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■地球コミュニティと 空港コミュニティ 戸沼 幸市(早稲田大学理工学部教授) |
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2050年には世界の人口が100億人に達しようとしている。急激に増える人口を受け入
れるには、個々の生活・地域・国・世界の各レベルにおいて、暮らし方や都市づくりを考
えていかなければならない。早稲田大学の戸沼幸市教授は地球規模の視点からコミュニ
ティの問題に迫る。
●過去200万年間の人口増を60年間で達成 2050年に世界人口が100億人になるというのは、かなり正確な予測だ。だが、地球に は可住地と非可住地がある。世界人口の大半は、海沿いや川沿いの平野に住んでいる。一 方、南極などの局地や、砂漠、大森林地帯などには住むことができない。この可住地と 非可住地は明確に分かれている。 人口史をみると、人類が生まれたのは200万年前。人口が1億人に達したのが紀元前2 500年ごろであり、およそ200年前の1800年に10億人になった。さらに1990年には人口が50億人に達した。近代になって人口は急激に増加したが、パリやロンドンなどに代表されるように、人間の固まりは最大でも100万人ぐらいだった。1000万人を超える巨大都市が生まれたのは産業革命以後だ。 200万年をかけて人類は人口50億人に達したが、1990年から数えてわずか60年間で倍の100億人になろうとしている。2050年までの間には、過去200万年分に相当する劇的な変化が、個々の生活や社会生活のいろいろなレベルで起こっても不思議ではない。“生活革命”と呼べるようなことが起こるかもしれない。
人口でみる可住地と、資源・技術・制度・経済でみる可住地ではズレがある。これか
ら増える50億人の人口をどこに収容するかは大きな問題だ。今ある100万都市、1000万
都市、3000万都市をさらに増やさなければ、50億人は収容できない。かつ、各都市が連
続し、ベルト状にならなければならないだろう。
居住圏が広がり、それぞれが連続するようになると、「密度」という問題も考えなけ ればならない。現在の世界の人口は、だいたい1・当たり1万人、1ha当たり100人ぐ らいだ。現在の東京60・圏には3200万人が住んでいるわけだが、これは世界から驚異の 目で見られている。都市の傑作と言えるかも知れないし、これを実現したしかけも注目 される。 これからの国土計画、都市計画には重要なテーマがいくつかある。「阪神大震災の教 訓をどう生かすか」「太平洋アジア地域の拠点である沖縄をどう生かすか」「地方分権 と合わせて、首都移転をどう実現するか」……などである。 明治には、エネルギー革命に触発された近代の色々な仕掛けに対して、ピラミッド的 構造で対応するために、近代国家のひとつのスタイルをつくり上げた。戦後は、民主主 義国家の創造と言いながらも、政府に様々な権限を集約して経済繁栄を勝ち取った。国 づくりは常に若い世代が主役であった。そういう意味で、21世紀の国を今20代の方がど うのようにつくるか注目している。
国や都市づくりについては、「グローバル」と「ローカル」という問題もある。「シ
ンク・グローバル、アクト・ローカル」という言葉がある。「地球的に考え、地域で行
動しよう」という意味だ。もちろんその逆で、「シンク・ローカル、アクト・グローバ
ル」という考え方もあるだろう。もうひとつ「グローカル」という言葉もある。国家が
世界に向かうのと、地域に向かうのとの中間にあって、柔軟な枠組みで考えるという意
味だ。“地球100億人時代”では、こうした言葉がもっと重要になってくる。
現在は、ほぼ1県1空港だが、1つの県に2つの空港を持ちたいという要望も強い。 今や空港が地域活性の重要なプロジェクトとなっている。そこで注目したいのは、空港 のつくり方だ。今の空港は、デパートがあり、商空間があり、ホテルまである。 昔は、港湾が地域の顔であり、次に鉄道が地域の顔であった。そして、現在の地域の 顔は空港である。昔に栄えた駅前や港がさびれる一方で、空港周辺が賑わっている。こ れは空港コミュニティと言ってもいいし、空港そのものがコミュニティであるとも考え られる。いずれにしろ、空港と周辺のコミュニティの関係は、重要なテーマとなってい るのではないか。 第19期 環境デザインスクール
テーマ/地球コミュニティと空港コミュニティ |
| 戸沼 幸市 講義目録 |
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■第22期 '99.6.10 東京の景観づくり |
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■第20期 '98.5.23 空港と都市 |
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■第19期 '97.11.19 地球コミュニティと空港コミュニティ |
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■第18期 '97.5.14 地域活性化のキーポイント |
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