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■ゲーム業界の マルチメディア戦略 ゲーム機はどこへ向かうのか 山森 尚 株式会社徳間書店取締役/ インターメディア・カンパニー・プレジデント |
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ゲーム機は世界に対抗できる日本の技術である。日本のゲーム機世帯普及率は、約50%。パソコンとは異なる文化とファクターでつくられるゲーム機は、完璧さを求める日本人にはパソコンより受け入れられやすいという。そのゲーム機の世界にいま、大きな質的変化が起きようとしている。単なる娯楽機器としてのゲーム機がどう進化するのか。ゲーム業界はどう変わっていくのか。注目の業界の今年の動向予想を山森氏が語った。
●ソフトはビッグタイトルに集中 ここ2、3年のゲーム業界のソフト販売はビッグタイトルに集中するという傾向がある。 97年の主要ゲーム機用ソフトの総リリースタイトルは982タイトル、1タイトルの平均販売本数は5万4000本だったが、741タイトルは3万本以下の販売にとどまっている。98年は1146タイトルがリリースされ、1タイトルの平均販売本数は4万7000本だったが、うち909タイトルは販売本数3万本以下のソフトという状況で、「売れるものは売れる、売れないものは売れない」という傾向は年々強まっている。 また、リリース総数のわずか5%ほどのタイトルが販売本数で6割の売り上げを占めるという特殊な業界構造ができている。 ●ライトユーザー市場の登場 プレイステーションひとり勝ちの状況が近年のゲーム業界で目立っているが、その成功の秘密はソフトの流通システムの改革とプロモーションの見直しにあったと言われている。 メディアをROMからCD-ROMに変えることにより製造日数を大幅に短縮し、初回ロットのリスクを減らし、リピート型の流通にしたこと、問屋を経由した取引から小売店との直接取引に改め、強力な情報網とデータベースによる徹底した管理で在庫が出ないようにしたことが流通改革の内容だ。 またプロモーションでは1カ月当たり数億円の宣伝費を投入するというやり方で、ヘビーユーザー向けではなく、広い層に対してアピールし、ゲーム情報に接する機会を増やすことによって、ライトユーザー市場をつくり出した。その結果、これまでにはなかった新しいジャンルのソフトにヒットが多数生まれている。 ●今年の大きな潮流 今年は携帯ゲーム機の年と言われる。 現在、携帯ゲーム機にはネオジオポケットカラー(SNK)、ゲームボーイカラー(任天堂)、ワンダースワン(バンダイ)、ポケットステーション(ソニー・コンピュータエンタテインメント)などがあるが、ネオジオポケットカラーのドリームキャストとの連携や、ソフトへのソニー・コンピュータエンタテインメントの参入、セガサターン人気タイトルのゲームボーイへの移植の動きなど、複雑な連合がつくられつつある。 さらに大きな潮流は、ゲーム機本体、携帯ゲーム機、携帯電話の融合によってゲームのメディア化が進むことだ。通信機能がつくだろうといわれる次世代プレイステーションや、インターネット接続ができ、WindowsCEが動くドリームキャストに見られるような、ゲーム機への情報端末機能の付加は、家庭内標準情報端末として、パソコンに取って代わろうというゲーム機の隠された狙いの表れだ。携帯ゲーム機の複雑な連合も、家庭内標準情報端末としての優位性を狙っての戦略でもあるといえよう。 ゲーム業界はパソコンで失敗したようなものを、違う形でゲーム機で実現するところにビジネスチャンスがあるのではないだろうか。 今年はNTTがゲーム機能付き携帯電話のリリースを計画しているなど、異業種の参入の動きもあり、新しい方向でのゲームビジネスの展開が大いに期待される。 経営情報スクール
テーマ/「ゲーム業界のマルチメディア戦略」 |
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