地方が元気#2 岐阜県の事例から
「高度情報基地ぎふ」作り〜岐阜県版シリコンバレー
「ソフトピアジャパン」の展開〜

安藤隆年(財団法人ソフトピアジャパン副理事長)




「高度情報基地ぎふ」作り〜岐阜県版シリコンバレー
「ソフトピアジャパン」の展開〜

 日本の中心に位置する県の地域性を21世紀に向けてどう活かしていくか。高齢化、成熟化、技術革新、国際化の流れにどう対応していくか。岐阜県では情報化というキーワードが、そのすべてを補完するという発想から「高度情報基地ぎふ」作り構想を掲げ、県全体の施策を進めている。その下で、「ソフトピアジャパン」、「VRテクノジャパン」などのプロジェクトが次々と展開されている。今回はその中核プロジェクトの1つ「ソフトピアジャパン」を実際に動かし、現在、ソフトピアジャパン副理事長を務める安藤氏にその取り組みを聞く。


ソフトピアジャパンとは
 ソフトピアジャパンは、人・知恵・情報の絡み合う、21世紀の情報価値生産の現場(=情場)として、大垣市に誕生した「高度情報基地ぎふ」作りの中核拠点である。国際的なソフトウエアの開発及びマルチメディアネットワークビジネスの中心拠点とともに、県民生活全体につながる地域情報化の拠点を目指している。また、グローバル化に対応し、物から“個”人に目を向けた、21世紀の情報型都市作りのモデルともなっている。 

コンセプト具体化のための4つのコア機能
 プロジェクトの成否はいかにエキサイティングでフォローな状態の“情場”を作り上げていくかにある。産学民官が同じ志を持ち、相互に影響、協力しあいながら、能動的に活動する体制(=産学民官の水平型ネットワーク)作りがその鍵となる。この課題を背景に、コンセプト具体化のために次の4つのコア機能を設け、展開している。

(1)映像ソフトなどマルチメディア関連の人材の育成と確保のために大学院レベルの高度な専修学校「国際情報科学芸術アカデミー」を設立。マルチメディアネットワークビジネスの起業に必要なサイエンスとアートの両面のスキルを持つ人材の育成を目指す。
(2)知的インフラ整備のために慶應義塾大学をはじめとする国内外の大学との共同研究、共同プロジェクトなど、マルチメディア等に関する先端的な研究開発の支援を行う。
(3)ベンチャービジネスを中心に、パイロット事業の推進によりニュービジネスの展開を図る。
(4)良い情報の発信により情報が集まり、新たな情報が生み出される情報拡大再生産の仕組作りのために情報発信機能の整備を行う。 

プロジェクト推進の経験と今後の課題
 プロジェクトの最大の特徴は、国の援助を受けず、知事をリーダーに県のプロジェクトチームが手作りで推進している点だ。88年から取り組みを始め、バブル経済の崩壊をはじめとする日本社会の大変革期を経て、その対処のためには、役人の殻を破る柔軟性、フットワークの良さ、スピードセンスが要求された。また、技術革新の速さに対応し、いかに先を見越して方向性をシフト、実現するかのマネジメントが最大の苦労だった。今後、確実におこる情報ボーダレス化は、“賢衆”の時代をもたらし、対する行政側の変化も早急な課題となろう。
 ソフトピアジャパンの今後の課題は、コアカンパニーを育て、官主導から民間エネルギーを活用した民主導への移行を図ること、“情場”を作り上げることである。実現のためには、どれだけ良い人材を集められるかが重要なポイントになる。


第18期 情報デザインスクール  第5回講義

テーマ/地方が元気#2 岐阜県の事例から
講師/安藤降年(財団法人ソフトピアジャパン 副理事長)
講師/月尾嘉男(東京大学工学部産業機械工学科教授)

日時/1997年6月30日
会場/アカデミーヒルズ(アーク森ビル36階)
参考:岐阜県ホームページ