捉える
更新日 : 2009年08月21日
(金)
第5章 国内政策の方向性と意思決定方式
小島敏郎: 国際交渉でできるだけ日本の排出量削減量を少なくする合意を得ることが本当に国益なのでしょうか? つまり、「いつまでも現在の経済を維持した方がいいのか」「遅かれ早かれ低炭素の社会経済をつくっていかなければいけない中で、国際競争に勝ち抜いて日本を繁栄させるという決意が定まっているのか」ということです。
また、変革の時代を乗り切っていくうえで、従来の調整型意思決定というのは有効なのか、新しい意思決定方式を採用しなければいけないのではないか、というテーマ設定をしました。
日本の削減量目標は、長期的視点に立って決定し、それを継続してもらわなければ困るのです。そうでないと、企業も国民も安心して投資もできないし、行動もできない。ですから今のような政治状況だったら、与野党合意のもとに法律で決めてほしいと思います。
日本は、「気候変動政策」「温暖化政策」が選挙の争点にならない唯一の先進国です。主な先進国は気候変動政策を争点の1つにしています。オーストラリアでは京都議定書を批准する・しないが争点の1つでした。それで労働党が勝って批准したのです。
また、変革の時代を乗り切っていくうえで、従来の調整型意思決定というのは有効なのか、新しい意思決定方式を採用しなければいけないのではないか、というテーマ設定をしました。
日本の削減量目標は、長期的視点に立って決定し、それを継続してもらわなければ困るのです。そうでないと、企業も国民も安心して投資もできないし、行動もできない。ですから今のような政治状況だったら、与野党合意のもとに法律で決めてほしいと思います。
日本は、「気候変動政策」「温暖化政策」が選挙の争点にならない唯一の先進国です。主な先進国は気候変動政策を争点の1つにしています。オーストラリアでは京都議定書を批准する・しないが争点の1つでした。それで労働党が勝って批准したのです。
国の目標は選挙で決めて、どうやってそれを達成するかは役人と企業が考えるものです。日本の低炭素社会化については、強力な年次目標の設定が必要です。また、国内だけでは、これからの国際公約を乗り切れません。クレジットの分が増えていくと「海外での削減」に対する日本の戦略が必要です。日本の投資が活きる国際的な仕組みをつくっていかなければいけないのですが、残念ながら、私もここはどうしたらいいかよくわかりません。
これからは「政策立案の競争導入」をしなければいけないのではないでしょうか。政策を立案する際に、官僚組織には競争相手がいません。変化の時代にそれで本当にいいのでしょうか。
「スターンレポート」(英国)というのは衝撃的でした。彼らは1人の有名な経済学者、経済実務家を中心にチームをつくり、レポートの責任の所在を明らかにしています。そのチームが世界を駆け巡って説明会をする。それが受け入れられれば、チームに参加したエコノミストやコンサルタントはキャリアを築け、世界銀行やいろいろなところにステップアップしていくわけです。
日本の審議会は、一体誰が責任を持っているのかわからないですよね。「世界のルールをつくっていこう」ということですから、他流試合をしなければだめです。
それから、世界のルールをつくることに、どうして外国人の知恵を借りないのか。日本の中で、仲間内だけでやっているから、なかなか国際的なルールづくりに参加できないのではないでしょうか。
ダボスの人たちと一緒に日本で会議をしたときに、「どうして日本の企業家は経団連の意見しか言わないのか?」、と聞かれました。アメリカのビジネスマンは、10人いれば10人がそれぞれ意見を言いますが、日本の場合、10人並べたら8人は同じ意見で、違う意見を言うのは2人だけ。世界から見れば、日本はとても奇異で、変な資本主義なんです。
だから、各企業の社長さんが「温暖化政策はこうあるべきだ」と自由に表明ができる、そういう風土はどうやったらできるのか。小学校から経団連まで、金太郎飴のように同じ意見しか言わせないというのでは、日本の将来はないのではないかと危惧しています。
これからは「政策立案の競争導入」をしなければいけないのではないでしょうか。政策を立案する際に、官僚組織には競争相手がいません。変化の時代にそれで本当にいいのでしょうか。
「スターンレポート」(英国)というのは衝撃的でした。彼らは1人の有名な経済学者、経済実務家を中心にチームをつくり、レポートの責任の所在を明らかにしています。そのチームが世界を駆け巡って説明会をする。それが受け入れられれば、チームに参加したエコノミストやコンサルタントはキャリアを築け、世界銀行やいろいろなところにステップアップしていくわけです。
日本の審議会は、一体誰が責任を持っているのかわからないですよね。「世界のルールをつくっていこう」ということですから、他流試合をしなければだめです。
それから、世界のルールをつくることに、どうして外国人の知恵を借りないのか。日本の中で、仲間内だけでやっているから、なかなか国際的なルールづくりに参加できないのではないでしょうか。
ダボスの人たちと一緒に日本で会議をしたときに、「どうして日本の企業家は経団連の意見しか言わないのか?」、と聞かれました。アメリカのビジネスマンは、10人いれば10人がそれぞれ意見を言いますが、日本の場合、10人並べたら8人は同じ意見で、違う意見を言うのは2人だけ。世界から見れば、日本はとても奇異で、変な資本主義なんです。
だから、各企業の社長さんが「温暖化政策はこうあるべきだ」と自由に表明ができる、そういう風土はどうやったらできるのか。小学校から経団連まで、金太郎飴のように同じ意見しか言わせないというのでは、日本の将来はないのではないかと危惧しています。
いま、環境の何が問題なのか インデックス
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第1章 環境問題における国際交渉のリアリティを語る
2009年06月24日 (水)
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第2章 日本のグリーン・ニュー・ディールが陥りやすい落とし穴
2009年07月10日 (金)
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第3章 国際交渉に必要な意思と判断力
2009年07月27日 (月)
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第4章 国際的ルールをどのように合意に導いていくか
2009年08月10日 (月)
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第5章 国内政策の方向性と意思決定方式
2009年08月21日 (金)
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第6章 アメリカの環境政策の実現可能性
2009年09月03日 (木)
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第7章 なぜ「外圧」による「Change(政策転換)」しかできないか?
2009年09月17日 (木)
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第8章 国際社会で求められる日本という国の意思決定
2009年10月05日 (月)
該当講座
小島 敏郎(前環境省地球環境審議官)×竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長)
地球温暖化問題が注目を集める中で環境関連の情報が氾濫しており、本質が見失われがちな現在、改めて「環境問題」とは何かを小島氏と竹中理事長に議論していただきます。
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