記事・レポート
「仕事に快楽を」Francfrancをつくった男の仕事哲学
髙島郁夫『遊ばない社員はいらない』出版記念セミナー in 日本元気塾
日本元気塾キャリア・人経営戦略
更新日 : 2011年07月25日
(月)
第7章 インプットも仕事。だから、1カ月間、会社を休む
髙島郁夫: 井上さんは、どうして休みをいっぱいとるのですか。
井上英明: 社長業ってアウトプットだと思うんです。インプットしたことを、自分の中で咀嚼して、考えて、まとめて、それをアウトプットするのが仕事。だからネタを仕入れたり、いろいろ考えたりするのが仕事だと思うんです。会社にいて判子押すのって、仕事じゃないじゃないですか。
髙島郁夫: 確かに、あれは仕事じゃないよね。
井上英明: 作業ですよね。だから、ネタ探しということでプラプラしています。
髙島郁夫: 井上さんは1年に1カ月間、会社を休みますよね。ちなみに、この前の1カ月間は何をしていたのか話してもらってもいいですか。
井上英明: あのときは、9月19日にトライアスロンの大会「アイアンマン70.3 セントレア常滑ジャパン」があったので、それに向けて前半はトレーニングをまじめにやりました。後半は、10日間ぐらいスペインでプラプラしていましたね。
休みの前半に、ものすごくいいことがありました。世界的に有名な心臓外科医の先生と食事をする機会があったのですが、その方から、「新しいことをやるということは、未知の世界を切り開くということ。だから、人に聞いたって答えがない。自分で考え抜かなきゃいけない」と言われたんです。先生は「自問自答」という言葉を使っていました。
それから、某セキュリティ会社の会長さんともお会いしたのですが、全く同じことを言われたんですよ。「自分も今までなかったものをつくってきたけれど、やっぱり考えなきゃだめなんだよ。もっと考える時間を持ちなさい。どれだけ考え抜くかによって違ってくるんだから」と。信頼するお二人に言われたので、自分は考える時間が全然足りていないなと思いました。
後半はスペインでいろいろ観て歩いて、ピカソ美術館とかに行きました。ピカソの画風って、小さいころからの作品を観ていくと、ものすごく変わっていっているのがわかるんです。いろいろな絵を、何パターンも描いていました。そういうのを観ていたら、「のたうち回って絵を描いていたのかな。ピカソも一所懸命に考え抜いて、あの画風を確立したんだな」と思いました。
サグラダ・ファミリアも観ました。ガウディは、糸に重りをつけたものを上から吊して「逆さ吊り模型」というのを作って、その下に鏡を置いて、映った像を建築するという、全く新しい建築方式を考えていたんですね。最後は電車にはねられて死んだのですが、そのとき、ポケットにはサグラダ・ファミリアのデッサンが入っていたそうです。「ガウディも考え抜いていたんだな」と思いました。
二人の先生からの助言と、スペインでの体験から、「本当に何事かを成し遂げた人というのは、考え抜く時間を持っていたんだな。自分にはそういう時間がまだまだ足りない。流されているな」と思いました。
そういうこともあって、ふと気づいたことがありました。普段、仕事で忙しいときは、メールやツイッターをする時間なんて気にしていませんでしたが、1カ月間会社に行かないで、一日中本を読んだりしているなかでメールやツイッターをすると、その時間がすごく浮き立って見えるんですよ。そういうことに費やしている時間が相当あることに気づいたんです。だから帰国してすぐに、ツイッターとかブログはやめちゃいました。まあ、時々は書くかもしれないけれど。メールも減るように工夫しました。ちょっとしたことだけど、長い目でみると、考えるための時間がたくさんできたと思います。
髙島郁夫: 今、仕事じゃなくて個人的にメールやPCに使われている時間って、1日平均2時間だそうです。確かに、すごい時間ですよね。
井上英明: 社長業ってアウトプットだと思うんです。インプットしたことを、自分の中で咀嚼して、考えて、まとめて、それをアウトプットするのが仕事。だからネタを仕入れたり、いろいろ考えたりするのが仕事だと思うんです。会社にいて判子押すのって、仕事じゃないじゃないですか。
髙島郁夫: 確かに、あれは仕事じゃないよね。
井上英明: 作業ですよね。だから、ネタ探しということでプラプラしています。
髙島郁夫: 井上さんは1年に1カ月間、会社を休みますよね。ちなみに、この前の1カ月間は何をしていたのか話してもらってもいいですか。
井上英明: あのときは、9月19日にトライアスロンの大会「アイアンマン70.3 セントレア常滑ジャパン」があったので、それに向けて前半はトレーニングをまじめにやりました。後半は、10日間ぐらいスペインでプラプラしていましたね。
休みの前半に、ものすごくいいことがありました。世界的に有名な心臓外科医の先生と食事をする機会があったのですが、その方から、「新しいことをやるということは、未知の世界を切り開くということ。だから、人に聞いたって答えがない。自分で考え抜かなきゃいけない」と言われたんです。先生は「自問自答」という言葉を使っていました。
それから、某セキュリティ会社の会長さんともお会いしたのですが、全く同じことを言われたんですよ。「自分も今までなかったものをつくってきたけれど、やっぱり考えなきゃだめなんだよ。もっと考える時間を持ちなさい。どれだけ考え抜くかによって違ってくるんだから」と。信頼するお二人に言われたので、自分は考える時間が全然足りていないなと思いました。
後半はスペインでいろいろ観て歩いて、ピカソ美術館とかに行きました。ピカソの画風って、小さいころからの作品を観ていくと、ものすごく変わっていっているのがわかるんです。いろいろな絵を、何パターンも描いていました。そういうのを観ていたら、「のたうち回って絵を描いていたのかな。ピカソも一所懸命に考え抜いて、あの画風を確立したんだな」と思いました。
サグラダ・ファミリアも観ました。ガウディは、糸に重りをつけたものを上から吊して「逆さ吊り模型」というのを作って、その下に鏡を置いて、映った像を建築するという、全く新しい建築方式を考えていたんですね。最後は電車にはねられて死んだのですが、そのとき、ポケットにはサグラダ・ファミリアのデッサンが入っていたそうです。「ガウディも考え抜いていたんだな」と思いました。
二人の先生からの助言と、スペインでの体験から、「本当に何事かを成し遂げた人というのは、考え抜く時間を持っていたんだな。自分にはそういう時間がまだまだ足りない。流されているな」と思いました。
そういうこともあって、ふと気づいたことがありました。普段、仕事で忙しいときは、メールやツイッターをする時間なんて気にしていませんでしたが、1カ月間会社に行かないで、一日中本を読んだりしているなかでメールやツイッターをすると、その時間がすごく浮き立って見えるんですよ。そういうことに費やしている時間が相当あることに気づいたんです。だから帰国してすぐに、ツイッターとかブログはやめちゃいました。まあ、時々は書くかもしれないけれど。メールも減るように工夫しました。ちょっとしたことだけど、長い目でみると、考えるための時間がたくさんできたと思います。
髙島郁夫: 今、仕事じゃなくて個人的にメールやPCに使われている時間って、1日平均2時間だそうです。確かに、すごい時間ですよね。
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該当講座
髙島郁夫(㈱バルス 代表取締役社長)×井上英明(㈱パークコーポレーション代表取締役)
11月11日発売「遊ばない社員はいらない~仕事の成果は、楽しんだ時間で決まる~」(ダイヤモンド社)刊行を記念し、日本元気塾セミナーを開催。髙島氏がバルスの経営を通じて得た独自の経営論はもちろん、いい仕事の根源となる、自分の生活を豊かにするために「もっと本気で遊べ!」という強烈なメッセージを送ります。
日本元気塾
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