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■現代建築の課題と更新システム 〜環境の質を高めていく建築の役割〜 菊竹 清訓(建築家/日本建築士連合会 会長) |
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いろんなところで目にとまるドーム建築。巨大ドームをつくることは、時代を超えた社会の普遍的願望であり、高層建築は建築家の夢である。にもかかわらず、巨大なごみ、自然破壊という観点からは、世界的に声を潜めざるをえない現状でもある。 欧米のこれまでのパーマネントな建築に対して、テンポラリーに増・改・移築が自由に出来ることを理想としたとき、これらは日本の木造建築の歴史の中にある。こうした更新システムを持った建築というのは世界的に見てもユニークであり、日本から発信すべきテーマであると菊竹清訓氏はいう。 ●ドーム建築の可能性 巨大ドームとは、小さな建築を取り込んで屋外を屋内化するものである。ドームは、これからの都市環境の新しい動きに対し、新しい環境の質をつくっていくもので、革新的な課題であると考えている。 ドームの歴史は長いが、20世紀に入って大きく変化してきた。最小限の材料で柱のない最大の空間をカバーするのがドーム。新しい構造理論に基づき、素材はコンクリート造りから鉄骨へ、そして膜構造へと変化し、規模も巨大化していった。そして曲げや引っ張りがおこらない軸力だけによるドームが新しい構造である。 ドームの使い方は様々である。国内では、スポーツ施設に活用されることが多く都市郊外への建設が多いが、ヨーロッパでは都心につくられることが多い。そのほうが人が多く集まってこれるし利用度も高い。スポーツ施設、ショッピングセンター、メッセ、空港ターミナルなど、ドームの無柱空間は利用度が高く、都市空間における新しいテーマとなろう。 ●軸力ドームの趨勢 軸力ドームの構造は、アーチスラストを同一の軸力・部材・ジョイントによって処理することにより、解体・組立の自由を実現した更新システムである。ドームの構造が急速に発展してきた1950年代、世界的な構造家の松井源吾氏は、力の流れを目に見えるようにするために、光をあてて影を出すスタディによるモアレ法で軸力ドームを見つけた。 1967年から30年にわたり、松井氏と一緒に様々な軸力ドームの計画を続けてきた。それらの中には、実現したものもしていないものもあるが、事例からはドームに関する様々な課題が喚起されている。 軸力ドームは、テンションを組み合わせることにより、さらに鉄骨量が少なくなる。国内で最新の軸力ドームとなる北九州市のメディアドーム(本年9月末完成予定)は、平面の様々な形に適応する構造となっている。 ●現代建築の課題 巨大ドームに限らず、更新システムはすべての現代建築にとって世界的に重要なテーマとなっている。建設にあたっては、先端技術や大企業でなくては出来ないのではなく、造りやすくて誰にでも出来る様にしていかなければならない。また、リミットデザインはドームの普遍的な形だが、ドーム自体をデザインの個性を出すための特別なものにしない考え方も大事。 そして今後、環境にとってやさしくあるために積極的にドーム建築を取り入れていくニーズがあるであろう。その時に、メンテナンス、ハード、ソフトのうまい組み合わせで環境の質を高めていく役割が重要となる。バリューエンジニアリング(価値工学)に基づいた、合理的にコストを圧縮できる更新システムである。 現代建築にとって、巨大ドームは一つのシンボルである。 第20期 環境デザインスクール
テーマ/巨大ドームの更新システム |
| 菊竹 清訓 講義目録 |
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■第23期 '99.10.28 放射から環状へ、東京大改造 |
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■第20期 '98.6.17 現代建築の課題と更新システム |
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■第19期 '97.12.3 日本型都市環境 〜その多様性に期待する〜 |
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