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「アメリカ大統領選挙から、アメリカ社会を考える」

更新日 : 2008年05月30日 (金)

第6章 JFKの再来か?政治に無関心な人が振り向いた!

ジェラルド・カーティスさん

ジェラルド・カーティス: 私がちょうど二十歳になったときに、ジョン・F・ケネディが大統領になりました。今、そのころを思い出すような雰囲気です。特にオバマに対しての盛り上がり、これはケネディに対する当時の若者たちの支持と非常によく似ています。政治にあまり興味のない人たちも巻き込んでいます。

例えば、日本時間の明日(4月17日)の朝、アメリカの火曜日夜にヒラリーとオバマのディベートがペンシルベニアで行われるのですが、この視聴率は大変なものになります。今までに18回ぐらいディベートをやっているのですが、見る人が多く、予備選挙に投票する人たちは4年前の倍以上で、ものすごい盛り上がりを見せています。

ニューヨークにいる私の娘からスーパー・チューズデーの夜に電話がかかってきました。仕事が終わって友だちと一杯飲みに行ったら、どのバー、どのクラブに行ってもスーパー・チューズデー・スペシャルをやっていたというのです。お酒は半分の値段になっていて、そこに集まっている若い人たち、お互いに知らない人たちが選挙の話をみんなでしていて、すごく盛り上がって面白かった、というような話でした。

今、そういう雰囲気なのです。選挙に長い時間を掛けるいい点は、それほど知名度が高くなかったオバマが、支持率をたくさん得られるようになったとい うことです。しかし、あまり長く続くと、「自分がよりいい大統領になれる」という観点の議論から、「とにかく相手にダメージを与えよう」という動きに変わってしまいます。今のヒラリーが、そうです。

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