ネットで受発注できる
建設オープンマーケット『CMnet』
建設市場が変わる!

どんな改革にも道具とトリガー(引き金)がある。 現在進行中の産業構造改革の道具は、いうまでもなくインフォメーションテクノロジー(IT)であり、改革のトリガーは新しいビジネスモデルと市場の誕生だ。今まで「山の国」といわれてきた建設・不動産業も、新しい道具と市場によって「海の国」に向かって動き出した。そのトリガーのひとつが、間もなくインターネット上に開かれる建設オープンマーケットプレイス『CMnet』である。


 CMnetは建設・不動産業の誰もが参加できる企業間電子商取引市場。コンストラクションマネジメント(CM)の代行業者から施工会社や資材調達まで、ネット上で公開入札する仕組みだ。本格稼働すれば従来とは異なる新しい受注ルートが誕生する。
 これは、電子商取引市場の創造に燃えるソフトバンクグループと独自の発注ノウハウを持つ森ビルが共同開発を進めていたもの。2000年11月に、ソフトバンク・イーコマース(宮内謙社長)と森ビル(森稔社長)が共同出資して事業化を目指すことで正式合意、翌2001年2月には学識経験者を核に、参加企業211社による運用協議会(伊藤滋委員長)が正式発足した。実証実験を経て2001年7月の本格稼働を目指す。

 日本の建設市場の規模は約70兆円。GNPの15%を占め、60万社を超す企業を有する巨大市場だ。ピラミッドの頂点に立つスーパーゼネコンは、建設プロジェクトを丸ごと請け負い、傘下の企業を束ねて世界有数の技術水準を誇る建築を実現してきた。しかし、発注者の業者選定のプロセスやコストとプライスの中身が不透明だったことは否めない。それが閉鎖的で高コスト体質を生み出したといわれている。
 CMnetは建設市場に競争原理と透明性を導入し、発注者にベストリソースの組み合わせを提供する新しい市場であり、道具だ。従来の一括発注方式以外にも、発注者に代わってCM業者が工種別に専門業者に分離発注する欧米式の発注方法を導入、国際化や不動産証券化の流れにも対応していく。 透明な仕組みによる合理的な建設プロジェクトの推進を望む声は、海外投資家や不動産証券化に関わるプレイヤーや、建て替えや大規模修繕を控えたマンション管理組合などからも挙がっている。

 この試みが成功するかどうかは、多くの利用者に簡単かつ割安にベストリソースの組み合わせを提供できるかどうかで決まる。また、セキュリティの信頼性も重要なカギになる。現在、アカデミーヒルズに事務局を置く運用協議会ではこうした点を踏まえ、森ビルの提供したプロジェクトをモデルケースに実証実験を行っている。
 ネット上で容易かつ公平に受発注ができ、適切な価格で高い技術が提供されることが検証されれば、建設産業は社会のニーズに後押しされる形で「つくり手の論理」から「使い手の論理へ」と逆転・再編されていくだろう。