記事・レポート
楽天イーグルス島田亨社長が語る「経営の本質」
BIZセミナー経営戦略
更新日 : 2008年06月24日
(火)
第6章 ファシリティーを磨く
島田亨: 日本一の球場にしようと頑張ってきましたが、当然球場の投資コストをどう回収するかは考えました。多くの球場と逆で、うちはホームが三塁側でビジターが一塁側です。今までの球場は大体シンメトリーなんですが、対称ってやはり不自然で、地元が地元の側に座りたいという欲求は高いわけですから当然そっちから先に埋まります。それで球場改修するときに、座席は三塁側だけつくって一塁側の同じ場所にはレストランをつくって、球場の年間シートを買ってくれる人だけしか入れないようにしました。
5億円ぐらい掛けた建物を含めたレストランが直接的には利益を生まないかもしれませんが、これがあることによって年間シートが売れれば、その方が収益性が高いじゃないかと。このように、ROI(※編注:Return on Investment=投資収益率)を考えて最短で回収ができ、なおかつお客さまにとって楽しいファシリティーをつくるということが非常に重要です。
ゾーニングでは、チームキャラクターの「犬鷲」の森があり、センターの裏側には滑り台や試合中球場の周りを走っている電車があります。先程ご紹介したフィールドお泊まり会や、夏には朝スタ、夜スタといって、試合がない日でも球場の周りを縁日にして、子どもを遊ばせるために訪れるのにいい場所をつくったりしています。
マスコットは3つのキャラクターからはじめて、戦略的に毎年1つずつキャラクターを増やしています。当たるキャラクターもいれば、はずれるキャラク ターもあって、ROIを考えたらもうからないんですけれども、毎年継続して増やしていくということが大事で、キャラクターが集合して世界観を醸し出します し、ゾーニングで役割を果たしてくれるようになります。こうしたエンターテインメントというのを非常に重視しています。
また、ターゲットがファミリーということは、ほぼイコール女性と子どもですから、ハード面とソフト面の両方を考えて、託児所や授乳室をつくったり、INAXさんにご協力いただいてピカピカのきれいなトイレを入れたりしました。
他にもメジャーリーグでは当たり前になっている、プレミアムな場所をつくりしました。古き日本のプロ野球チームの選手のロッカーは、いまだにあのネ ズミ色なんですが、選手に気持ちよくプレーしてもらうために個々のスペースを確保しています。ロッカールームを出てくるとサロンになっていて、対戦相手の データベースが見れるようになっていたりします。
選手のマネジメントに関していうと、メディアをつかってどうやってプロモートしていくかを考えると、第三者のマネジメント会社よりも球団そのものが プロモート会社になったほうが圧倒的に力があると思います。契約を交渉するマネジメント会社の部分は利害相反になってしまうのでできないのですが、選手プロモートということでのマネジメント機能というのは、プロ野球球団そのものが持っていても十分出来るんじゃないか。これは新しいチャレンジだと思っています。
5億円ぐらい掛けた建物を含めたレストランが直接的には利益を生まないかもしれませんが、これがあることによって年間シートが売れれば、その方が収益性が高いじゃないかと。このように、ROI(※編注:Return on Investment=投資収益率)を考えて最短で回収ができ、なおかつお客さまにとって楽しいファシリティーをつくるということが非常に重要です。
ゾーニングでは、チームキャラクターの「犬鷲」の森があり、センターの裏側には滑り台や試合中球場の周りを走っている電車があります。先程ご紹介したフィールドお泊まり会や、夏には朝スタ、夜スタといって、試合がない日でも球場の周りを縁日にして、子どもを遊ばせるために訪れるのにいい場所をつくったりしています。
マスコットは3つのキャラクターからはじめて、戦略的に毎年1つずつキャラクターを増やしています。当たるキャラクターもいれば、はずれるキャラク ターもあって、ROIを考えたらもうからないんですけれども、毎年継続して増やしていくということが大事で、キャラクターが集合して世界観を醸し出します し、ゾーニングで役割を果たしてくれるようになります。こうしたエンターテインメントというのを非常に重視しています。
また、ターゲットがファミリーということは、ほぼイコール女性と子どもですから、ハード面とソフト面の両方を考えて、託児所や授乳室をつくったり、INAXさんにご協力いただいてピカピカのきれいなトイレを入れたりしました。
他にもメジャーリーグでは当たり前になっている、プレミアムな場所をつくりしました。古き日本のプロ野球チームの選手のロッカーは、いまだにあのネ ズミ色なんですが、選手に気持ちよくプレーしてもらうために個々のスペースを確保しています。ロッカールームを出てくるとサロンになっていて、対戦相手の データベースが見れるようになっていたりします。
選手のマネジメントに関していうと、メディアをつかってどうやってプロモートしていくかを考えると、第三者のマネジメント会社よりも球団そのものが プロモート会社になったほうが圧倒的に力があると思います。契約を交渉するマネジメント会社の部分は利害相反になってしまうのでできないのですが、選手プロモートということでのマネジメント機能というのは、プロ野球球団そのものが持っていても十分出来るんじゃないか。これは新しいチャレンジだと思っています。
楽天イーグルス島田亨社長が語る「経営の本質」 インデックス
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第1章 野球ビジネスに出会うまで
2008年05月14日 (水)
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第2章 ファンに愛される球団へ
2008年05月20日 (火)
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第3章 評価制度で成績を上げる
2008年06月02日 (月)
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第4章 スポンサーに評価される球団
2008年06月11日 (水)
-
第5章 場の創造(継続的なリテンション)
2008年06月17日 (火)
-
第6章 ファシリティーを磨く
2008年06月24日 (火)
-
第7章 地道な地域密着活動
2008年07月01日 (火)
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第8章 感動のエンターテインメントのために
2008年07月10日 (木)
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