書籍

エントランスショーケース

過去の展示(2008年)

「陸域技術観測衛星“だいち”がみた地球 〜700q彼方からの画像〜」

<開催期間>
2008年8月4日〜9月3日(予定)

陸域技術観測衛星「だいち」(Advanced Land Observing Satellite、略称 ALOS)が見つめるのは地球の表情。高度700キロの彼方から、世界各地の大地を眺めると、その美しさに驚きます。

その地球の様子が、どうもおかしいと感じることが多くなってきています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によれば、二酸化炭素(CO2)などの 温室効果ガスは、1970年から2004年の間に世界全体で約70%も増加しました。過去100年で(1906年〜2005年)世界の平均気温は0.74℃上昇しています。地球の温暖化が進むと、例えば海面の水位が2100年には、26〜59p上がるとの予測もあります。「だいち」の画像は、「湖沼の増殖が加速する温暖化」や「北極・南極大陸をはじめとする氷原の減少の様子」、「地球の酸素を生み出す貴重な森林の伐採」、「噴火・地震・サイクロンなどの自然災害による被害」など、刻々と観測し私たちに状況を教えてくれています。

温暖化・気候変動問題を止めるためには、二酸化炭素排出量の削減、エネルギー効率の向上、環境技術の普及や環境を守るための新しい技術の開発などとともに、わたしたち一人ひとりが毎日の生活を見直し、CO2を削減する努力がとても重要です。今回の展示が、私たち一人一人にできることを考え、行動につなげるきっかけになれば幸いです。

今回の展示でご紹介している、(有)ジャパンスタイルシステムの時計や風呂敷、(株)プーゼフルールのポストカードも、「だいち」の観測画像を利用した新たな商品化の事例です。

ジョルジュ・バルビエ展〜よみがえるイメージ〜

<開催期間>
2008年6月24日〜7月下旬

年を重ねると生きてきた時間の長さに比例するようにさまざまなことを覚えています。それらは、何時・誰が・どうしたという文章論理形式ではなく、身体的経験のイメージとして残されることが多いものです。
最近、街で見かけるコスチュームのさりげないひだ飾り・レース飾りから、子どもの頃に読んだ絵本や読み物の挿絵にあった洋風の洒落たトーンを、突然思い出しました。
その記憶は日本では、高畠華宵や竹久夢二や小林かいちなどの挿絵のイメージなのですが、もともとの様式は、百年ほど前に世界的に流行ったアール・デコのイメージでした。

展示では、アールデコを代表するフランスのイラストレーターであるジョルジュ・バルビエ(1882-1932)の『ひだ飾りとレース飾り』(FALBALAS ET FANFRELUCHES,1922-26)をご紹介しています。『ひだ飾りとレース飾り』は、1922年から1926年にかけて、それぞれ12枚ずつ計60枚配布されたファッションカレンダーのイラスト(ポショアール画)です。
内容は、バルビエが国も時代も異なる様々なシチュエーションとモードを全て自らイメージし、彼独特のテーマで描き出しており、その大胆な構図と鮮烈な色彩は当時の人びとの目を奪いました。
いまでもバルビエの織りなすロココ趣味、ジャポニズム、シノワリズムの魔術的な融合に懐かしさと新鮮さを感じざるを得ません。
今回の展示をお楽しみ頂き、いつか懐かしく思い出して頂ければ幸いです。(企画・監修:六本木ライブラリー 澁川 雅俊フェロー)

  • ※ 展示したイラストは、雄松堂書店にご協力いただきました。

『地図で見る江戸・東京』地図展

<開催期間>
2008年5月12日〜6月23日

日本国際地図学会のご協力により、「地図でみる江戸・東京」地図展を開催しております。展示は、江戸、明治、大正、昭和、平成へと、「江戸」から「東京」へ時代を追って街の変化がわかるように構成されています。市街地の広がりや海岸線の変化など、比較してみることで、戦後驚異的な発展を続けた世界都市「東京,TOKYO」の様子が見て取れます。

正確無比な官製地図だけではなく、作り手の主観や文化観から描かれた「レトリックな表現手法」による地図も多く展示されています。それらの地図からは、「文字・言語」の情報とは異なる豊かな空間情報、「江戸・東京」の素顔が伝わってきます。

今回の展示を通して、時代を超えた地図表現の豊かさや新鮮さをご覧頂ければ幸いです。

また、ライブラリーカフェから見える、変化し続ける東京のパノラマもあわせてお楽しみください。

アレクサンドリアライブラリー 〜‘知の集積’にかける2000年の希求〜

<開催期間>
2008年4月8日〜5月11日

人類の文化遺産を集積、収蔵する「アーカイヴ」(Archive)という言葉は、「倉」を意味するラテン語に由来し、その原型は古代図書館に求めることができます。古代図書館のなかで、現在の図書館の原型とされる施設がプトレマイオス朝エジプトの国都、古代アレクサンドリアに設営された「ムセイオン」が、アレクサンドリアライブラリーです。

古代において領土領地の拡大はその中心都市に物資を集積させますが、それだけではなく宗教や生活習慣など文化的な要素もまたそこに集まってきます。紀元前4世紀のアレクサンドリアはアレクサンダー大王が築いた帝国の領域を超え、世界の結び目と呼ばれ、政治的な側面はもとより学術・文化の中心ともなり、世界中から学者・研究者・文人たちが集まり、後にヘレニズムと呼ばれる東西文化の融合を果たしました。

そのライブラリーは、私たちのいまの図書館の概念を遙かに超えています。収集されたモノは世界の動植物をも含み、各国各地方・地域の公文書や富裕な人物や家の私文書まで、およそ書かれたモノはすべてが収集の対象にされました。その書物の収集法もまた、人を派遣し万金を費して世界中から買い集めるという正攻法はもとより、アレクサンドリアに入港した船の積荷の中から書物はすべて没収し、それらの写本を作成して原本は図書館に、写本は元の持ち主のもとに戻すなどという窃盗まがいのやり方までして、蔵書を充実させています。戦利品として書物は、財宝と同様に珍重されたことはいうまでもありません。
そうした書物収集法は当時の為政者の「知は力なり」の信念に基づいたものであったと推測できます。かくして形成された蔵書に、蜂が蜜に寄せられるように世界中から学者・研究者が参集しました。数学者のアルキメデスやエウクレイデスしかり、天文学者エラトステネスや地理学者のプトレマイオスなどもまたしかりです。

アレクサンドリアライブラリーはその後数世紀にわたって繁栄しましたが、紀元後シーザーのエジプト遠征の戦火やその後のキリスト教暴徒の焼き討ちに遭って、5世紀には完全に消滅してしまいました。しかし知の集積に掛ける人びとの想いは、その後さまざまな形で現れ、現在の図書館の世界を形成しました。

コンピュータとネットワークを駆使する新しい情報技術時代に突入した後も‘世界の一つの図書館’への帰巣本能は薄れてはいません。たとえば1998年わが国の大学研究者たちのある団体は、デジタル・アーカイヴの手法を講じて、ネットワークの世界でアレクサンドリアライブラリーを現代に蘇らせる「デジタル・アレクサンドリア」構想を打ち上げました。この種の構想はその後も規模の大小を問わずさまざまな分野で提唱され、また試みられてきましたが、Google Book Search(ブック検索)によっていま実装の一つの形が現れました。またかつてそのライブラリーがあったとされる現在のアレクサンドリアにユネスコとエジプト政府は2001年に図書館を内包した巨大な文化センターも建設されています。古代から現代まで、人間はなぜ記録し、記憶の外在化を行うのでしょうか。今回の展示が、現代のデジタル・アーカイヴに至る歴史を展望する機会となれば幸いです。

  • ※今回の展示にちなみ、4月21日のライブラリートークでは「デジタル・アーカイヴの未来像」について、札幌市立大学の武邑 光裕教授をお招きしてお話を伺います。
  • ※今回の展示では、株式会社大林組のご協力により最新コンピュータ・グラフィックで再現された古代アレクサンドリアライブラリーデータ(季刊大林より転載)を、雄松堂書店よりパピルス書物の断簡と粘土板本をお借りして展示しております。

「郵便サービスの原点と郵便メディア活用の最先端」

<開催期間>
2008年3月5日〜4月7日予定

今回のエントランスショーケースの展示は、郵便サービスの原点である明治時代の郵政事業の様子と、郵便を広告メディアとして活用した最新の事例が集う「第22回全日本DM大賞」の作品を、郵便事業株式会社よりご紹介頂いています。
明治時代の郵便事業の様子は、当時アメリカで開かれる博覧会に出品するために描かれた「郵便現業取扱絵図(郵便取扱の図)」および「郵便現業絵巻」から抜粋したもので、創業期の郵便窓口の様子や、郵便馬車、郵便物の区分作業など当時の様子が伝わってきます。

全日本DM大賞」は、企業から実際に差し出されたダイレクトメール(以下、DM)作品を全国から募り、審査・表彰するコンテストです。広告メディアとしてのDMの役割・効果を紹介し、またDMの企画・表現技術の向上に資することを目的として1987年より毎年開催され、今年で22回目を迎えています。
ショーケースには、「第22回全日本DM大賞」に応募された作品・受賞作品を期間中入れ替えながら多数ご紹介します。入賞作品は、企業のマーケティング活動を効果的に行うために戦略的に制作され、かつ優れた結果を残した最先端のDM事例ばかりです。

入賞作品は、3月12日(水)から14日(金)に予定されている「ダイレクトマーケティングフォーラム2008」の開催に合わせて発表されます。同フォーラム開催期間中は、「アカデミーヒルズ ライブラリーカフェ」の一画に、受賞作品を解説・紹介する展示ブースを開設いたしますので、是非こちらもあわせてご覧下さい。

「童話の中の宝石コレクション」
〜宝石と仲良くなるため、童話を読むという不思議〜

優れた作家は、チャネラーのように宝石の本当に伝えたいことばを、文章に紡ぐそう。宝石の素晴らしさを様々な視点から伝えられている岩田裕子氏(エッセイスト/コミュニティメンバー)によりすくいだされた童話の一文を読むと、その童話の主人公やキャラクターを通して、今まで気がつかなかった宝石の魅力を深く感じることができます。

美しい印刷で再現されたゴージャスな宝石写真集(協力:柏書店松原株式会社)と「赤毛のアン」「ムーミン」「宮沢賢治」などの慣れ親しんだ童話が媒介となり、宝石の隠された魅力がいきなり全貌を現すようです。

岩田氏は、「宝石は、高価さから、贅沢や虚栄の象徴とみられがちです。そんな一面もあるかもしれません。でも知れば知るほど、それだけではないことに気づきます。地の底、海の中の暗闇で耐えた天文学的な時間。孤独に耐えた類まれな勁さが、見る人の五臓六腑に染み入るような、特別なオーラをまとわせるのだと。
優れた作家は、彼らの卓越した表現力に磨かれて、お話に登場する宝石の数々は、宇宙に浮かぶ惑星たちほど、魅力的な存在なのです。」と言います。
岩田氏の数々の宝石に関する著書やエッセイとともに、宝石の魅力をどうぞご堪能ください。

  • ※今回の展示「童話の中の宝石コレクション」は、アローケースH.P. 「童話の中の宝石たち」で、12回に渡り(平成17年 9月〜18年8月)連載されたエッセイの一部もまとめたものです。現在も、バックナンバーとして公開されています。
ご協力

1908年(明治41年)〜百年前の世界と日本〜

海野 弘『二十世紀』文藝春秋社 2007年

橋本 治『二十世紀』毎日新聞社 2001年

<開催期間>
2008年1月7日〜2月7日

「1908年」、その年は日露戦争終結後3年、日本はようやく落ち着きをとりもどした年であった。
近刊『二十世紀』(文藝春秋社07年刊)の著者海野弘は、1900年代の最初の10年を「春のまどろみ」と表し、いままさに激動の世界への目覚めの時期ととらえている。一方1900年代を1年ずつ回顧した同名の著書(毎日新聞社01年刊)で、著者橋本治は1908年を女性解放元年としている。
いま生きている人びとにとって百年前の捉え方は、おそらく世代によって異なるであろう。高齢者にとってそれは生まれる前のことではあっても、両親や祖父母が生きた時期であり、問わず語りに当時のことを聞かされ、身近な感じであろう。しかし若い世代には、遠い過去のことで、わが身とのかかわりは希薄であると考えるだろう。しかしその人たちにとってもそれは、平安時代や鎌倉時代に対する疎遠とは異なる時代感覚で捉えられるのではないだろうか。

  • ※今回の展示では味の素株式会社より、1908年当時の味の素写真や特許証写真をお借りし展示しています。

◆1908年の技術革新

味の素株式会社 『味をたがやす〜味の素八十年史』

昆布の旨味成分がグルタミン酸であることを発見した菊苗は、1908年その製法の特許を取得し、味の素社の前身である鈴木製薬所から味の素を発売した。

鈴木正吾
クラシックカー入門
三樹書房 2007年

2007年 自動車メーカーのフォード社は1908年T型フォードの生産を開始した。

◆1908年の創作〜幸せをもとめて〜

M.Maeterlinck〔メーテルリンク〕.
『The Blue Bird.〔青い鳥〕』
Methuen, London. 1911

ルーシー・M・モンゴメリ
赤毛のアン
西村書店 2006年

◆1908年に誕生した人の書物

J.K.ガルブレイス
わが人生を語る
日本経済新聞社 2004年

ブルーノ・ムナーリ
モノからモノが生まれる
みすず書房 2007年

トリル・モイ
ボーヴォワール
平凡社 2003年

フランツ・エンドラー
カラヤンとウィーン国立歌劇場
カール・ミヒャエル・フリットフム解説、浅野洋訳
アルファベータ 2006年

サルヴァドール・ダリ
異説・近代藝術論
瀧口修造訳
紀伊國屋書店 2006年

チャールズ・ヴィクトリア
ダリ』(美の20世紀 12)
籾山昌夫訳
二玄社 2007年

木田元
メルロ=ポンティの思想
岩波書店 2003年

東山魁夷
白の風景
求龍堂 2007年

◆1908年出版〜その後の科学・思想・学術に影響を与えた書物

ポアンカレ
科学と方法
吉田洋一訳
岩波書店 1953年

シュムペーター
理論経済学の本質と主要内容(上)
大野忠男ほか訳
岩波書店 1983〜84年

シュムペーター
理論経済学の本質と主要内容(下)
大野忠男ほか訳
岩波書店 1983〜84年

ソレル
暴力論(上)
木下半治訳
岩波書店 1965〜66年

ソレル
暴力論(下)
木下半治訳
岩波書店 1965〜66年

ジンメル
社会学の根本問題 個人と社会
清水幾太郎訳
1979年

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