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■メガ・コンペティションと 日本の課題 米国型経営と比較して 米倉 誠一郎 一橋大学イノベーション研究センター長・教授 |
![]() 米倉 誠一郎 講義一覧▼ |
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さまざまな角度から新産業創造システムを考えるイノベーション企業戦略コースがスタートした。講師の米倉誠一郎氏はハーバード大学での経験をもとに「ここを異質な知識を交換して新しいものを生み出す場にしよう」と呼びかけ、第1回目から傍観者になることを許さない授業を展開。「僕たちはせっかくエキサイティングな時代を生きているのだから、皆が元気になるシステムを考えよう。人間だけが創造できるのだから」と熱く語る。
●大競争時代の日本問題 企業活動はメガ・コンペティションの時代に突入した。日本はこの競争に生き残れるのだろうか。 「日本は製造業が強いから大丈夫だ」と言う人がいるが、それは違う。GDPに占める製造業の割合は25%前後であり、製造業に頼っていては雇用を拡大することはできない。 また、日本は過去10年近く、企業の開業率が廃業率を上回るという深刻な状態にある。これに対し、米国は廃業率も開業率も高く、開業率が廃業率を上回る多産多死型。そして、米国トップ企業の中には創業10年以内の新企業が数多く名前を連ねている。 ●米国の企業経営の特徴 「株主重視のコーポレートガバナンス」という米国の経営が世界を席巻しつつある。 これは、GEに代表されるように高配当、高株価、安定志向を目指し、常にリエンジニアリングやリストラクチャリングを実行する経営である。非常に合理的・効率的な経営ではあるが、この中から新しいビジネスは生まれない。日本の大企業も米国型経営に移行し、新しいビジネス創造は期待できなくなる。 新たな雇用を創り出すためには新産業創造が欠かせない。米国でリストラを上回る雇用が発生したのは新産業創出のシステムがあったからだ。 たとえば、ソフトウエアの分野は技術も市場も目まぐるしく変化する。こうした市場に適応したシステムを彼らはもっている。つまり、顧客と共に動くシステム、企業間のネットワークシステム、そして「数を打つ」システムである。 ●「個衆」の時代を迎えて かつてフォードが「大衆」の概念をつくり、GMが「分衆」の概念をつくった。そして現代は「個衆」の時代である。個人の情報をつかみ、個人を大切にする企業が成功する。 マーケット・シェアから、いかにリピーターを増やすかに重点を置くカストマー・リテンションという発想が重要になる。 たとえば、セブン・イレブンは顧客情報を元にしたノウハウを売っている。通信販売のL.L.ビーンも顧客情報を徹底活用したサービスを実践している。その点、対照的なのが日本の金融機関だ。莫大な個人情報を持ちながら、顧客の心をつかむサービスを開発できなかったことは怠慢といわざるを得ない。 ●シリコンバレーモデル 目まぐるしく動く市場では「数を打つ」システムが不可欠である。エントリーリスクを下げ(パートナーとしてのベンチャーキャピタルの整備)、成功した時のリターン(上場益)を大きくすれば、挑戦者(ベンチャー企業)は増える。 加えて、失敗を許容する社会や、総合力からコア・コンペタンスに重点を置く発想が必要だ。これらを実現したのがシリコンバレーモデルである。こうしたシステムを持っていることこそ米国の強さの源泉であり、日本の課題である。 ●元気が出る社会へ 日本をもう一度活力に満ちた社会にするために4っのポイントを挙げたい。第1にモノでなく、情報や知識を創造し、世界に問題解決方法を売ること、第2は顧客、株主、従業員を豊かにするシステムの構築、第3は雇用の創造、第4にエンパワーメントが必要である。 経営情報スクール 第一回イノベーション企業戦略コース
テーマ/「メガ・コンベンションと日本の課題」 |
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