■グローバル時代における
  企業組織の管理運営


二瓶恭光(慶應義塾大学産業研究所教授)


二瓶 恭光
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グローバル時代とは何か。かつての国際化とはどう違うのか。
 国際化ということばは、これまで中身がよくわからないまま使われてきた。我々の周 りは、外国のテレビ番組やニュース、語学教育等を通じてそれなりに国際化されている 。しかし、その程度の知識や言葉は、海外で何かをはじめるときに果たして役に立つの だろうか。
 実際に役に立つ言葉を手段として身に付けることによりグローバルコミュニケーショ ンが成り立ち、仕事上の考え方を具体化するための手法を身に付けることにより、マネ ジメントが実現する。近年米国でプロジェクトを立ち上げ軌道に乗せてきた実務経験を 持つ二瓶恭光氏(慶應義塾大学産業研究所教授)は、このような時代における経営やそ の条件に対する考え方は国内外を問わないマネジメントの基本的な課題であるという。



●現地の常識と考え方を身につけ、判断する
組織が、何を何故どのようにやろうとしているかという目的をはっきりさせることは 大前提である。しかし、海外では特に、現地の対応者が核となる基本コンセプトから状 況に応じてどこまで柔軟な判断ができるかが大きな鍵となる。  例えば、利潤をあげることが主目的な企業活動でさえ、米国では15年ほど前から企 業として社会的責任を果たすことが必要とされるフィランソロフィーが重視されてきて いる。ところが、日本においては未だ根付いていない。そこで、日本企業の現地法人等 が日本本社との意識ギャップに苦しむことが多い。

 海外に進出する時には、事前に現地の情報を集めると友に、「HOW」の部分は、現地 においてフレキシブルに対応できる余地を残しておくことが望ましい。
 実際に何かを始めようとする場合、現地の情報収集は極めて重要である。それも、単 なる知識にとどまらず、現地の常識を身に付ける必要がある。これは、日本人社会をつ くらないということにもつながる。

 また、現地のキーパーソンと出会えるかどうかも重要なポイントだ。  心構えとしては、いつかは日本に帰るのだからという後ろ向きな考え方はやめるべき である。出来るだけ長く、できれば現地に骨をうずめるつもりで行くべきである。


●いかに日本的考え方から離れるかが鍵
 基本的に現地の実状や変化の動向に敏感でないと、様々な摩擦や問題を起こしてしま う。現地の人達といかにうまく仕事を行うかということが、営利・非営利を問わずプロ ジェクトの成否につながる。給与体系や人種問題、最近ではセクシャルハラスメントに 関する問題など、日本的な理解を超えてうまくやっていくということがいかに困難なこ とかを物語る個別ケースは山積している。  日本的と言う意味で、ヒューマンリレーションという考え方やレイオフを避ける等、 評価されて迎えられているやり方もあるが、長く望ましい活動を続けていくのは難しい 。  重要なのは、いかに日本から独立できるかということである。  米国では、ジョブディスクリプション(職能規定)において権限と責任がはっきりし ているが、合意によるコンセンサスデシジョンメイキングという日本の考え方ではなか なか出来ることではない。この課題を、日本本社にわからせなければならない。  コンセプトを実現するためには試行錯誤期間が必要である。



第19期 経営デザインスクール マネジメント研究科 第1回講義

テーマ/グローバル時代のマネジメント
講師/二瓶恭光(慶應義塾大学産業研究所教授)
日時/1997年10月31日
会場/アカデミーヒルズ(アーク森ビル36階)


二瓶 恭光 講義目録
■第20期 '98.7.24
 実務のための国際化を考える
■第19期 '97.10.31
 グローバル時代における企業組織の管理運営
■第17期 '96.11.15
 米国における教育機関の設立

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