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■都市のデザインコラボレーション 〜リアルスペースと サイバースペースの接点〜 隈 研吾(隈研吾建築都市設計事務所代表) |
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ネットワーク社会においてサイバースペースという概念が生まれるなか、その対極にある建物や都市といったリアルスペースに対する考え方は大きな変換が求められている。 隈研吾氏は、「参加」「コラボレーション」「建築の外部化」「私有の打破」の4つが、次世紀のリアルスペースづくりを考える重要なテーマだと指摘する。 ●建築が牽引した20世紀経済 20世紀は、建築というリアルスペースが極端に膨張した世紀だ。第一次世界大戦の後にアメリカは、住宅ローン制度によって住宅の私有化を進めた。その経済波及効果は大きく、リアルスペースは、20世紀の経済を押し上げるドライビングフォースとなった。 では、ネットワーク社会におけるサイバースペースは、次世紀のドライビングフォースになるだろうか。サイバースペースが発達する一方で、リアルスペースは取り残される、という考えもある。しかし、サイバースペースによってリアルスペースに対する考え方が変わっていくのではないだろうか。 ●重要なビジュアルでの意志疎通 サイバースペースの時代に合ったリアルスペースづくりを考えるテーマは4つほどあるだろう。 そのひとつは「参加」である。現在、公共団体などが行う大プロジェクトの委員会に市民を参加させているが、真の参加とは言えない。あくまでもコンセプトメーキングの段階への参加であり、リアリゼーションの段階に参加していないからだ。リアリゼーションの段階で市民が参加するために重要なのは、ビジュアルでのコミュニケーションである。「環境を大切する」といった抽象的なテーマも、ビジュアル化することで明確にわかり合える。 2番目のテーマである「コラボレーション(共同作業)」においても、ビジュアルでのコミュニケーションは重要だ。これからのプロジェクトでは、大枠を決める人間とディテールを決める人間が、最初から一緒にコラボレーションすることが大事だが、そのためにはビジュアルでのコミュニケーションが欠かせない。 そうした中から、これまでディテールだけに携わってきたアーティストが、プロジェクト全体をリードするといった新しいプロジェクトの進め方が生まれるかもしれない。 ●「建築の外部化」と「私有の打破」 第3のテーマは「建築の外部化」だ。20世紀は、内部空間を重視し、なんでも内部空間に取り込もうとして失敗もあった。大きなガラス張りのアトリウムは、大規模な空調を必要とし、環境への負荷が大きい。いろいろな面で不健康でもある。 現代の若者の行動が「オソト(お外)化」しているとか、「ストリート文化」といった表現がされている。確かに、外部空間で生活する新しい人種が生まれているように思う。今後は、コンサートホールなどの文化施設がもっと「オソト化」するのではないだろうか。 最後の第4のテーマが「私有の打破」の問題である。日本では「私有」と「共有」を分けてきたが、欧米でいう「パブリック」や「共有」の意味が正確に理解されていない。 日本では「みんなで所有すること」を「共有」と考えてきたが、これでは共有のシステムづくりが難しい。欧米の「パブリック」の概念はみんなで所有することではない。所有権はともかく、みんなで使える部分を「パブリック」と考えてきた。その考え方に沿えば、日本の都市づくりはずいぶん形を変えて行くだろう。 21世紀は以上の4つのテーマが解決されて、新しい都市づくりが進められ、リアル都市が再生産されるものと思う。 第20期 環境デザインスクール
テーマ/都市のデザインコラボレーション |
| 伊藤 滋 講義目録 |
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■第25期 '01.3.8 分断から混在へ |
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■第20期 '98.6.10 都市のデザインコラボレーション |
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