書籍

エントランスショーケース

過去の展示(2006年)

「ファクシミリ書物」〜本物を世に広める偽モノ〜」


チョーサー カンタベリー物語


グーテンベルグ聖書


ベリー公の麗しき時祷書

「複製品」、「模造品」、「模型(レプリカ)」などの語彙は、類語辞典では[真実でない、事実でない、偽物]などの意味に分類されています。それらのものは、本物ではなく、それと寸分違わず写すかのように他人が作ったものですが、偽金や知的財産の侵害を起こすような「偽造品」、「贋物品」、「紛い物」とは一線を画しているモノと考えられます。一方は本物を汚し、もう一方は本物の価値を高めます。

書物の世界にもその両方のモノが存在します。〈海賊版〉などは本物を汚すものとして、蔑まれていますが、〈再販・再刷〉、〈リプリント〉、〈ファクシミリ版(複製版・覆製版)〉などは、本物の価値を高め、そして広めます。
なかでもファクシミリ版は、本物がこの世に1つしか存在しないとか、極少数の部数しか残存しておらず歴史・文化的遺産として評価の高い場合に、よく作られます。本物はその稀覯性ゆえに、しばしば奥深く格納されており、実物を手にとって見る機会はありません。ファクシミリ版によって、その存在を世に知らしめているのです。
今回のエントランスショーケース展示では、世界の印刷文化の嚆矢をなした「グーテンベルク四十二行聖書」や、わが国最初の印刷物とされる「百万塔陀羅尼経」のレプリカおよびファクシミリ経文、「ショパンの楽譜」などを展示しました

  • ※展示したファクシミリやレプリカは、雄松堂書店にお借りしました。

世界に羽ばたく日本の絵本作家〜ボローニャ国際絵本原画コンクール〜」

1967年からイタリア北部のエミリア・ロマーノ州の州都・ボローニャで毎年開催されている「ボローニャ児童図書展」併催の国際絵本原画コンクール入選作品の絵本を、エントランス・ショーケースにて展示しています。 ボローニャ国際絵本原画コンクールは、子どもの本のイラストレーションにおける表現の可能性を切り開くことを目的としています。無名の新人から既に活躍している作家まで、公平に審査されることから、新人イラストレーターの登竜門として、また、児童図書の最新動向を知ることのできる機会として注目され、国際アンデルセン賞に準じる絵本の国際コンクールとなっています。

2006年は世界59カ国、2544人の応募作品から、16カ国92人の作品が選ばれました。近年、日本人の活躍は目覚しく、今年は過去最多の27人もの入選者が誕生しています。

今回の展示で紹介する三浦太郎さんの入選作品は、日本はもとより、フランス・イタリア・スペイン・スイス・アメリカでも出版され、世界の子どもたちに楽しまれています。

伝統的な技法に若々しい発想、オリジナリティーに溢れる作品やエキゾチシズムで文化的背景を感じる作品など多数。11月末日まで展示の予定です。ぜひお楽しみください。

「詩と詩画集」

文字が創られる前にも「ことば」はありました。人は森羅万象に関する自分の理解や感情を伝えるために、ことばを選び、ひねり、磨き、記憶しやすいように韻を踏んで語りました。そして「詩歌」は生まれ、多くの人びとに親しまれてきました。

現在「詩」は、書物の世界ではマイナーです。しかし、「詩」は時として我々の心を癒し、魂を揺さぶり、心身を浄化し、奮い立たせてくれます。最近、詩人と絵本作家、詩人とイラストレーターのコラボレーションによって創り出される詩画集も注目されています。

厳しい夏の暑さが過ぎ「身にしみてひたぶるにうらがなし」と感じるとき、普段の書物を脇に置いて、詩画集を手にしてみてはいかがでしょうか。今回展示しているものは、すべて六本木ライブラリー所蔵の詩と詩画集です。9月末日までの展示予定です。

「ポップ・アップ&フリップ・フラップ:仕掛け絵本の世界」

私たちがCGによるヴァーチャルリアリティを驚きの眼で見つめた頃よりはるか以前に、紙面に描かれた挿絵や図形を3Dで見ることができる「仕掛け絵本」がありました。
「絵の中の木陰に隠れている蟲やけものたちを覗いてみたい」、「それらの生き物を動かしてみたい」、「地底や海底を覗いてみたい」、「あるいは描かれた人形の着せ替えができたらなぁ」等々の願いが、趣向を凝らした『飛び出す(ポップ・アップ)絵本』や『動く(フリップ・フラップ)絵本』を創り出したのです。

図像の立体化、動作、変化を基本にして、ペーパークラフトの技術にいろいろな工夫が加えられ、今様々なヴァージョンの「仕掛け絵本」が創られています。
その中で、今回アカデミーヒルズのエントランス・ショーケースでは、19世紀ポップアップ・ブックスの巨匠メッゲンドルファーの代表作『シティ・パーク』、『人形の家』、『国際サーカス』、『トリック』など総数およそ60点が、7月5日から8月31日まで展示されます。(7月と8月に30点程度入れ替え予定)

絵本といえば子ども向けという考えが定着していまが、現実と非現実の境が定かでない子ども達が見るよりも、ファンタジックな幻想を忘れてしまったおとな達のほうがかえってそのおもしろさ、愉しさがよくわかるのではないでしょうか。仕掛け絵本の種類と幅の広さ、そして見事な紙わざを、ぜひご覧下さい。
今回展示の仕掛け絵本は、武蔵野美術大学美術資料図書館およびバンビぶんこから多数お借りしています。

「アンデルセン生誕201年」

2006年4月5日は、1805年4月5日に生まれたアンデルセンの生誕の201年記念日でした。彼は17歳からおよそ150篇余りの作品を世に出しています。現在書店では、約500種類の様々なヴァージョン、メディアの作品が入手可能とか。日本で彼の本が最初に紹介されたのは『はだかの王様』の1888 年といわれていまから、私たち日本人は120年にもわたって多くの作品に親しんできたことになります。

順調ではなかったそのスタートを描く伝記や評伝、様々な画家による絵本、現代日本イラストレータによる大人向きの絵本や全集など、アンデルセンのいろいろな姿を表す本を集めました。どうぞご覧になって下さい。

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