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メディア化する企業はなぜ強いのか? 小林弘人氏が解説します

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2012年07月20日 (金)

第2章 メディア化の目的は、お客さんにファンになってもらうこと

小林弘人(株式会社インフォバーン代表取締役CEO/株式会社デジモ 代表取締役 ソーシャル・トイ・ビジョナリー)

小林弘人: Paid Mediaは、A地点からB地点に大勢の人を連れていく力があります。例えば、テレビで「自由が丘にこんなケーキ屋さんがあります」と紹介したら、翌日にはおそらく大行列ができます。でも次に下北沢のケーキ屋さんを紹介したら、そのお客さんたちは下北沢に流れていってしまいます。これはネットの世界も同じで、大きなトラフィックのあるサイトからリンクが貼られると、サーバーが落ちるほどアクセスがくるのですが、そのユーザーはあまり残ってくれません。

では、どうすればいいかというと、B地点に降りるホームをうまくつくり、そこでお客さんをもてなして、B地点にずっといていただくようにするんです。CMを打つときは、そこにお客さんが滞留できるためのホームがあったほうがより効果的です。

検索エンジンでよく検索される言葉は、3月頃なら「花見」など、年間を通じて大体決まっています。でも、全くわからないものもいっぱいあります。そういったものはテレビでタレントが口にした言葉だったり、CMに登場したりしたものが圧倒的に多いんです。だから先に降り口をディア化しておいて、それからCMなどのPaid Mediaを使ってマスの認知を獲得するのが効果的だと私は考えています。

Paid Mediaはサービスや商品の投入時期に合わせて広告を打てばいいので非定期ですが、B地点に仕込むメディアは運営し続けることが大切です。運営し続けることで人を留めることができるし、検索エンジンのSEOにも有利に働きます。加えてB地点をメディア化することで、ユーザーが「なぜ離脱したのか」とか「なぜ買い物ボタンを押してくれないのか」といった行動を分析できるようになります。でも、メディア化の一番の目的は、B地点に留まった人たちに会社のファンになってもらうことです。

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メディア化する企業はなぜ強いのか?

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メディア化する企業はなぜ強いのか?
小林弘人 (株式会社インフォバーン代表取締役CEO、東京大学大学院・情報学環 非常勤講師)
神原弥奈子 (株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役)

小林弘人(インフォバーン代表取締役CEO)
「ワイアード」「サイゾー」などの紙媒体、「ギズモード」などのネットメディアの両方を手がけてきた、出版業界からインターネット業界にまたぐオピニオンリーダー、小林氏をゲストにお迎えします。


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