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■GISの現状と今後の動向 技術とビジネスへの応用 久保 幸夫 慶應義塾大学環境情報学部教授 |
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GIS(Geographic Information System/地理情報システム)は地図やリモートセンシング など空間位置を明示的にもつ地理情報や、統計、文書など、変換すれば場所を与えることができる地理情報を処理することができるコンピュータシステムである。今回の講義では「現代の社会体制が要求する新しい社会情報基盤のひとつ」として注目されるGISの技術からビジネスへの応用まで、幅広い範囲からの話題が提供された。
●社会変化と新しい情報基盤 GIS(地理情報システム)は現代の社会体制が要求する新しい情報基盤のひとつである。1740年代にフランスで生まれた地図や1790年にアメリカで始まった国勢調査は、その当時の社会状況には対応した情報システムであったが、現代のように複雑・高速化した社会には、その単純情報やシステムでは対応できなくなってしまった。また社会の拡大に伴い、従来のローカルにつくられたデータから、グローバルでもっと統一・規格化されたデータも必要になってきている。 さらに、昨今のネットワークの目覚ましい発展で、誰もがデータを使える状態が生まれ、それへの対応のために、三次元、時空、マルチメディアの観点から発想された新しいデータとデータ構造が必要になってきている。こうした社会状況に対応する新しい情報基盤として生まれたのがGISなのである。 ●公共利用の例 1970年に大阪で起きた大規模なガス爆発事故を教訓に、大都市部における500分の1の地下埋設物地図の作成が行われることになった。その膨大なデータ管理の煩雑さと、地図ゆえの物理的問題の解決のために、地図をベクトルデータとしてデジタル化し、コンピュータで管理することが考えられた。デジタル化により、いろいろな情報と結合し解析ができるようになったことで、多目的利用が可能になった。 たとえば、現在ガス会社では、配管工事、メンテナンス等での基本的な利用のほか、カロリー変換、ネットワーク解析、さらには、営業、緊急車両での利用も行われるようになっている。 ところで、地下はガス、水道、電力、電信電話、地下鉄等の共有利用スペースであるため、データベースも共有可能な統合的なものが求められる。都市地下に関しては、数年前から統合的なデータセンターができ上がっている。地上に関しても同様に、巨大なデータセンターが構築されつつあり、都市計画、環境管理、緊急管理等の官庁レベルでの利用のほか、民間利用もできるようになってきている。 ●ビジネスへの応用 民間レベルではナビゲーションのほか、マーケティング、配送業務などでの利用が始まっている。 たとえば、あるピザチェーンでは、注文をフリーダイヤルで1カ所で受け、各店の受注状況や交通状況に応じて、顧客に最も早くピザを届けられる店の検索ができるようなシステムがつくられている。 また、大手ハンバーガーチェーンやコンビニエンスストアでも出店計画時のマーケティングには必ず利用するという。 運輸分野におけるGISの利用は特に注目される。宅配便などの配送サービスでは、荷物の位置確認のほか、巡回の最短コースを検索するシステムが各社で研究、実験段階に入っている。 海外では、GPS発信機による海上コンテナの積み込み手順管理や位置確認、レンタカーの位置確認なども行われている。飛行機の管制システムも、GPSを基調としたリアルタイムのGISに変わりつつあり、これにより、空の立体的利用が実現し、輸送力のアップが見込まれるほか、自動離着陸装置の低コスト化が実現し、地方空港での利用が期待される。 医療福祉分野では、119番通報時の搬送病院の検索などに利用されているほか、今後は徘徊老人や障害者のためのパーソナルナビゲーションへの応用も期待されている。 経営情報スクール
テーマ/「GISの現状と今後の動向」 |
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