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ライブラリアンの書評    2016年1月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?

『小笠原流 美しい大人のふるまい』小笠原清基【著】

自分自身も心地よく、誰が見ても美しい、そんなふるまいを身につけたいと思いませんか。

例えば街中で、凛とし颯爽と清々しい、そんな人を見かけることがあります。その人もきっと何かしら、日々の積み重ねがあってこそ、自然とその居姿になっていったはず。

せわしない世の中だからといって、自分もせわしなくすることはありません。こんな時代だからこそ、自身の所作動作に意識を向け、自然なふるまい、心の余裕を身につけたいものです。


今回ご紹介するのは、2014年7月のライブラリーイベント「武士の礼法を活かした、疲れない身体の作り方」にご登壇いただいた、小笠原流次期宗家・小笠原清基さんの新刊です。
前著『疲れない身体の作り方』は、ライブラリーでもとてもよく読まれた人気の一冊でした。今回は、小笠原流が伝承する「礼法」にフォーカスした一冊です。

小笠原流礼法とは、鎌倉時代から江戸時代に至る武士の礼法で、弓術・馬術と結びついたもの。古来より引き継がれるその「礼法」を、小笠原さん自ら丁寧に解説します。

みなさんは「礼法」について、どのような思いをお持ちでしょうか。伝統的な礼儀作法というと「なんだか難しそう!」という声も聞こえてきそうですが、実のところ、小笠原流礼法とは、理にかない、ムダがなく、自然により近いふるまいなのです。

その考えの基本にあるのが、「型」ではなく、心のこもった「形」である、ということ。「形」とは、
・ムダがなく、能率的
・合理的かつ、科学的裏付けがある
・その動きが「美」として映る
ということだそうです。

なぜそのようにふるまうのか、には必ず理由があります。中身の伴わない「型」ではなく、その理由を理解した上での「形」が大切、とします。

もちろんそれは急に身につくものではなく、本書にあるひとつひとつの所作を心に留め置き、実践し反芻し、徐々に身につけていくもの。

例えば普段私たちが当たり前のように行う「歩く」「立つ」「座る」といった動作も、きちんと意識を向けることで、今まで気付かなかった新たな発見があるかもしれません。

その人となり、気と心の構えは、たたずまいから自然とにじみ出てくるものです。自身も心地よく、誰が見ても美しい、そんなふるまいを身につけることを、今年の目標のひとつにいかがですか?
(ライブラリアン:結縄 久俊)


小笠原流 美しい大人のふるまい—相手に一目置かれる「武家の作法」

小笠原清基
日本実業出版社

疲れない身体の作り方:実用的、効率的かつ美しい和の身体作法

小笠原清基
アスペクト


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