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■都市計画大革命 国際競争の拠点、巨大都市をどうする? 伊藤 滋 アーク都市塾塾長/慶應義塾大学教授 |
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都市計画の第一人者である伊藤滋塾長は、「従来の都市計画の考え方だけでは大都市が陥っている今日的問題を解決できない」と都市計画の限界を指摘。国際的な経済競争を担う大都市には新しい都市計画が必要な時代になっていると説く。
「たとえば、高層化しても近隣に迷惑のかからないような地区は一般的な都市計画制度の枠外とし、都心居住などの社会的要請に応えるべき」と語った。
●都市計画の目的と限界 明治以降、市民社会の発生とともに、市街地を秩序づけ、良好な相隣関係を維持する仕組みが必要となった。そこで政府は先進諸国から都市計画の法制度や手法を導入した。ちなみに土地区画整理事業はドイツ、開発の許可制度はイギリス、市街化区域と市街化調整区域の分離はフランス、地域制は米国の制度を導入したものである。 本来、都市計画の原点は「良好な相隣関係を維持すること」にある。したがって、その地域の先住民の生活環境の向上を対象にしているため、将来住むかもしれない人々の意見や希望が反映できないという盲点がある。 その結果、都市計画制度が先住民の既得権の過保護に繋がるという弊害を招いている。 ●都市計画の盲点と突破口 たとえば、都心の一戸建てにずっと住み続けられる先住民がいる一方で、地方から出てきた多くの人々は、毎日、長距離通勤を強いられている。また、相続税対策などで敷地が無制限に細分化され、都市環境が悪化している。 良好な相隣関係を維持するためにつくられた建築基準法や都市計画法が、大都市では住環境の悪化を容認するという結果を招いているわけだ。 「21世紀にふさわしい都市には何が一番重要か」という視点から、都市計画を見直す時期が来ている。特に、国際的な経済競争の拠点都市については、従来の都市計画に縛られないその地域固有の都市計画が必要ではないか。 ●敷地細分化にストップを 敷地の細分化という悪循環を断ち切るためには、まず、敷地規模の最低限度を定めるべきである。そして、高層化しても近隣に迷惑がかからないような地域では、容積率など従来の法制度に縛られない開発を認め、都心回帰需要に応えるべきではないか。 あるディベロッパーの試算では、容積率を1000%にした場合、港区でも一戸当たり30坪程度のマンションが3000万円前後(土地費20万円/坪、建築費60万円/坪、諸経費20万円/坪。合計100万円/坪×30坪=3000万円)になるという。 現実問題として、ここまでは無理としても、容積率等の緩和によって、庶民が負担できる価格で民間業者による都市型住宅が供給できるようになるだろう。 ●都市計画と都市整備戦略 現在の法制度でも特定街区や総合設計制度を活用すれば容積を積み増すことはできるが、あくまでも例外であって、許認可手続きにも非常に長い時間がかかってしまう。ダイナミックに変化する大都市に必要な再開発を、もっと速やかに整備できるような新しい法律上の手続きが必要である。 たとえば、大都市については、従来の法制度を適用しない場所を指定し、需要や社会的必要性が認められる計画ならば、役所や近隣、事業者の調整で柔軟かつ短時間に開発できるようにする。臨港地区の倉庫街などのような場所ならば超高層化しても問題は起こるまい。そこに超高層住宅や利便施設を整備して、都市に住み、働く人々の受け皿としてはどうか。 これは従来の都市計画を否定するものではない。通常の住宅地には従来の常識的な都市計画を適用し、都市の一部にのみ、緊急対策としてこうした仕組みを用いればよいのである。 環境デザインスクール
テーマ/「都市計画大革命」 |
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