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北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

更新日 : 2009年01月30日 (金)

第5章 日本の国際競技力の向上を目指すナショナルトレーニングセンター

竹田恆和さんアカデミーヒルズ六本木ヒルズクラブランチョンセミナーの様子
竹田恆和: 先ほど申し上げたように、今後の強化のために現在内容を細かく分析しています。そういう中で、我々の最も大きな味方となるのがナショナルトレーニングセンターです。今年(2008年)の1月に完成しました。多くのスポーツ大国、あるいは経済大国といわれる国は1970年代にこうした施設をつくってきたわけですが、日本だけが持っていませんでした。

ナショナルトレーニングセンターは、国立スポーツ科学センターの隣接地、北区の西が丘にあります。14競技個別の練習場を持ち、世界の基準に合ったクオリティのもので、24時間365日いつでも使えるように、今JOCが管理しています。

ここではもちろん合宿がメインになりますが、一貫指導システムによる国際競技力の向上合宿のほかにいくつものプロジェクトが組まれています。1つはトップアスリートを養成するための指導者の養成を行うプロジェクト。もう1つは小中学生のエリートを発掘し、ここに住まわせながら学校に通わせて、トップアスリートとともに一貫指導体制で訓練を行うプロジェクト。

もう1つは、選手は引退したあとのセカンドキャリアに対して不安を持っており、そういう不安を除くために、いろいろなトレーニングを選手のうちにしていこうということで、セカンドキャリアアカデミーを立ち上げました。これが軌道に乗って継続することで、必ず日本の国際競技力はさらに向上するものと確信しております。

ただ、今あるのは14競技です。オリンピックの夏の競技は28競技ですから、あと14競技足りません。今回つくったナショナルトレーニングセンターは室内競技がメインですので、屋外競技の施設を今つくるべく、国にもお願いしながら進めているところです。2016年、オリンピックが東京に来るとなれば拍車がかかると思いますし、こういったものが整うことによって、より内容のある優れたトレーニングが行えることになります。

これからも日本選手団、頑張って国民の皆さんの期待に応えてまいりたいと思いますので、今後とも、ぜひとも暖かくご支援、ご協力いただきたいと思います。
(その6に続く、全9回)

※この原稿は、2008年9月11日に開催した六本木ヒルズクラブランチョンセミナー「北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~」を元に作成したものです。

該当講座

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致
竹田恆和 ((財)日本オリンピック 委員会(JOC)会長/エルティーケーライゼビューロージャパン(株)代表取締役社長)

今回の六本木ヒルズクラブランチョンセミナーでは北京オリンピック開催直後の余韻がまだ残る9月に日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恆和氏をお招きします。2冠を獲得した北島康介選手をはじめ、悲願の金メダルを手にした女子ソフトボール代表、体操で銀メダルを獲得した内村航平選手、フェンシングで銀メダルの....


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