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■都市計画の本質 〜誰のための都市計画か 都市計画のすすめ〜都心居住論 伊藤滋(アーク都市塾塾長、慶応義塾大学教授) |
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伊藤滋塾長は第1回講義として、都市計画に携わる人々が陥りやすい誤りを指摘し、
都市計画の基本をかみ砕いて話した。「この分野の専門家や評論家の多くが願望が強す
ぎ、現実が伴わない傾向が強い」と忠告する。誰のための、また、なんのための都市計
画かという視点を常に失わないことが不可欠であり、考え方の基本になる。 後半では、都市計画の応用として都心居住の現代的意味に触れた。 ●都市計画とは何か 都市計画は専門家の願望を実現する手段ではない。 都市計画とは「地域社会に住んでいる人が互いに迷惑をかけずに上手に暮らしていく ための行儀作法を、役所が法律や条例といった「規制」という手段を使って実現するも の」である。都市計画の実現性を重視するならば、その街がつくられた経緯や背景を調 べ、理解することが不可欠である。 ●規制の2つの流れ 都市計画は規制からスタートしている。規制には表1のように2つの種類がある。規 制Aは国の定める規制であり、既成Bは住民参加型で地方自治体が定める規制。いずれ も都市計画法で位置づけられた強い拘束力を持つ規制である。誰のための都市計画かと いう視点で見れば、規制Bが今後の都市計画において重要な役割を果たすようになろう 。 これらの根本となる都市計画法は、表2に示した内容(1.地域・地区制、都市計画 地域などの土地利用、2.街路、公園、下水道などの都市施設、3.再開発や区画整理 など市街地の開発)を定めるもの。都市計画決定によって、土地収容法と同等の公権力 の執行が認められる。 ●DUE(正当な)プロセス 都市計画決定の手順は、地元自治体の都市計画地方審議会→都道府県の都市計画審議 会→公告というプロセスをとる。公権力の執行を認める強権を与える代わり、その決定 には間接民主主義のDUE(正当な)プロセスが課せられる。しかし、プロセス自体は 正当であっても、現実面で本当に必要十分な審議が尽くされているかという内容につい ては疑問が残る。 また、都市計画ですべてをカバーすることはできない。たとえば、この効力の及ばな い都市計画区域外ではバブル期に質の悪い開発が続出した。都市計画の仕組み自体も、 都道府県が生殺与奪を握ってきたことへの批判もある。 ●都心居住の現代的意味 都市計画の応用として都心居住の問題に若干触れておこう。 地域地区制など土地利用を規制する仕組みは、元来、地域に住んでいた人々のしきた りをベースにしているため保守的な色彩が強い。そのため既得権の過保護に繋がり、都 心居住を必要としている層が都心に住むことができず、都心の土地有効利用も阻害して いるという批判が経済学者などから出ている。 また、省資源、省エネルギー、二酸化炭素削減といった地球規模の環境問題から見て も、郊外へと際限なく広がる都市はエネルギー消費量が高く、時代に逆行する。都心を 高度活用したコンパクトな都市の方がエネルギー消費量の少ない暮らし方が実現できる 。 【関連表】
表1.都市計画の規制
表2.都市計画法の定める内容 第19期 環境デザインスクール 第1回講義
テーマ/都市計画のすすめ〜都心居住論 |
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