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門前雑学日誌


第12回 アラン・ケイさんが来た!

 ご無沙汰しております。すっかり事務局長日誌もサボってしまって申し訳ありません。どうも9月11日の大事件以来、文章を書こうという気持ちになれない日々が続いて、、、なんて書くと笑われますかね。
とにかく、そうこうしているうちに第27期アーク都市塾が始まりました。
第1回の講義は、なんとあのアラン・ケイ氏が教壇に立ってくれました。この人をこのような形で迎えることができるのは、ひとしおの感慨があります。アーク都市塾が始まった1988年、この学校を情報と感性を融合させる学校にしようと最初に取り入れたのが、マッキントッシュを使って始めたハイパーメディアラボ(コース)でした。月尾嘉男先生にご指導いただき、中川昌彦先生に実技指導していただいてスタートしたコースですが、今では考えられないくらいの感動と苦労を味わいました。当時のマッキントッシュは高価な買物で、一台が120万円以上しました。Macintosh fxをなんとか4台購入して授業をスタートさせましたが、受講生が30名近くいましたから、ずいぶん環境の悪いスタートとなりました。これではどうにもならないと思い、アップルコンピュータ社になんとか助けを請いに伺いました。交渉の末、30台程の機材と周辺機材を無償貸与してもらう代わりに、日本で最初のマッキントッシュの学校をやる約束をさせていただきました。当時、この規模でマッキントッシュが揃っている学校はどこにもなく、アップル社の研修場所としても使われていました。当時このプロジェクトをサポートしてくださったアップル社の半田さんには、心から感謝しなければと思っています。その後、このマッキントッシュの学校が様々なヒューマンネットワークに繋がり、アーク都市塾の発展に寄与してきたと思っています。この場だけでは伝えきれませんが、マックエキスポが日本に来たのもこの最初の出会いがあったから、と申し上げてもよいでしょう。アーク都市塾「0」期生であるニッポン放送の西尾安裕氏はこの時期にマックにとりつかれ、ついに彼のマックへの情熱がこの大イベントを日本に招致し、定着させたと思っています。西尾氏は、その後この分野で大変活躍をされ、アーク都市塾の塾長賞を故・森泰吉郎氏(当時塾長)から授与させていただきました。また、現在の環境シュミレーションラボの活動も、このマックとの出会いから始まりました。このコンピュータを使って、建築とコンピュータの未来を考えようというグループが「環境シミュレーションシステム」を生むきっかけとなったのです。マックを愛する人たちとの出会いが、森ビルの情報インフラ「MII事業」にも繋がっていることもご紹介させていただきたいと思います。この話は、またの機会があれば詳述することもあるかもしれませんが、一見関係のない出会いが新しい流れを生み出してきたのです。つまり、アーク都市塾の創業期に月尾嘉男先生や森泰吉郎前塾長が蒔いたマルチメディア教育の種が、違った形で花を咲かせているのです。
最近、塾生の感想文に、「アーク都市塾で不動産の授業を受ける者に、アラン・ケイ氏やその他異分野の講義がなぜ必要なのか」と疑問を投げかけられている人がいましたが、狭い意味での都市や不動産に関わる視点だけでは、新しい地平線は見えてこないかもしれないことを考えていただければと思います。このように、アーク都市塾の歴史を振り返る時、アラン・ケイ氏をお迎えしたことは、とても大きな意味がある出来事だったと確信していますし、参加された皆様にとってもブルーの地平線(アラン・ケイ氏が言われるところのブレークスルー)が生まれていることを期待したいですね。皆さんと一緒に次の10年を楽しみにしましょう。

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