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■まちづくりは人づくり 〜参加・体験・発見型のまちづくりワークショップ 後藤春彦(早稲田大学理工学部建築学科助教授) |
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住民がまちづくりに携わるのは自明のことのようであって、実は住民不在というのが昨
今の都市計画である。講師の後藤春彦氏(早稲田大学理工学部建築学科助教授)は東京
の都市問題を研究するうちに、地方の小さな農産漁村という中山間地域を視野に入れざ
るを得ないと感じてきた。「都市は農村が発展したもの」と学生たちのほとんどがそう
理解しているが、都市化が進むことにより周辺の農村化が進むという合わせ鏡になって
いるのが実状である。都市問題は複眼的に見つめる必要があるという。
●地方のまちづくりのための概念 島国である日本では都市は海辺の集積平野に形成されてきた。上流である中山間地域と 下流の都市とは川で繋がっていた。現在、日本の人口が頭打ちになりつつあり、都市化 自体がストップしようとしている。この現象はまず地方都市の中心市街地に表れてきて いる。そもそも都市は、均質化、拡大化を進めるために流動性を良くすることを目指し てきた。近代はフローの時代であったが、そのシステムは行き詰まってきた。では上流 はどのような状況にあるのだろう。このことが、中山間地域のまちづくりを考えるきっ かけとなった。 さて、70年代から出ている言葉ではあるが、内発的発展という地方のまちづくりを考 える際のバックボーンとなる概念がある。対応する外発的発展というのは、国家が発展 の単位で、経済成長を物差しとする。ここでは自然環境と社会システムは切り離されて 考えられ、生産から消費というフローを基本とし、一部のエリートが前近代を排除して きた。内発的発展は、ある生態的な特徴を同じくするエリアが単位で、自然と人間の共 存を考えながら、どれだけ豊かに、幸せになれるかという人間成長が物差しとなる。歴 史的ストックや伝統を尊重し、それぞれが自分の得意とするところで役割を担う。 研究室では、この内発的発展という考え方に基づき、身近な地域の資源を活かしつつ、 担い手達である市民が参加・学習しながら「総合的なまちづくりの結果として風景を創 出していく」ことへの様々な取り組みを始めている。 ●幾つかのまちづくりワークショップ その手法として、まちづくりワークショップという市民が参加し学習する共同作業が注 目されている。以下に幾つかの事例を紹介する。 1.浦安境川親水デザインゲーム 〜都市塾の13〜15期での試み。浦安市民が、理想と課題と対策をカード化し、 計画を模型で表現する。CCDカメラを用いてモニターで視点を共有し、風景の 合意まで高める。 2.三重県飯南町まちづくりイベント 〜仁柿峠の廃村を舞台に、かつての生活の知恵・作法・文化を学ぶ。村を探検・ 調査し、昔の住民に村の結婚式を再現してもらう。 3.滋賀県安土町の景観づくり 〜講演イベントにあたって、神社にしつらえた会場づくりに市民に携わってもら った。参道につくった昔の写真展から水との暮らしが豊かだったまちの資源を 見直すことができた。 4.熊本県合志町すずかけ台団地連続ワークショップ 〜高齢化対応を迫られる地区の自治会で、車椅子で町を歩いてウオッチし、個々 の人生をトレースしながらまちづくりについて考えられる「まちづくり人生 ゲーム」によりソフト面の課題を摘出し、計画づくりを行い、模擬町議会で 発表するまでワークショップにより議論を重ねた。 5.熊本県天草郡五和町地域交流センターづくり 〜施設の機能や空間イメージづくりのために、ポラロイドインタビューやロール プレイングディスカッションを重ねた。 ●まちづくりワークショップは誤らないか? 最後に、ワークショップ自体についてあえて問題提起してみる。 1.面白い仕掛けではあるが、一過性のイベントに終わっては いないか? 2.一握りの参加者の意見で良いのか? 3.イニシャルコストと成果のレベルが整合しているか? 4.市場(評価)の原理をどれだけ導入できるか? 5.市民参加のアリバイづくりに利用されないか? 6.議会制民主主義を侵害していないか? 7.行政が自らの役割を放棄しないか? これらを自問しつつ、一人一人が「つくる」という意欲を萎えさせているかも知れない 時代の中で、活力のためのワークショップでありたいと考えている。 第19期
テーマ/「住民と考えたまちづくり」 |
| 後藤 春彦 講義目録 |
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■第20期 '98.7.15 住民と考えた街づくり |
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■第19期 '98.2.18 まちづくりは人づくり |
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■第18期 '97.7.9 住民によるまちづくり 〜地域遺伝子さがし〜 |
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