記事・レポート

撮って、残して、味わって。

写真家・川島小鳥が語る「写真を撮る理由」

更新日 : 2016年04月06日 (水)

第1章 写真とは趣味であり仕事

『BABY BABY』『未来ちゃん』など、川島小鳥さんの写真は、どれもが何気ない日常の風景でありながら、実は私達が見過ごしている大切な瞬間をきりとったものばかり。だからこそ、忘れていた記憶が呼び起こされ、一瞬で心をつかまれてしまうのでしょう。最新写真集『明星』の発刊直前に行われたこのトークでは、写真の世界に飛び込んだ理由から、写真を撮ること、残すこと、味わうことまで、“写真家・川島小鳥”の秘密を語っていただきました。

スピーカー:川島小鳥(写真家)
モデレーター:古川誠(オズマガジン編集長)

川島小鳥(写真家)

 
台湾を舞台にした写真集

古川誠: 『オズマガジン』(OZ magazine)の編集長を務める古川誠と申します。本日は、たくさんの方にお集まりいただき、非常に光栄です。この「六本木アートカレッジ」では、他会場でも魅力的な方々が登壇されていますが、この会場を選ばれた皆さんは、おそらく川島小鳥さんの写真が大好き、という方が多いと思います。

そもそも、小鳥さんとオズマガジンの出会いは、2008年までさかのぼります。同年6月号で初めて表紙写真を撮っていただき、以来、スケジュールが合わなかった数回を除き、ほぼ毎号撮影いただいています。400号からのお付き合いで次号が513号ですから、すでに100回を超えています。

川島小鳥: すごい!

古川誠: 本当にすごいですよね。小鳥さんといえば、2011年3月に発売し、写真集としては異例の大ヒットとなった『未来ちゃん』(ナナロク社)があります。そして2014年12月には新しい写真集『明星』が、同じくナナロク社から発刊されます。本日はその写真をいくつかご紹介しつつ、写真を撮ること、残すこと、味わうことについて、お話をうかがいたいと思います。

まずは、いきなりストレートな質問で恐縮ですが、小鳥さんにとって写真とは?

川島小鳥: 趣味であり、仕事です。

古川誠: 趣味ということは、毎日一度は必ずシャッターを切る?

川島小鳥: それは決まっていませんが、いつもカメラは持ち歩いています。

古川誠: 「今日は打ち合わせだけです」という時も、必ずカメラを下げていますよね。

川島小鳥: いつ、どこで撮りたいものに出会うかわからないので、常にカメラは持ち歩いています。

古川誠: ちょうど、後ろのスクリーンに『明星』で使われた写真が映っていますが、これも撮りたい瞬間に撮られたもの。すべて台湾で撮られたものですよね?

川島小鳥: ここ数年、台湾にはまっていて、何度も訪れています。

古川誠: なるほど。後ほど、台湾のお話もたくさん出てきますが……。

川島小鳥: 12月発売の『オズマガジン』1月号も台湾特集ですよね?

古川誠: ありがとうございます(笑)。実は、オズマガジンとしては初めての海外特集です。これまでは国内が中心でしたが、以前から「いつかは海外特集をやりたい」と思っていました。数年前から小鳥さんが台湾にはまり、僕も小鳥さんの所に遊びに行くうちに台湾が好きになり、小鳥さんが『明星』を出されるタイミングに合わせ、我々も初の海外特集に挑んだわけです。今回は小鳥さんと一緒に2日間台湾を訪れ、あちこち回りながら撮影しましたが、本当に素晴らしい写真ばかり。そのため、表紙案がたくさんできてしまい、非常に困っています。

川島小鳥: 優柔不断な編集長ということで、毎回10パターンほどつくっていますよね?

古川誠: 毎回、小鳥さんが素敵な写真をたくさん撮られるので、最後まで迷いまくっています(笑)。

ナナロク社 川島小鳥
http://www.nanarokusha.com/artist/kotori

オズマガジン
http://www.ozmall.co.jp/ozmagazine/

該当講座


オズマガジン×ナナロク社  presents
撮って、残して、味わって。すると何が見えますか?
オズマガジン×ナナロク社 presents 撮って、残して、味わって。すると何が見えますか?

写真集「未来ちゃん」後、待望の最新写真集を発売する川島さんと、オズマガジン編集長が、写真を「残すこと、味わうこと」について語ります。


撮って、残して、味わって。 インデックス