“ライフスタイル”サロン“編集力シリーズ”第1回を開催。
三浦氏と竹中理事長のディスカッションは“知のシャワー”!!



- 日時:
- 2008年6月20日(金)
- ゲスト:
- 三浦 雅士(評論家)
- モデレーター:
- 安藤 礼二(評論家/多摩美術大学准教授)
- パネリスト:
- 竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長/慶応義塾大学教授)
2007年にスタートした「ライフスタイルサロン」も2年目に入りました。2008年のテーマは“編集力”。毎回、編集に長けたゲストをお招きし、最初に編集力についてお話いただきます。そして後半では、ゲストとモデレーターの安藤氏、そして竹中理事長に加わっていただき、「編集力」について鼎談していただく予定です。
第1回のゲストは、三浦雅士氏。
「編集力とは、“アナロジー”を発見する力である。」と解説する三浦氏。
「例えば、レストランのメニューを作ることも組閣も編集力、つまりはアナロジーである。メインデッシュを何にするのか、サイドデッシュは何か、お店の一番の売りは何か、お客様を何で魅了しようとしているのかを類比的に考える、それが編集力である。内閣をつくることも同じである。メインは何か、どこをポイントにするか類比することである。つまり、クリエイティビティ(創造力)とは、アナロジーを発見する能力(編集力)ではないか!」と、編集力についてご自身の考えをお話くださいました。
そして、後半の鼎談へと続きます。
まず、三浦氏から竹中理事長への質問、「今こそ、資本論が必要な時期がきている。投機的なマネーも含めて、資本が人間の手を離れて1つの危険な生き物ようにワールドワイドに動き始めている。この資本の動きをどのように読み解くか?」という経済のトピックスからスタートしたディスカッションは、「格差社会」、「人間の愛・本質・存在」、「グローバリゼーション」、「教育」へと次から次へ展開されました。そして息をつく暇もない三浦氏と竹中理事長のやり取りに、会場の皆さんは吸い込まれていきました。
モデレーターの安藤氏も「大人のコミュニケーションの凄さを感じた。」というコメントで編集力シリーズ第1回を締めくくってくださいました。
参加された六本木ライブラリーの会員は、
- 三浦氏の年齢を感じさせない情熱あふれる論説に感激。
- その場に居合わせたからこそ感じられる興奮を覚えた。
- ディスカッションの内容、ライブ感が非常に面白い。
- パワフルな話にびっくり。時間を共有することの迫力を感じた。
- 頭の中をシェイクされた感じ。考える種を沢山いただけた。
- 知的好奇心がくすぐられた面白い時間だった。
- 広がる話の展開がとてもスリリングだった。
などの感想が多く寄せられ、“知のシャワー”を浴びてエキサイティングな時間を過ごしたようです。
- ※ゲストの三浦雅士氏の近著「漱石母に愛されなかった子」(岩波新書 2008/4) は、モデレーターの安藤礼二氏より「三浦氏がアナロジーで漱石を読み解いた本」として紹介いただきました。
“ライフスタイル”サロン(特別編)
『今求められる編集力とは…』



- 日時:
- 2008年3月21日(金)
- 対談:
- 安藤 礼二(評論家/多摩美術大学准教授)
竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学教授)
2007年9月にスタートした「“ライフスタイル”サロン2007」は、ライフスタイルを考えるきっかけを書籍に求め、その著者による講演と、竹中理事長を中心にした参加者とのディスカッションにより、日本人が大切にすべきライフスタイルとは何か、人生をより豊かに生きるための教養とは何か、を考えることを目的にしてきました。
2008年度の“ライフスタイル”サロンは、“編集力”にフォーカスします。モデレーターを安藤礼二氏(評論家 / 多摩美術大学准教授)に勤めていただき、ゲストと竹中理事長とのディスカッションにより、「編集力」について学び、考える場とします。
新しい“ライフスタイル”サロンに先駆けて、3月21日に開催したサロンでは、2007年度の総括と2008年度のキックオフを兼ねて、安藤礼二氏と竹中理事長に『今求められる編集力とは・・・』というテーマで対談していただきました。
まず安藤氏より、
「“編集”とは、“情報を集めて、組みかえて、新しい情報にする”こと。その過程で重要なことが、“情報を捨てる”こと。新しいサロンでは、ゲストと竹中理事長との異種結合の媒介者になりたい。」と抱負を述べられました。
竹中理事長からは、「都市の魅力の1つに、新結合・新しい結びつきがあげられるが、正に参加される皆さんがリソースで、サロンで交流することにより、化学反応を起こす場にしていきたい。」と述べられた。
また、「編集力を身につけるためには?」という竹中理事長の問いに対して、安藤氏は、「人と会うこと。個人で知識を身に付けるには限界があり、他人と話をする中で、特に相手の話を聞くこと。話を聞くとは、自分の言葉も磨いていることになる。人と出会い、話を聞くことが第一です。」と回答。
竹中理事長より「リーダーの資質として聞き上手は重要。聞くという行為を通じて、自分の思考に入れていると思う。そして聞くために欠かせないことが読むこと。来年度は、多いに読んで、多いに語って、多いに聞くサロンにしよう!」と締めくくられました。
対談の後には、ハッピーアワーを開催。通常のハッピーアワーではソフトドリンクのみですが、この日は“特別編”として、アルコールも登場。参加者全員で、「多いに飲み・食べ、多いに語り・聞く」場となりました。
2008年度の“ライフスタイル”サロンでは、ゲストに予め10冊のグレートブックスを選んでいただいた上で、選ぶ過程での考えや理由をサロンでお話いただき、安藤氏をモデレーターに、ゲストと竹中理事長がディスカッションすることにより、「編集力」について考え、学んでいく予定です。
- 第1回 “ライフスタイル”サロン〜編集力を考える〜
- 日時:
- 2008年6月20日(金)
- ゲスト:
- 三浦 雅士(評論家)
- モデレーター:
- 安藤 礼二(評論家/多摩美術大学准教授)
- パネリスト:
- 竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学教授)
- 参加対象者:
- 六本木ライブラリーの会員
“ライフスタイル”サロン2007(第3回)
『江戸の生活に学ぶリサイクル社会』



- 日時:
- 2008年1月30日(水)
- スピーカー:
- ゲスト:石川 英輔(江戸文化研究家 / 『江戸と現代 0と10万キロカロリーの世界』著者)
モデレーター:竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長 / 慶應義塾大学教授)
2008年1月30日、「江戸の生活に学ぶリサイクル社会」をテーマに第3回ライフスタイルサロンを開催しました。ゲストは『江戸と現代 0と10万キロカロリーの世界』(講談社 2006年6月)の著者・石川英輔氏。
現在の日本では、一人一日10万キロカロリーの化石燃料(石油、石炭など)を消費しながら暮らしていますが、130年前の明治初期までは太陽エネルギーだけで暮らしていました。つまり化石燃料を使用せず暮らしが成り立っていたのです。その後、1955年には1万キロカロリー、1970年には5万キロカロリーと、加速度的に増加し続けています。「地球温暖化」が問題となっている今、我々はどのように生活すべきなのでしょうか。石川氏は、多くのヒントを私たちに与えてくださりました。
例えば「リサイクル」とは何か?それは江戸時代の稲作に学ぶことができます。当時は米500万トン、藁500万トンが生産されていました。500万トンの米は主食として食べられ、消化・排泄され下肥として土にかえります。藁も堆肥や燃料としての灰、藁製品として利用され、最後は土にかえります。つまり“土にかえる”ことが「究極のリサイクル」となるのです。
そして、今の我々にできることは何か?1つのヒントは「自分の身体に良いことをすれば、使うエネルギーは減る」ということです。例えば「早寝・早起き」。太陽とともに活動すれば、照明に必要なエネルギーは減ります。または「腹八分目」。生活習慣病が社会問題として取り上げられていますが、カロリーの取りすぎが原因です。身体に良い食生活をすればエネルギーは減ることになります。
他にも「洋服ではなく着物の利点」、「長屋の生活の利点」など江戸時代の生活から多くのヒントをいただきました。
「21世紀の現在、1970年代の2倍のエネルギーを消費していますが、豊かさも2倍になっているのでしょうか?1970年代の生活は不便だったのでしょうか?」。この問いに対して、一人一人が自分の生活を振り返り、考え、答えを出すことが重要だと、石川氏は締めくくられました。
0キロカロリーの江戸時代に戻ることは不可能だとしても、5万キロカロリーの1970年代に少し近づくことは、可能ではないでしょうか。
参加者からは、「自分の生活を改めて見直すきっかけとなった」、「本当の意味での“リサイクル”をわかり易くお話いただいた」、「無駄を無くすことをキーワードにライフスタイルを見直したい」等の感想が寄せられました。
“ライフスタイル”サロン2007(特別講演)
『遊びをせんとや生まれけむ』



- 日時:
- 2008年1月9日(水)
- スピーカー:
- ゲスト:福原 義春氏(株式会社資生堂 名誉会長 / 『ぼくの複線人生』著者)
モデレーター:竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長 / 慶應義塾大学教授)
2007年3月に『ぼくの複線人生』(岩波書店)を出版された福原義春氏(株式会社資生堂 名誉会長)をお招きして、「“ライフスタイル”サロン 特別講演」を開催しました。
サロンの前半は、福原氏のご講演。
福原氏は、1991年にベストドレッサー賞を受賞されましたが、「ファッションのスタイル」に対してというよりも、「生き方そのものがベストドレッサー」ということが、受賞理由だったそうです。その福原氏の生き方を、故石津謙介氏は“ハイフニスト”と表現されました。つまり、「経営者・サラリーマン」−「園芸家」−「写真家」のように、強力な“−”(ハイフン)を自分のなかに持つ生き方です。その生き方を福原氏ご自身は“複線人生”と表現されます。
そもそも、人間は同時に複数のことを達成できる能力を兼ね備えており、それによって価値観を線から面へ広げることができ、そうすることによりアナロジーを構築する力が養われます。つまり、“複線人生”を歩むことにより、人生のスランプや転換期を乗り越えられる力(経験)を蓄えることができるのです。福原氏も1987年に(株)資生堂の社長になったときに、「社長の重責をはたすのは大変だ!と思いつつ、そこには社長という仕事があるだけで、様々な仕事を並行してやりとげてきた今までの経験が必ず役立つはずだ」という考え方で取り組まれたそうです。
また、“複線人生”を生き“ハイフニスト”になるためには、仕事でも遊びでもクリエイティブなことにエネルギーを費やし、感性や創造性を磨くことだと、福原氏はお話されます。その結果、仕事も遊びの線引きが無くなり、正に「遊びをせんとや生まれけむ」へつながります。つまり「生きることは学び続けること」であり、普遍的なアナロジーの探求への道のりとなります。
ご講演の最後に、21世紀を生きる我々へのメッセージとして福原氏は、「見えないものを見る」こと、そして「100mをいかに早く走るかよりも、いかに美しく走るか」が重要と、締めくくられました。
サロンの後半に行われた、福原氏と竹中平蔵アカデミーヒルズ理事長との対談や、参加者からの質問のなかでは、
- 多くの人が自分自身を高めたいと願っているが、それを突詰めると“努力することを続ける力があるか”という点に終結する。その努力を続ける力の源は“成功体験”。何かをやり続けたことにより人に誉められ、結果を残すことができたという経験が大切。言い換えるならば、エンカレッジメントがキーワードになる。(残念ながら、今の日本はディスカレッジなことが多い!)
- 人に影響を与えようとする人よりも、人から影響を受けようとする人が、最終的にリーダーとなっている。他から受けた影響を自分で咀嚼・編集する力こそが“人間力”となる。
など、貴重なお話をお聞きすることができました。
サロンの締めくくりとして、竹中理事長より「本日の福原氏のメッセージは、21世紀を生きる我々への問題提起であった。この課題へ我々一人一人がどのように取り組んでいくかは、我々一人一人がしっかりと考える必要があり、正にクリエイティブな取り組みである」と、参加者へメッセージをおくった。
※テーマの「遊びをせんとや生まれけむ」は、梁塵秘抄の冒頭の引用です。
“ライフスタイル”サロン2007(第2回)
『二十世紀とは何か、そこに生きた自分とは何か』



- 日時:
- 2007年11月15日(木)
- スピーカー:
- ゲスト:海野 弘氏(評論家 / 『二十世紀』著者)
モデレーター:竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長 / 慶應義塾大学教授)
第2回「“ライフスタイル”サロン2007」を、2007年11月15日に開催しました。ゲストは『二十世紀』(文藝春秋 2007/5)の著者・海野弘氏。100名以上の六本木ライブラリーの会員が参加し、“二十世紀”とはどんな時代だったのかについて、改めて振り返りました。
最初に、ゲストの海野弘氏に著書『二十世紀』について語っていただきました。
「『二十世紀とは、こんなに面白い世紀だったのだよ!』というメッセージを次の時代に伝えたい、また同時に“我々はどこから来て、どこへ行こうとしているのか”を、知りたいという欲望から、『二十世紀』を執筆した。」
そして、「“時代は30年周期で回転するのではないか”と感じている。1890年代・1920年代・1950年代・1980年代は文化的に華やかな時代、そして次の10年は厳しい時代、最後の10年は次の華やかな時代へと繋がっていく、という30年周期。その周期全体の中で人間は生きてきたのだから、二十世紀を時代やジャンルで分けるのではなく、丸ごと書きたいと思い、10年(デケイド)に分けて二十世紀の100年を振り返った。」と、著書について想いをお話いただきました。
具体的に二十世紀の大きな流れとして、
- 二十世紀の前半のキーワードは「専門化・純粋化」。1つの象徴がモダニズム。常に新しいものを求め、美術・文学・演劇など純粋化していく。例えば折衷的なオペラは時代遅れとされた。
- しかし1950年頃、「専門化・純粋化」の結果、各々がバラバラで行き詰まり、その反動で枠を壊して折衷・混合化する流れが出てきた。つまりポストモダン。ジャンル・領域を超えた結びつきができた。
- そして世紀末、「フラット化」がキーワードになる。グローバリゼーションは世界を縮小化していく過程で、世界はパソコンのスクリーンや携帯電話の小さな画面にまで集約されている。このフラット化は社会・文化のあらゆる面で見ることができる。世界はフラットになり奥行き、前後左右もなく、今見えているものが全てになっている。しかしこれもずっと続くかどうかわからない。
海野氏のご講演の後、竹中平蔵アカデミーヒルズ理事長がモデレーターをつとめ、二十世紀をデケイド(10年)ごとに振り返りました。
その振り返りの中で、海野氏は“人生”について、
「人生の中でも活動のピークは30年ぐらい(例えば30才〜60才)と考えられる。時代の30年周期と重なる。」
「人生は“山登り”に例えられる。登っているときには、空のリュックを背負ってすれ違う様々な人から知識をもらいリュックに詰める。そして頂上に達し、重いリュックを背負い下るときには、すれ違う様々な人に知識を渡し、下りきったときにリュックは空になる。」
海野氏の著書は100冊を超えますが、その集大成として『二十世紀』を執筆されました。
最後に、「二十世紀をたどり直すことは、わくわくするような楽しい仕事だった。私はあらためて、マルセル・プルーストが<失われた時>をあれほどとりもどそうとした情熱がわかるような気がした。」と、『二十世紀』の「あとがき」を、竹中理事長が朗読して、サロンを締めくくりました。
“ライフスタイル”サロン2007 『国を支えて国を頼らず』



- 日時:
- 2007年9月13日
- スピーカー:
- ゲスト:北 康利氏(『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』著者)
モデレーター:竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長 / 慶應義塾大学教授)
“人生をより豊かにする教養とは何か”を求める「“ライフスタイル”サロン2007」がスタートしました。
第1回サロンは、2007年9月13日(木)に約100名の六本木ライブラリーのメンバーを対象に開催されました。
テーマは「独立自尊の精神」。『国を支えて国を頼らず』著者、北康利氏をゲストにお招きし、モデレーターは竹中平蔵アカデミーヒルズ理事長が務め、会場のメンバーも積極的に議論へ参加し、熱気に満ちたサロンとなりました。
まず最初に北康利氏の講演。福沢諭吉の生き様について語っていただきました。
- 「福沢山脈」と語られほどの人脈作りを積極的に行ったこと。例えば交詢社は1880年に「知識を交換し、世務を諮詢する」をスローガンに設立され、人脈作りのためのリアルな場として非常に有効だった。今のように携帯電話やメールだけでは本当の人脈は作れない。
- 『学問のすすめ』は、学問を勧めるために書かれた書籍ではなく、「国民がバカだから、国は良くならないのだ!」と国民を叱咤激励、あるいは罵倒している本であり、福沢諭吉は「ショック療法をしてでも、国民を目覚めさせなければ日本が植民地になってしまう」という危機感を持っていた。今の日本も正に、一度気合を入れるべき時期にきているのではないか。
- 福沢諭吉は「民の中の公」という考えを大切にしたこと。官僚は国の立場でしかものを言えないが、本当に尊いことは「民でありながら国のことを考えること」、つまり「国を支えて国を頼らず」の精神である。「独立自尊」の精神(他に頼ることなく、自らの威厳を自らの力で守ること)が今ほど必要とされている時代はないのではないか。
北氏の熱意あふれる講演に、会場は熱気に満ちました。
その後、竹中平蔵アカデミーヒルズ理事長を中心に、会場のメンバーと北氏との交流が1時間ほど続きました。参加したメンバーからは、
- 大変意義深い時間を過ごすことができた。
- 「何かをしなくては!」というパワーをもらった。
- 自分にできる事から意識を変え、行動へ移したい。
- 今我々が何をしなければならないのかが見えてきた。
- 従来のセミナーとは違った進め方で楽しかった。
などの感想が寄せられ、大変満足だったようです。
今後、「“ライフスタイル”サロン2007」は2ヶ月ごとに開催予定です。第2回以降のサロンもご期待ください。








