オピニオン・記事

日本元気塾セミナー「世の中にないモノを創る」技術集団

〜セブン・ドリーマーズの挑戦〜

更新日 : 2017年06月19日 (月)

9,000時間の家事から解放!全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」【前編】

世界初!全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」で話題沸騰中のセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ。同商品初の展示会では、国内外から1万9,000人が来場するほどの人気です。
同社は“世の中にないモノを創る技術集団”として、新分野の商品開発に挑戦しています。世界一イノベーティブな会社を目指す彼らのイノベーションマインドとは、いかなるものなのか?発想の源泉はどこにあるのか?イノベーションを起こすために必要な考え方について、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ代表取締役社長 阪根信一氏に伺います。

開催日:2017年4月18日(火)19:00~21:00

ゲストスピーカー:
セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社 代表取締役社長 阪根信一 
モデレーター:日本元気塾塾長 米倉誠一郎

セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社 代表取締役社長 阪根信一


セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズのスタンス

阪根信一: 当社は幅広い分野の商品を扱っているので、「何屋さんなんですか?」とよく聞かれます。
私たちのコア・コンピタンスは、「世の中にないモノを創り出す技術集団」。現在の世の中に存在していないものを作り出し、「リアルイノベーションを起こしたい」という想いで開発を行っています。とはいえ、新しいものなら何でもいいわけではありません。人々の生活を豊かにする技術に特化し、消費者が実際に使うものからテーマを探して商品開発を進めています。

私自身、もともとは物理・化学を専攻していました。研究分野と全く異なる現在の道へと進み、事業を始めた背景には、発明家である父とアメリカ留学時代にお世話になった大学院の教授の大きな影響がありました。
大学院では、Ph.Dという学位を取得しました。Ph.Dは、「ドクター・オブ・フィロソフィー/哲学を極めた人」という意味ですが、教授はこのように言いました。
「Ph.Dの取得は、結果を出すという哲学を学んだことを意味する。君がどんな道に進もうとも、新たな挑戦から成功を導くプロセスを学んだという称号は変わらない」。
その教えが世界一イノベ—ティブな会社を目指す、今の自分に結びついていると感じています。

イノベーションを起こすには、ニーズを確実に捉えること!

阪根信一: 
テーマの選定は、イノベーションを起こす上で最も重要です。ここで注意したいのが、「現在どんな技術が流行っていて、どんな技術が注目されているんだろう?」と、時代の潮流に目を向けてしまうことです。誰かが既に考えていることから、イノベーションは起こりません。これから開発するものが世の中に本当に存在しないものなのか、慎重に吟味する必要があります。
また、モノをつくるときは、保有の技術を活用して新しいサービスにつなげ、事業を発展しようと思いがちです。しかし、そんな都合の良いイノベーションは滅多にないでしょう。それゆえ、新しい商品を考える時は、シーズは度外視しています。このやり方はシナジーがなく、経営効率が悪いと投資家に言われることもあります。しかし、メーカーの独りよがりな商品開発で経営資源を浪費するよりも、世の中のニーズに則って商品から売上につなげた方が、結果的に経営効率は良いと考えて事業を行っています。

ここで、私たちのテーマ選定のクライテリア(基準)を紹介します。
テーマを絞るため、大きく3つのクライテリアがあります。

1、世の中に無いモノであること

2、人々の生活を豊かにするモノであること

3、技術的なハードルが高いモノであること

私たちが扱う商品の分野がバラバラな理由は、このクライテリアを軸にテーマを選定するからです。また、選定した約99%のテーマが、どこかの大学が研究を進めていたり、既に他の企業が開発を進めています。そういった時は候補からはずします。
3つのクライテリアすべてに当てはまり、確実に世の中のだれも着手していないもの——それが、私たちの目指す商品づくりです。テーマ選定の壁を突破して誕生したのが、これから紹介する3つの商品です。

9,000時間の家事から解放!全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」

全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」

このテーマは、「クリエイトタイム=人生に新たな時間を創造しよう」です。

例えば4人家族の場合、主婦が、洗濯乾燥した衣類をたたみ収納するには人生の中で約9,000時間もの時間を費やすといわれています。日数に換算すると375日に相当、その時間をもっと価値のある時間に変えていこうというものです。

ランドロイドは、2005年から12年かけて開発を進めました。当社で最も開発期間の長い商品です。画像解析と人工知能、ロボティクスの3つの機能が融合しており、Wi-Fi下で作動。定期的なアップデートでどんどん進化していくデバイスでもあります。  

米倉誠一郎:  私は電気自動車の「テスラ」を車輪のついたスマートフォンだと思っています。同じように、ランドロイドは全自動衣類折り畳み機の顔をした端末のような存在になっていく感じがしています。  

阪根信一: そうですね、人工知能による衣類の認識はかなり難しく、衣服の種類が増えれば増えるほど、精度が上がります。IoTデバイスとしてネットに接続すれば、次々と学習レベルを上げてアップデートできますし、当社ならではの価値を生み出すことができるでしょう。  

2015年、CEATECという家電ショーで世界初の全自動衣類折りたたみ機としてランドロイドを出展。 総勢1万9,000人がブースに来場する大変にぎやかな場となりました。



2015年、CEATECという家電ショーで世界初の全自動衣類折りたたみ機としてランドロイドを出展。

2015年には、洗濯乾燥機と一体となった「ランドロイド・オール・イン・ワン」の開発などに向けてパナソニックさんと提携。さらに、大和ハウスさんと提携し、洗濯乾燥仕分け後、家族のクローゼットまで届けてくれる「ランドロイド・ホーム・ビルト・イン」を検討しています。

「人の生活を豊かにする」という大きなテーマがあるので、あくまでBtoCにこだわっていますが、ランドロイドのニーズの高い介護福祉施設、病院向けにも展開を検討しています。
また、ランドロイドも他の商品同様、世界に展開していきます。
2017年1月には、初めて海外でランドロイドのデモンストレーションを行いました。

アメリカ・ラスベガスで行われる世界最大の家電ショー・CESで発表したところ、非常に大きな話題となり、世界中のニュースに流れ注目されました。

米倉誠一郎: 価格は185万円!

阪根信一: 一台185万円からです。気軽にランドロイドのある空間を感じていただくため、表参道にランドロイドカフェをオープンしました。昼はごまアイス、夜はお肉を召し上がりながら、自動で衣類をたたむランドロイドを体験できます。


ランドロイドカフェ

米倉誠一郎: ところで、2005年から開発を進められたわけですが、どのように開発者を集めたんですか?大手企業からの転職者もいらっしゃると伺いましたが。

阪根信一: それが一番苦戦しました。10年間ずっと情報をシークレットにしていたので、ホームページには、ロボティクス、メカトロニクス、人工知能技術者募集と記載のみ。「どんな開発をさせてもらえるんですか?」と聞かれても、入社までは返答できません。ですから、それでも当社に来てくれた開発者は、かなり嗅覚が優れていますよね(笑) 
2015年のCEATECで話題になり、国内外から続々と優れた開発者が応募してくるようになりました。大企業の技術者が、自由な挑戦を求めてくることが多いです。その人たちが自分のキャリアをかけて当社でイノベーションを起こそうと働いています。ものすごく熱く、優秀です。彼らに無かったのはテーマだけだったんです。

米倉誠一郎: なるほど。テーマがあってゴールがあれば、驚くほど成果を上げてくれると。そういう優秀な人たちが新天地を見出すとは良い事例ですね。

日本元気塾塾長 米倉誠一郎

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「世の中にないモノを創る」技術集団セブン・ドリーマーズの挑戦
「世の中にないモノを創る」技術集団セブン・ドリーマーズの挑戦

阪根信一(セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社)×米倉誠一郎(日本元気塾塾長)
世界初の「全自動衣類折りたたみ機=ランドロイド」開発秘話、そして世界一イノベーティブな会社を目指し、今後どのような未来ビジョンを描いているのかをお話いただきます。


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