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■インターネットが出版を変える 〜ネット出版の最新動向と世界的な動き〜 前田完治(株式会社三修社社長) |
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本はデジタルビジネス向きの商品である。本のオンライン販売を行うアマゾンコムが米国インターネット関連株の中で特に成功している5つの銘柄(ヤフー、アットマーク、ネットスケープ、チェックポイント、アマゾンコム)に数えられていることも
その証だ。
500年の歴史を持ち、さまざまなノウハウと同時に多くの規制を抱える出版はインターネット技術の導入でどう変わっていくのか。今回は日本のデジタル出版のパイオニアである三修社社長の前田氏に、出版の今とこれからを聞いた。
●これからのネット出版 今、インターネットでできる出版の一例に「VISUAL NOVEL」がある。XML、JAVA、DYNAMIC HTMLなどの複数の技術を使い、画面に少しずつ文字を出し、ユーザーが自分で読み進めていくことができる仕組みのものだ。出版社、流通ルート、書店を介せずに、作者が多くのユーザーに伝えたいことを直接届ける試みである。 またCD-ROMでは文字をベースとしながら、パソコンで楽しむものならではの動く挿絵とナレーションで構成する「インタラクティブナレーティブ」がある。6月に発売の「星の王子さま」 CD-ROMでは挿絵がすべて3Dになっていて、ユーザーが挿絵をクリックしながら物語の進行に関わっていけるような仕掛けになっている。 紙からパソコンにメディアが変わろうと文字の持つ力の大きさは変わらない。「文字は最高の圧縮技術」と浜野氏もいうように、これからのネット出版で大切なのは、一般の通信・マシン環境の中で文字、音、動画の組み合わせの最適バランスを作り出していくことだ。 ●日本出版制度の特徴 日本の出版制度で特徴的なことは、東販や日販などを中心とする大規模取次店が流通を統括し、全国の小売店約28000店に対して本の配置をしていることである。このため、きめ細かな配置は難しく、片寄りも生じる。全国どこでも同じように本を入手することはできないのである。 また、委託販売と再販制度が確立されているので、書店に多くの在庫が置かれることもなく、自由な値引きもできない。米国では再販もなく、90%は買い取り制で、在庫処分のために本の安売りもできる。これらはネットビジネスにも大きく影響する。日本では、技術的にできることと制度的にできることの間に大きな開きがあるといえる。 ●書籍出版協会の取り組み 平成9年9月9日、日本書籍出版協会のホームページ「books」が開設された。これまで紙ベースでしかなかった日本書籍総目録がデジタル化され、インターネット上で書籍検索ができるようになった。検索から出版社へのリンク、注文・購入までができる仕組みがつくられ、新しい流通ルートが形成されつつある。現在、ホームページを立ち上げている出版社は協会会員500社のうち170社。残りのうち130社はホームページ制作中で、200社は協会が技術・経済支援を行っている。500社が出揃えば流通図書の80%をカバーできる。 また出版社しか知らない新刊情報をインターネットを通じて収集、公開し、予約ができるような仕組みや新聞社ウェブサイトの書評と連携した販売の仕組みづくりも行っている。 ●ネット出版の世界的動きの中で 世界中の出版物の中身をインターネットで公開しようという動きがある。そのために必要なシステムとして開発されたのが、ユーザーと作者の双方を保護するための新しいシステム・デジタル著作物識別子(=DOI/Digital Object Identifier)だ。そして今年から米国を中心に本格的研究が開始される。 インターネットが米国中心になっているのにはさまざまな理由があるが、中でも文字の問題、とりわけ漢字の表示は日本が米国に遅れをとった大きな要因のひとつである。漢字は中国、日本、韓国、台湾の4か国で使われ、利用者数は世界一の文字である。しかし2バイト文字であるために、文字コードの違いにより文字化けがおこる。これを解決したソフトが「アジアサーフ」だ。 日本のネットビジネスの成功は米国ができないことをやり、テキストをうまく取り入れ、本ではできないことをマルチメディアで可能にし、世界中とやりとりすることができるようになって初めて実現する。 第20期 情報デザインスクール
テーマ/ネットワークビジネスにおける電子出版 |
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