記事・レポート

生きるためのさまざまな力

カフェブレイク・ブックトーク第11回

更新日 : 2009年07月02日 (木)

第3章:ビジネスに役立つ知的能力を喚起する本が多い



澁川雅俊: この種の造語は本の書名の中に実にたくさんあります。とくに2008年に出版されたものに多いようですが、総じて言えることは、ビジネスに役立つ知的能力を喚起する本が多いことです。

人的能力をITで補強しつつ、総合的社員力の向上を唱える『社員力革命』(網島邦夫著、07年日本経済新聞社)や人それぞれの資質を含めて経営者の総合力を分析している『社長力』(有森隆著、06年草思社)などがあります。社長力で最も重要なのはリーダーシップですが、それを『変人力』(樋口泰行著、07年ダイヤモンド社)と表現しているものもあります。また社長力については、『本田宗一郎と井深大に学ぶ現場力』(吉村久夫著、05年日本経済新聞社)のようにもの創りに原点をおく力を強調する本もあります。

また社長であると社員であるとにかかわらず、『会社を変える!40歳の仕事力』(PHP ASSIST編、06年PHP研究所)や『50歳力』(木村政雄著、05年大和書房)など年齢や職場における立場で総合力を論じているものもあります。しかし、その知的能力は、多くの場合「技」(ワザ)とか「業」(ワザ)、「術」とか「技能」・「技術」の意味で使われています。

例えば『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(小宮一慶著、07年ディスカヴァー・トゥエンティワン)や『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』(小宮一慶著、08年ディスカヴァー・トゥエンティワン)や『クリティカル・ワーカーの仕事力』(赤堀広幸著、05年ダイヤモンド社)のように、日常性に流されずに身の回りのものごとを明視し、常に「これは何だろう?」、「どうしてそうなるのだろう?」などと問い掛けることによって自分自身のビジネスにかかわりのある問題を発見し、その解決策を考えるにはどうすればいいか、そのハウトゥを語っています。

※書籍情報は、株式会社紀伊国屋書店の書籍データからの転載です。

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