ファッションが創り出す無限の可能性
ファッションクリエイターズスクール35人の挑戦

9月28日の卒塾式の最後にファッションクリエイターズスクールの塾生によるファッションショーが開かれた。
この半年間に制作した服を自らがモデルとなって披露する、という手づくりの作品発表会である。


ファッションクリエイターズスクールに参加したのは、洋裁教室を主宰するベテランから、生まれて初めて服づくりに挑戦する学生まで、経験も年齢も国籍も異なる35人。服づくりのベテランにとっても自らがモデルとなるのはこれが初めて。
「緊張してお腹が痛くなってきたよ」
「えっ、私もそう……」
 ファッションショーの時間が迫るにつれ、緊張で最後の衣装合わせをする手が震え、顔がこわばる。
 小池先生がマイクを手にとったのを合図に、トップバッターの服部スヴェトラーナさんが登場。ロシアで皮革の研究をしていた彼女は、文化服装学院のオープンカレッジで小池先生を知り、初めて立体裁断に挑戦した。日本で驚いたのは「ボロ市で素敵な着物や帯が数千円で買えること」。「縫うことは苦手」だったが、布の風合いを生かすために手縫いにも挑戦した。
 スヴェトラーナさんに次いで、クリエイターの卵たちの作品が次々に披露されていく。グレーや紺の背広姿の会場に、華やかな色彩がきらきらとした細い流れをつくった。

このコースを指導するのは小池千枝先生と井川雅子先生。自作自演のファッションショーは半年間の講義の締めくくりであり、「服は着て初めて自分のものになるのよ」という小池先生からのメッセージである。
 小池先生といえば、高田賢三はじめ国際的なデザイナーを見出し、育てた人物。そのもとで勉強するというチャンスに、35人はそれぞれの形で応えた。
 ボディを使った実習に入ると、技術のある人が遅れがちな人を手伝ったり、素人の大胆な発想がベテランを仰天させるといった一幕も。

「そこにボディがある、あなたのデッサンがある、自分が持っているイメージがある。……それが服づくりのはじまりであり、すべてである」
 そんな自由な発想の立体裁断を通じて、クリエイターの卵たちはそれぞれに何かをつかんだようだ。
 ショーを終えると、仲間との再開を約束してそれぞれが自分の世界を探しに旅立っていった。