六本木ヒルズライブラリー
書 籍
ライブラリアンの書評 2018年12月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
新しく勤務してもらうことになった20歳のアルバイトさんに、ライブラリーのWebページを見てもらい、何か感じることがあったら教えてもらえないかな、とお願いしました。しばらくすると「動画がないんですね」という返答がありました。続けて、「動画がないって珍しいですね」と。
「珍しい」とはつまり、彼が日頃見ているサイトは動画があるのが当たり前で、無いことが珍しかった、ということになるでしょうか。あくまで彼ひとりに聞き、彼自身の感想なのですが、「動画が無いのは珍しい」という視点は発見でした。
今回紹介する本書は、「動画」の時代が本格的にやってくることを説く一冊。TVや映画で映像を観ることはもちろんですが、今はスマホで細切れな動画を観る時代になっています。電車の車内広告も映像化が著しく、街を歩けばデジタルサイネージの数が増えたことに気付きます。2年前に紹介した『<インターネット>の次に来るもの』で説かれていた「screening」=「生活はあらゆるスクリーンに囲まれつつある」という時代は、確実にやってきているようです。
人の自然として、視線は動いているものに目がいきます。Webサイトを開いて動画が流れれば、好む好まざるにかかわらず目が奪われ、それが個々人に最適化された商品広告であったりします。思えばそんな機会が増えていることに、気づかないうちになっています。
例えば「Tik Tok」のような動画プラットフォームで、細切れな動画に日々触れている10代の子供たち。彼ら彼女たちが量産する動画の感性はとても新しく面白いものです。そして「動画がないって珍しいですね」と言ったアルバイトさんの感性は、これからの時代の感性です。
ネット、スマホはあっという間に世界を席巻しました。同様に、動画的なものが世間に浸透する速度は、以前にも増して速いのかもしれません。
ではどうしましょう?まずは手にしているスマホで動画を撮影して編集し、できうるならば配信をしてみましょうか。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
動画2.0—VISUAL STORY‐TELLING
明石ガクト幻冬舎
注目の記事
-
01月18日 (木) 更新
【重要】「アカデミーヒルズ」閉館のお知らせ
「アカデミーヒルズ」は、2024年6月30日をもって閉館させていただくこととなりました。これまでのご利用ありがとうございました。閉館までの間....
-
11月21日 (火) 更新
六本木アートカレッジ
2022-2023年の六本木アートカレッジ <未来を拡張するゲームチェンジャー>」では、新しい価値を生み出す5名のゲストを招き、トークイベン....
<未来を拡張するゲームチェンジャー>イベントレポート
-
11月21日 (火) 更新
動的書房 ~生物学者・福岡伸一の書棚
目利きの読み手でもある生物学者の福岡伸一が、六本木ヒルズライブラリーのために、特別に選んだ“これだけは読んでおきたい本”“ いま読むべき本”....
現在募集中のイベント
-
開催日 : 04月09日 (火) 12:00~12:45 / 04月09日 (火) 19:00~19:45
ゆる~くつながろう!メンバー雑談
テーマなし!年齢制限なし!ライブラリーメンバーなら誰でも参加できる雑談イベントです。肩の力を抜いて楽しく、そしてリラックスした45分を過ごし....
-
開催日 : 04月19日 (金) 19:00~20:30
地図・絵画・日記が語る
江戸時代は厳格な身分制社会の一方で、身分や職業を超えた文化交流の場が形成され、技術と文化の発展を促しました。その中で「浮世絵」は情報メディア....
江戸の「街づくり」「モノづくり」の遺伝子
-
開催日 : 05月02日 (木) 見学ツアー11:00〜12:00/オルガン・プレコンサート13:40~/コンサート14:00〜16:00頃
【メンバー対象イベント】日本フィル&サントリーホール
平日2時のクラシックコンサート「にじクラ~トークと笑顔と、音楽と」のリハーサルを体験しませんか?俳優・高橋克典さんがナビゲーターとなり、上質....
「にじクラ」リハーサル見学・ロビーツアー&昼公演鑑賞