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情報とは「情けに報いること」 〜気象情報のベンチャー企業、ウエザーニュース 〜 草開千仁(ウエザーニュース取締役) |
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気象情報産業のベンチャー企業として11年目を迎えたウエザーニュース。同社の前身であるオーシャンルーツを買収し、気象を核にしながら幅広い分野へビジネスのすそ 野を広げている。その若き取締役、草開氏は「データと情報の違いはなにか」、「商品 を広めるためにはどんなことが重要か」を成功例、失敗例を交えながら示してくれた。 「情報とは情けに報いること。その切り口で考えれば、単なるデータが人の役に立つ情報に変わる」と熱っぽく語る。講義の一部を以下に紹介する。 データと情報の違い 視点を変えて「情報」に加工する ウエザーニュースは民間気象会社として11年前に創業した。気象庁が「みんなのために広域的な天気予報を定期的、一方的に提供する機関」であるのに対し、我々は「あ なた(顧客)ための局地情報を随時、双方向で提供する組織」である。 つまり、気象データを顧客のために直接役立つ「情報」にすることが我々の役割だ。 しかし、気象ビジネスに参入した当初は、気象庁の発表と異なる発表は一切提供できないという規制があったため、苦肉の策で「指数」を考え出した。今では珍しくないが「 傘指数」、「ビール指数」、「洗濯指数」といった表現は、一方では当時のがんじがら めの法規制をクリアするために、また、もう一方では顧客が最終的に何のために天気を 知りたいかというアプローチから生まれた独自の情報提供方法だった。 求められる「情報」は相手によって異なる。野球場であれば、ゲーム時間中に試合ができるかが知りたいわけであり、地方自治体にとってもっとも知りたい情報は、たとえ ば気象庁の大雨警報に対して管轄区域で防災体制を取る必要があるかである。また、防 災体制をとった後は、いつ体制を解除すればいいかの情報が求められる。こうした顧客の心を察知してそれに対応する情報を提供することが、我々の目指すリスクマネジメン トコンサルティングであり、これこそ「情けに報いる情報」なのである。 よい商品だから売れるとは限らない いつ、どの市場に投入するかがカギ よい商品を開発しても、時代状況を見極めて、それを反映できる市場にタイミング良く投入しないと失敗する。我々も、大手エアラインに対し、安全で速く、なおかつ燃料 消費の少ないルートなどの情報を一元化して提供するサービスを開発したが、航空業界 全体の業績悪化のため、撤退を余儀なくされたことがある。 成功例としては、流通業界を対象にしたウエザーマーケティングがある。ビールなど の商品の売れ行きに天候や気温が大きな影響を与えることは以前から言われていたが、 5〜10年前は、たとえそうした情報を流しても流通の配送システム等が対応できなかった。しかし、今ではPOSシステムの普及によって十分に対応できる。そこで、客入りや売れ行きを左右する説明変数である店舗立地や曜日、天気などの統計情報と、気象 情報を解析し、「仕入れ情報」として提供するビジネスが成り立つようになった。 このように、今後のマーケティングのカギは、時代や市場の変化を捕らえる鋭い洞察 力と、それに対応するスピードである。また、気象の世界は、気象業務法の改正で大きく変わったといわれているが、気象の民営化はまだ緒についたところだ。しかし、早ければ2000年、遅くとも2010年には本格的な気象民営化時代が到来すると確信しており、それに対応すべく準備を進めている。 第17期経営デザインスクール・マネジメント革新研究科第7回講義 テーマ/ベンチャー企業の発展 講師/草開千仁(ウエザーニュース取締役) 日時/1997年2月28日 会場/アカデミーヒルズ(アーク森ビル36階) |