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■丸の内のデザインコントロール 〜「東京の顔づくり」に市民の声を〜 西村 幸夫(東京大学大学院教授) |
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日本を代表するビジネス街として長い歴史を誇る丸の内。しかし、シンボルであった丸ビルの建て替え、国鉄本社ビルの売却、東京駅八重洲側の国鉄清算事業団用地の売却など、丸の内一帯は、今、大きな転換期を迎えている。千代田区の景観条例づくりに携 わられた東京大学の西村幸夫教授を招き、丸の内の歴史的背景や、現在進んでいる再開 発計画概要などにも触れながら、「東京の顔」に相応しい都市景観を実現するために、どんなことが必要なのかを話していただいた。
●丸の内の景観を巡る3つの動き 丸の内地区では今、都市再生の転換期を迎え、都市景観を整備する機運が高まっている。丸の内の再開発と景観整備に関するマスタープランづくりは、千代田区、東京都、 地権者グループの3者がそれぞれの立場で進めてきた。 千代田区は、地区特性や眺望のポイント、道路パターンを検討するなど、基本的景観パターンの調査・研究を進めてきた。それを基にして千代田区は、今年3月を目途に、 界隈別に都市デザインをコントロールする景観形成マスタープランを策定しようとしている。 丸の内を含む皇居の外郭一帯は、昭和8年に「美観地区」に指定された。美観地区指 定は今日も有効だが、運用に関しては別途条例が必要であり、現在は条例がないために実効性がない。千代田区の景観形成マスタープラン策定は、美観地区の中身をつくり、 地区指定を蘇らせようというものだ。 一方、東京都は、丸の内地区だけでなく都全体を対象にして、地形を軸とした都市景 観のマスタープランを作成。それをベースにした景観条例を、今年4月に施行する予定だ。 地権者グループの丸の内再開発に向けた活動も10年近くになる。1988年初頭に丸の内 地区最大の地権者である三菱地所が、「丸の内マンハッタン計画」とも呼ばれる「丸の内再開発計画」を発表したのが端緒だ。同年7月には、地権者企業が中心となって「大手町・丸の内・有楽町再開発計画推進協議会」が発足した。同協議会は、丸の内地区を 超高層化するなど、主に地域の高度利用を目指している。 ●官民共同で発足した懇談会 これまで3者が街づくりのマスタープランづくりを進めてきたが、1996年には、官民 共同の考えを受けて、地権者グループの「推進協議会」、JR東日本、東京都、千代田区が集まって「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり懇談会」が新たに発足した。同懇談会は1997年末に、地区の整備方針についての中間的な合意事項をまとめ、発表した 。 それによると、同地区に新築されるビルディングの高さとそのスカイラインについては、統一性に配慮しつつ150m程度まで許容し、拠点地区は200m程度まで可能にする、 と提示している。また、丸の内や有楽町の街並みを形成する主要な通りについては、それぞれの特性を配慮し、昭和8年の美観地区指定の際に示された31m(100尺)のスカイラインを継承する考えも表明している。 ●市民参加の必要性 懇談会の中間合意は官民で練り上げたものだが、最大の問題は、市民参加の論議が十 分に行われていないことである。「建物高さは概ね150メートル前後とするが、拠点 的な建物については200メートル程度」というこの高さ論議には、市民の声が反映されていない。 1966年に東京海上火災が、戦前の高さ制限である31mをはるかに超える127mという超高層ビルを建設しようと建築申請をした際は、各方面から賛否両論の意見が飛び出した。激しい議論の結果、25階建て・99.7mに落ちつき、依頼皇居周辺のビルは「100mまで」という不文律ができた経緯もある。 この地区の高層化に反対するものではないが、都市景観の基本となるような高さ制限が、十分な論議をしないままで決まるというのは納得がいかない。東京の顔として相応 しい形は何かを皆で議論すべきである。 また、現行制度で開発するとしたら、それぞれが公開空地をとって、敷地の真ん中に 塔状の建物がたつという姿になってしまう。これがビジネス街の景観としては相応しいものだろうか。現行制度の見直しも含め、議論を尽くすべきである。 第19期 都市計画
テーマ/丸の内のデザインコントロール |
| 西村 幸夫 講義目録 |
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■第20期 '98.7.29 住民が見つけ、育てる街の魅力 |
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■第19期 '98.1.18 丸の内のデザインコントロール |
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